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第1章
第86話《スポンサー特別賞という名のひな贔屓賞》
会場はシマちゃんの一位を祝う歓声で包まれていたが、そんな中で司会者が一人、マイクを握り、興奮冷めやらぬ観客に向けてとんでもない事を発表し始める。
「えー、皆様にも盛り上がって頂けたところで、ここでひとつ、スポンサー様による豪華なサプライズプレゼントのお知らせです!なんと今年度のコンテストから、新たにスポンサー特別賞が設けられました!この賞は、文化祭に多額の寄付をしてくださっているスポンサー様が厳選して選んだ出場者に贈られるもので、受賞者には60000ポイントの加算ボーナスと、超高級ペアタンブラーがプレゼントされます!」
(………は?…またルール変更…?これで何回目だよ…。)
周りの観客達も俺と全く同じ事を思ったらしく、祝福モードだった会場が一斉にざわざわとし始める。
『おいおい…今更スポンサー特別賞ってそんなのアリか…?』
『そもそも俺らスポンサーが誰かも知らないのに、いきなりそんな事言われても…』
『60000ポイントはやりすぎなんじゃ…』
『ミスターコンのルール変更の時は、特別賞なんて無かったし、最終審査のボーナスも30000ポイントとかだったよな?』
会場内にも、明らかに納得いかない様子の観客たちがちらほら見受けられ、隣にいるつばめも、相田くんのときの事を思い出したのか、苦い顔をしている。
「なんかだちょ君の時も思ったけど、ここのスポンサーって明らかにコンテストを私物化してるよね…?」
「うん…。俺もそう思う…。」
ミスターコンを見ていない人や、事情をよく知らない人、2位以下の出場者のファン達などは、この状況も普通に受け入れているが、スポンサーによるルール変更が、コンテストに水を差しているのは明らかだ。
しかし、司会は例の如く、会場内のちょっと盛り下がった雰囲気などお構いなく、生汗をかきつつも強引に話を進める。
「え~60000Pt.加点についてですが、今回は一位と最下位の点差が激しかったため、最下位の方にも下剋上のチャンスを与えるにはこれくらいが適正だと判断されました!皆様にはご理解とご協力の程を何卒よろしくお願いいたします…!!」
司会者が観客の声を聞き取ったのか、言い訳がましく60000点の件について説明するも、あまりにも矛盾だらけな内容に思わず頭を抱える。
司会の言う事は一見、理に適っているように思われるが、オメコンの順位は1位と2位の差が開きすぎているだけで、2位から最下位まではほぼ接戦状態なため、一位と最下位との差はミスターコンの時と比べて低いはずなのだ。
点差でいうと、6万点~7万点程度か。
一方、ミスターコンは、最下位から一位までの点差は大体しか覚えていないが、10万点近く開いていたはずなので、ミスターコンで60000点ボーナス、オメコンで30000点ボーナスなら分かるが、逆となるとどう考えても釣り合いが取れていない。
よって、司会は最下位の為の救済措置などど騙っているが、十中八九2位の為の救済措置なのだろう。
(薄々分かってはいたけど、コンテストに口出ししてくるスポンサーに、ひなも何かしらの形で関わっているんだろうな。)
となると、《スポンサー特別賞》とやらも、ほぼ100%ひなに与えられるので、シマちゃんも最後までまだまだ気を抜けないって事だな…。
「それでは、皆様にご快諾頂けたところで、これをもってオメガコンテスト1日目を終了とさせていただきます…!出場者の皆様、観客の皆様、今日はお疲れ様でした!また明日会場にてお会い致しましょう!」
そして、俺や一部の観客たちがルール変更に対してもやもやしているうちにも、司会がコンテストを勝手に締めて、そのまま解散となってしまった。
◇◇◇
「いや~あの司会とスポンサーのせいで後味は悪いけど、ひとまずシマちゃんが一位になってよかったね~!」
「そうだね。シマちゃんは本当にすごいよ。結果発表の時の得点数を見たときは震えたなぁ…」
コンテスト終了後、俺とつばめは伸びをしながら席を立つ。
「うちも~!あ、でもそれでいうと、ミスターコンではだちょくんも一位だったし、すずめちゃんも今日は両方のコンテストで大活躍だったしで、嫌な人もいたけどなんだかんだ最高の一日だったな~♪」
「あはは、オメコンに関してはほぼ何もしてないけどね…」
「またまた~wうちの周りの観客、すずめちゃんの事、すっごい大絶賛してたよ?あれは鼻が高かったなぁ~!思わず《うちがあの人の妹です!!》って言いかけた位だもんwww」
「あはは、恥ずかしいからそれだけはやめてね…」
「え~どうしよっかな~www」
俺達はコンテストの感想について軽く雑談を交わしつつ、つばめが相田くんと合流する前に化粧を直したいというので、会場のお手洗いまで向かっていた。
ただ、コンテストの直後ということもあり、最初に向かったお手洗いが満員だったので、人気が少ないお手洗いに急遽方向転換すると、ふと誰かの金切り声が聞こえてきた。
「パパ!!なんっなの!!あの司会…!!全然役立たずじゃん!!!この僕が一位を取れなかっただなんてあり得ないんだけど!!あの年齢サバ読み若作り年増Ω、絶対に許さないぃ~!!あのクソブスもΩとして底辺の癖に総君の番ヅラしててムカつくし…!!!ホント皆消えてしまえばいいのに!!!」
(…もしかして、このやたら甲高いキンキンした声はひなか…??)
あっちに気づかれないようにこっそりと物陰に近づくと、見覚えのある元幼馴染が電話で誰かと話しているのが見えた。
「えー、皆様にも盛り上がって頂けたところで、ここでひとつ、スポンサー様による豪華なサプライズプレゼントのお知らせです!なんと今年度のコンテストから、新たにスポンサー特別賞が設けられました!この賞は、文化祭に多額の寄付をしてくださっているスポンサー様が厳選して選んだ出場者に贈られるもので、受賞者には60000ポイントの加算ボーナスと、超高級ペアタンブラーがプレゼントされます!」
(………は?…またルール変更…?これで何回目だよ…。)
周りの観客達も俺と全く同じ事を思ったらしく、祝福モードだった会場が一斉にざわざわとし始める。
『おいおい…今更スポンサー特別賞ってそんなのアリか…?』
『そもそも俺らスポンサーが誰かも知らないのに、いきなりそんな事言われても…』
『60000ポイントはやりすぎなんじゃ…』
『ミスターコンのルール変更の時は、特別賞なんて無かったし、最終審査のボーナスも30000ポイントとかだったよな?』
会場内にも、明らかに納得いかない様子の観客たちがちらほら見受けられ、隣にいるつばめも、相田くんのときの事を思い出したのか、苦い顔をしている。
「なんかだちょ君の時も思ったけど、ここのスポンサーって明らかにコンテストを私物化してるよね…?」
「うん…。俺もそう思う…。」
ミスターコンを見ていない人や、事情をよく知らない人、2位以下の出場者のファン達などは、この状況も普通に受け入れているが、スポンサーによるルール変更が、コンテストに水を差しているのは明らかだ。
しかし、司会は例の如く、会場内のちょっと盛り下がった雰囲気などお構いなく、生汗をかきつつも強引に話を進める。
「え~60000Pt.加点についてですが、今回は一位と最下位の点差が激しかったため、最下位の方にも下剋上のチャンスを与えるにはこれくらいが適正だと判断されました!皆様にはご理解とご協力の程を何卒よろしくお願いいたします…!!」
司会者が観客の声を聞き取ったのか、言い訳がましく60000点の件について説明するも、あまりにも矛盾だらけな内容に思わず頭を抱える。
司会の言う事は一見、理に適っているように思われるが、オメコンの順位は1位と2位の差が開きすぎているだけで、2位から最下位まではほぼ接戦状態なため、一位と最下位との差はミスターコンの時と比べて低いはずなのだ。
点差でいうと、6万点~7万点程度か。
一方、ミスターコンは、最下位から一位までの点差は大体しか覚えていないが、10万点近く開いていたはずなので、ミスターコンで60000点ボーナス、オメコンで30000点ボーナスなら分かるが、逆となるとどう考えても釣り合いが取れていない。
よって、司会は最下位の為の救済措置などど騙っているが、十中八九2位の為の救済措置なのだろう。
(薄々分かってはいたけど、コンテストに口出ししてくるスポンサーに、ひなも何かしらの形で関わっているんだろうな。)
となると、《スポンサー特別賞》とやらも、ほぼ100%ひなに与えられるので、シマちゃんも最後までまだまだ気を抜けないって事だな…。
「それでは、皆様にご快諾頂けたところで、これをもってオメガコンテスト1日目を終了とさせていただきます…!出場者の皆様、観客の皆様、今日はお疲れ様でした!また明日会場にてお会い致しましょう!」
そして、俺や一部の観客たちがルール変更に対してもやもやしているうちにも、司会がコンテストを勝手に締めて、そのまま解散となってしまった。
◇◇◇
「いや~あの司会とスポンサーのせいで後味は悪いけど、ひとまずシマちゃんが一位になってよかったね~!」
「そうだね。シマちゃんは本当にすごいよ。結果発表の時の得点数を見たときは震えたなぁ…」
コンテスト終了後、俺とつばめは伸びをしながら席を立つ。
「うちも~!あ、でもそれでいうと、ミスターコンではだちょくんも一位だったし、すずめちゃんも今日は両方のコンテストで大活躍だったしで、嫌な人もいたけどなんだかんだ最高の一日だったな~♪」
「あはは、オメコンに関してはほぼ何もしてないけどね…」
「またまた~wうちの周りの観客、すずめちゃんの事、すっごい大絶賛してたよ?あれは鼻が高かったなぁ~!思わず《うちがあの人の妹です!!》って言いかけた位だもんwww」
「あはは、恥ずかしいからそれだけはやめてね…」
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俺達はコンテストの感想について軽く雑談を交わしつつ、つばめが相田くんと合流する前に化粧を直したいというので、会場のお手洗いまで向かっていた。
ただ、コンテストの直後ということもあり、最初に向かったお手洗いが満員だったので、人気が少ないお手洗いに急遽方向転換すると、ふと誰かの金切り声が聞こえてきた。
「パパ!!なんっなの!!あの司会…!!全然役立たずじゃん!!!この僕が一位を取れなかっただなんてあり得ないんだけど!!あの年齢サバ読み若作り年増Ω、絶対に許さないぃ~!!あのクソブスもΩとして底辺の癖に総君の番ヅラしててムカつくし…!!!ホント皆消えてしまえばいいのに!!!」
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