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第1章
第53話《影の正体とやっぱり来ちゃったアイツ》
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ついさっき巧斗さんに総一郎からマーキングを勝手につけられていた事とその意味を教えられてから、無意識にかなりの脅威を感じていたのか、とっさに項を抑えてバッと抱き着いてきた影から離れる。
「すっずめちゃーんっ!花嫁姿とっても素敵だったよ~!!ってちょっと~!?何その反応~!すずめちゃんってばひどーい!」
「っ!え…?」
忍び寄ってきた影から想定より甲高い声がしたので誰だろうと思い振り返ると、オメコン出場に向けて昨日衣装保管室で選んでいたウェディングドレスを身に纏ってばっちり化粧を施したシマちゃんが大きな目をぱちくりしながらこちらを見ていた。
(びっっっくりした~!!…総一郎だったらどうしようかと思った…。)
「あ、なんだシマちゃんか…。よかったぁ。」
「ちょっと…大丈夫?すずめちゃん、お顔が真っ白だよ?まだ白粉を塗ってるって訳じゃないよね?…ね、コンテストが始まるまで少しお話しよ?」
俺の顔色を見て事情を詳しく聞こうと思ったのか、シマちゃんはくいっと俺の腕を組んで控室に向かおうとする。
「わわっ待ってシマちゃん、あと数分でオメコン始まっちゃうんじゃないの?」
「ああ、それミスターコンの結果発表の時にAIがバグったとかなんとかで遅延して、オメコンも20分延期になったでしょ~?って事でほら、控室に入って入って♪」
(そういやそうだったっけ…って、あっ!そっちにはつばめと相田君がまだイチャイチャして……!あれ、、、二人とも普通にコンテストの衣装や荷物をまとめてるな…。)
シマちゃんが俺の意思など問答無用でバーン☆と控室の扉を開けると、俺の想定内では未だにイチャコラ乳繰り合っていたであろうつばめと相田君が普通にミスターコンの後始末をしていた。
「に、義兄さん…!さっきは気を使っていただいて申し訳ないっす…!」
「えへへ、離れていた一日分沢山だちょ君成分を摂取しちゃった♡ってあれ、すっごい綺麗な花嫁さんだね?!すずめちゃんの友達?」
(あっ、今の今までいちゃついてたんだな…。相田君、ほっぺたに大量の口紅がついてる。まー幸せそうな顔しちゃって。)
相田君が照れくさそうに頭をかき、つばめがやたら満足そうな顔をしているので、色々と察して生暖かい目で二人を見ていると、つばめが俺の隣のシマちゃんの存在に気が付いて目を輝かせた。
「ああ、いやこの人は昨日からお世話にn…」
「僕は江永シマ!すずめちゃんの親友なんだ♪これからオメコンの準備をすずめちゃんに手伝ってもらおうと思ってたとこ♡って事で身内のよしみで僕に10点投票よろ~☆」
友達なんてとんでもない、何かとお世話になっている(多分)先輩だと言おうとすると、それに被せるようにしてシマちゃんが俺の事を親友だと言い出した。
(え、親友…?昨日会ったばかりなのに…?)
「あ、そうなんだ!OK~☆全部の審査で満点入れるね~!すずめちゃんの親友が出るんだったら最後までみるよ!」
「ありがと~!オメコン、明日もあるから是非見に来てね♪」
「もち~♪じゃあ、うちらは一足先にお兄ちゃんのところに帰ってるよー!」
「じゃあ俺は義兄さんの分まで席取って待ってるっすね!」
なんとなくノリが似ているのか、つばめとシマちゃんはすぐに波長が合って打ち解けている。
そしてさりげなく、俺の親友を騙る事でコンテストで自分に高得点を入れるように誘導する、シマちゃんの相変わらずの勝利への貪欲さに苦笑いしつつも感心したのだった。
◇◇◇
「それで~?実はさっきほんのちょっと電話の内容が聞こえちゃったんだけど、今ひなちゃんの事で鷹崎くんと喧嘩してるんだって?」
「聞こえてたんだ。まぁ、そんなとこ。俺が勝手に他の人と組んじゃって怒ってるの。」
つばめと相田君が控室を去った後、シマちゃんがさっそくお話の本題に入ってくる。
(やっぱり気になる所はそこか。)
これも噂の材料にするつもりなのかは分からないけど、ひなの悪評を言いふらしてくれる分にはありがたい。
「でも結局鷹崎くんはひなちゃんと組んでたよね?それで怒ってるのヤバヤバじゃない?」
「うん…それでしばらく彼の顔を見るのが嫌で避けてるんだよね。でも、そろそろこっちきそうだから俺も早いとこ避難しないと…ってやばい、きたかも……」
まだシマちゃんとは話をしたいが、そろそろ総一郎が来るかもしれないので話を切り上げようとしたところで手遅れだったらしく、突然控室のドアに《コン!コンコン》とノックがかかる。
総一郎も今みたいに、最初に強くドアを叩いて2回軽くノックする癖があるので、高確率であいつだ。
「すずめ。そこにいるよね?入るよ?」
(う、やっぱり総一郎だ…!まさか本当にここに辿りつくとは、なんでここが分かったんだか…。さっきGPSがどうとか言ってたけどまさかそれのせいかな?)
GPSの仕組みに関しては、スマホの位置の提供をしてくれる事だけは知ってる程度でイマイチまだよくわかっていない。
前に俺のスマホに見覚えのない7個のGPSのアプリが入っているのを不思議に思って総一郎に聞いてみたら、スマホ紛失時のためにすべてのスマホに強制的に入れられてるものだと教えてもらってたのであまり気にしないでいたのだ。
いくら便利でも7個も似たようなアプリはいらないし、流石に内容量が重いので消そうとすると、勝手にスマホがフリーズして再起動になるので、俺のスマホのスペックが悪いのもあってほぼアプリが入れられなくて困っているのだが、他の人達は誰も製造元にクレームを入れないのだろうか。
(あのアプリ達も本来は便利なものなんだろうけど、なんだか嫌な使われ方をしている気がする。)
まぁ、ここまで来られてしまったものは仕方ない…。
一体どうやってまだ帰らない言い訳をしようかと必死に考えを張り巡らせていると、シマちゃんがふと俺の方を見て、自分の口元に人差し指を当てて内緒のポーズをした後、扉の前に立ってさりげなく中から鍵を閉めた。
ガンっガンっと苛立たし気に扉を開けようとする総一郎にシマちゃんが平然とした声で話しかける。
「鷹崎くん?すずめちゃんならいないよ?」
「…おかしいな。ついさっきまでここにいたはずなんだけど……クソっ!!GPSがきれた………!!」
「(GPS…?)え~?そう言われても全然見かけないし…。てか今からオメコンだし他のΩの子の着替えとかあるからいくらイケメンでも覗き禁止でーす!」
「…くっ…そうか。…邪魔してすまなかった。」
流石の総一郎も他のΩの着替えを見るのは罰が悪いのか、割と素直に帰っていった。
足音が遠ざかっていくのを聞いて、シマちゃんが振り返りウインクする。
「すずめちゃーん、ヤバ崎くんどっか行ったよーん♪」
「あ、ありがとう。シマちゃん。」
(またシマちゃんに助けられてしまったな…。って今さりげなく鷹崎じゃなくてヤバ崎くんって言った?)
さっきまでは緊張で体も若干こわばっていたのだが、シマちゃんに勝手に変なあだ名をつけられている総一郎に少し噴き出してしまった。
「すっずめちゃーんっ!花嫁姿とっても素敵だったよ~!!ってちょっと~!?何その反応~!すずめちゃんってばひどーい!」
「っ!え…?」
忍び寄ってきた影から想定より甲高い声がしたので誰だろうと思い振り返ると、オメコン出場に向けて昨日衣装保管室で選んでいたウェディングドレスを身に纏ってばっちり化粧を施したシマちゃんが大きな目をぱちくりしながらこちらを見ていた。
(びっっっくりした~!!…総一郎だったらどうしようかと思った…。)
「あ、なんだシマちゃんか…。よかったぁ。」
「ちょっと…大丈夫?すずめちゃん、お顔が真っ白だよ?まだ白粉を塗ってるって訳じゃないよね?…ね、コンテストが始まるまで少しお話しよ?」
俺の顔色を見て事情を詳しく聞こうと思ったのか、シマちゃんはくいっと俺の腕を組んで控室に向かおうとする。
「わわっ待ってシマちゃん、あと数分でオメコン始まっちゃうんじゃないの?」
「ああ、それミスターコンの結果発表の時にAIがバグったとかなんとかで遅延して、オメコンも20分延期になったでしょ~?って事でほら、控室に入って入って♪」
(そういやそうだったっけ…って、あっ!そっちにはつばめと相田君がまだイチャイチャして……!あれ、、、二人とも普通にコンテストの衣装や荷物をまとめてるな…。)
シマちゃんが俺の意思など問答無用でバーン☆と控室の扉を開けると、俺の想定内では未だにイチャコラ乳繰り合っていたであろうつばめと相田君が普通にミスターコンの後始末をしていた。
「に、義兄さん…!さっきは気を使っていただいて申し訳ないっす…!」
「えへへ、離れていた一日分沢山だちょ君成分を摂取しちゃった♡ってあれ、すっごい綺麗な花嫁さんだね?!すずめちゃんの友達?」
(あっ、今の今までいちゃついてたんだな…。相田君、ほっぺたに大量の口紅がついてる。まー幸せそうな顔しちゃって。)
相田君が照れくさそうに頭をかき、つばめがやたら満足そうな顔をしているので、色々と察して生暖かい目で二人を見ていると、つばめが俺の隣のシマちゃんの存在に気が付いて目を輝かせた。
「ああ、いやこの人は昨日からお世話にn…」
「僕は江永シマ!すずめちゃんの親友なんだ♪これからオメコンの準備をすずめちゃんに手伝ってもらおうと思ってたとこ♡って事で身内のよしみで僕に10点投票よろ~☆」
友達なんてとんでもない、何かとお世話になっている(多分)先輩だと言おうとすると、それに被せるようにしてシマちゃんが俺の事を親友だと言い出した。
(え、親友…?昨日会ったばかりなのに…?)
「あ、そうなんだ!OK~☆全部の審査で満点入れるね~!すずめちゃんの親友が出るんだったら最後までみるよ!」
「ありがと~!オメコン、明日もあるから是非見に来てね♪」
「もち~♪じゃあ、うちらは一足先にお兄ちゃんのところに帰ってるよー!」
「じゃあ俺は義兄さんの分まで席取って待ってるっすね!」
なんとなくノリが似ているのか、つばめとシマちゃんはすぐに波長が合って打ち解けている。
そしてさりげなく、俺の親友を騙る事でコンテストで自分に高得点を入れるように誘導する、シマちゃんの相変わらずの勝利への貪欲さに苦笑いしつつも感心したのだった。
◇◇◇
「それで~?実はさっきほんのちょっと電話の内容が聞こえちゃったんだけど、今ひなちゃんの事で鷹崎くんと喧嘩してるんだって?」
「聞こえてたんだ。まぁ、そんなとこ。俺が勝手に他の人と組んじゃって怒ってるの。」
つばめと相田君が控室を去った後、シマちゃんがさっそくお話の本題に入ってくる。
(やっぱり気になる所はそこか。)
これも噂の材料にするつもりなのかは分からないけど、ひなの悪評を言いふらしてくれる分にはありがたい。
「でも結局鷹崎くんはひなちゃんと組んでたよね?それで怒ってるのヤバヤバじゃない?」
「うん…それでしばらく彼の顔を見るのが嫌で避けてるんだよね。でも、そろそろこっちきそうだから俺も早いとこ避難しないと…ってやばい、きたかも……」
まだシマちゃんとは話をしたいが、そろそろ総一郎が来るかもしれないので話を切り上げようとしたところで手遅れだったらしく、突然控室のドアに《コン!コンコン》とノックがかかる。
総一郎も今みたいに、最初に強くドアを叩いて2回軽くノックする癖があるので、高確率であいつだ。
「すずめ。そこにいるよね?入るよ?」
(う、やっぱり総一郎だ…!まさか本当にここに辿りつくとは、なんでここが分かったんだか…。さっきGPSがどうとか言ってたけどまさかそれのせいかな?)
GPSの仕組みに関しては、スマホの位置の提供をしてくれる事だけは知ってる程度でイマイチまだよくわかっていない。
前に俺のスマホに見覚えのない7個のGPSのアプリが入っているのを不思議に思って総一郎に聞いてみたら、スマホ紛失時のためにすべてのスマホに強制的に入れられてるものだと教えてもらってたのであまり気にしないでいたのだ。
いくら便利でも7個も似たようなアプリはいらないし、流石に内容量が重いので消そうとすると、勝手にスマホがフリーズして再起動になるので、俺のスマホのスペックが悪いのもあってほぼアプリが入れられなくて困っているのだが、他の人達は誰も製造元にクレームを入れないのだろうか。
(あのアプリ達も本来は便利なものなんだろうけど、なんだか嫌な使われ方をしている気がする。)
まぁ、ここまで来られてしまったものは仕方ない…。
一体どうやってまだ帰らない言い訳をしようかと必死に考えを張り巡らせていると、シマちゃんがふと俺の方を見て、自分の口元に人差し指を当てて内緒のポーズをした後、扉の前に立ってさりげなく中から鍵を閉めた。
ガンっガンっと苛立たし気に扉を開けようとする総一郎にシマちゃんが平然とした声で話しかける。
「鷹崎くん?すずめちゃんならいないよ?」
「…おかしいな。ついさっきまでここにいたはずなんだけど……クソっ!!GPSがきれた………!!」
「(GPS…?)え~?そう言われても全然見かけないし…。てか今からオメコンだし他のΩの子の着替えとかあるからいくらイケメンでも覗き禁止でーす!」
「…くっ…そうか。…邪魔してすまなかった。」
流石の総一郎も他のΩの着替えを見るのは罰が悪いのか、割と素直に帰っていった。
足音が遠ざかっていくのを聞いて、シマちゃんが振り返りウインクする。
「すずめちゃーん、ヤバ崎くんどっか行ったよーん♪」
「あ、ありがとう。シマちゃん。」
(またシマちゃんに助けられてしまったな…。って今さりげなく鷹崎じゃなくてヤバ崎くんって言った?)
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