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第1章
第119話《巧斗さんとつばめと兄の邂逅》
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「ほらたこやきが出来たばい!かわいい義弟達のためにたっぷりサービスしておいたけんね!」
「あ、ありがとうございます!」
「ありがとうございます。とても美味しそうですね。」
お勘定を済ませると(※巧斗さんが有無を言わさず奢ってくれた)、俺達へのサービスなのか、キャプテンさんはたこ焼きを1パックにぎっちぎち(多分2倍くらい)に詰め込んだものを渡してくれた。
(わぁ、ただでさえ一人2パックも買ったのにこんなに沢山食べられるかな…。でもすごく得した気分…。ありがとう…そしてごめんなお兄ちゃん…。)
いただきますの意も込めて、(嫁にされそうな)兄の行く末を想ってその場で軽く合掌をすると、巧斗さんが嬉しそうに笑いながら俺の顔を覗き込んできた。
「ふふ、良かったですねすずめ。たこ焼きが食べ放題ですよ。」
「うん!腹が減っては戦は出来ぬ、だからね。今から一緒に食べよ!」
巧斗さんが「そうですね、どこか座る場所を探しましょうか。」と微笑みながら辺りを見回してくれている中、俺はふと兄と妹のことが気になった。
(そういえばつばめとお兄ちゃんは今どこにいるんだろう?昨日は心配をかけたし、早く二人にも会って顔を見せておきたいな。)
「あの、キャプテンさん、うちの兄や妹を見かけませんでしたか?さっき駐車場に車があったんで、このへんにいるかと思うのですが…。」
丁度、水休憩を取っているキャプテンさんに兄と妹のありかについて尋ねてみると、彼は何か思い出したかのようにパン!と手を叩く。
「ああ!ハニーと我が義妹なら丁度さっき俺に会いに来てくれたとよ!本当はハニーの事を構ってやりたかったとばってん、見ての通り手が離せんけんね…。今はほれ、あそこのベンチで俺のたこ焼きば食ってもらっとっとよ!」
「(ハ、ハニー?)あ、ほんとだ!ありがとうございます…!」
(ハニー…昨日までは普通に名前呼びだったのに…お兄ちゃん、どんどん距離を詰められて行ってるな…。)
まぁなんにせよ、割と早めにつばめたちが見つかって俺はほっと胸を撫でおろした。
「なんのなんの!今日も長介のコンテストば加勢してくれとるとやろ?あいつの事よろしく頼むばい!巧斗も困った事があればいつでも義兄ちゃんに頼ってこんね!」
「はい!頑張ります!」
「ええ、頼りにしています義兄さん。」
◇◇◇
キャプテンさんのたこ焼き屋を一旦離れ、近くにある兄達が座っているベンチに近づくと、二人はまだこちらに気付いていないようで、俺達と同じように(おそらく身内へのサービスで)パックに大量に詰められたたこ焼きを楽しそうに食べていた。
「おはよう!つばめ、それにお兄ちゃん。二人とも早いね?」
たこ焼きに夢中になっている二人に、俺の方から声を掛けてみると、二人とも視線を寄越して目を見開く。
「?うちらに何か………っ!?うえぇぇ!?!?すずめちゃん!?ど、ど、どうしたの?!そのオシャンティが過ぎるカッコは!?」
「おいおい……なんだか芸能人みたいなカップルが話しかけてきたなぁと思ったら、片方はすずめかよ?!」
俺の今の格好はやはり目立つようで、妹は2度見ならぬ4度見をしてきて、どちらも最初、俺だと認識していなかったみたいだ。
おそらく普段のシンプルな恰好の俺を見慣れているから一瞬混乱したのだろう。
「えっと、この格好には色々事情があって…」
「事情!?一晩でこんなに雰囲気が変わっちゃうだなんてどんな事情よ!?ちょっとお姉さんにその辺詳しく話しt……ってあれ?すずめちゃん、この爆イケっぽい恰好の人はどなた…?」
急にお姉さん面をする妹に「誰がお姉さんだよ。」と小さくツッコむも、妹の視線は巧斗さんに集中しているようでどこ吹く風だ。
兄も兄で巧斗さんの事が気になるようで、「すずめの友達か?」とたこ焼きを食べる手を一旦止めて巧斗さんの方をじっと見つめる。
つばめと兄に視線を向けられた巧斗さんが帽子を取って深々と頭を下げて挨拶をした。
「これはご挨拶が遅れました。お初にお目にかかります、鷲ノ宮巧斗と申します。霧下すずめさんとは、懇意にさせていただいております。」
(!?ちょっとちょっと巧斗さん?!いくら挨拶する時の礼儀だからって今帽子取ったら変装がバレやすくなるんじゃないの?!)
俺の身内にそんな身バレのリスク背負ってまで礼儀を最優先しなくていいから!と言ってやりたかったけど、時はすでに遅しだった。
「あ、ありがとうございます!」
「ありがとうございます。とても美味しそうですね。」
お勘定を済ませると(※巧斗さんが有無を言わさず奢ってくれた)、俺達へのサービスなのか、キャプテンさんはたこ焼きを1パックにぎっちぎち(多分2倍くらい)に詰め込んだものを渡してくれた。
(わぁ、ただでさえ一人2パックも買ったのにこんなに沢山食べられるかな…。でもすごく得した気分…。ありがとう…そしてごめんなお兄ちゃん…。)
いただきますの意も込めて、(嫁にされそうな)兄の行く末を想ってその場で軽く合掌をすると、巧斗さんが嬉しそうに笑いながら俺の顔を覗き込んできた。
「ふふ、良かったですねすずめ。たこ焼きが食べ放題ですよ。」
「うん!腹が減っては戦は出来ぬ、だからね。今から一緒に食べよ!」
巧斗さんが「そうですね、どこか座る場所を探しましょうか。」と微笑みながら辺りを見回してくれている中、俺はふと兄と妹のことが気になった。
(そういえばつばめとお兄ちゃんは今どこにいるんだろう?昨日は心配をかけたし、早く二人にも会って顔を見せておきたいな。)
「あの、キャプテンさん、うちの兄や妹を見かけませんでしたか?さっき駐車場に車があったんで、このへんにいるかと思うのですが…。」
丁度、水休憩を取っているキャプテンさんに兄と妹のありかについて尋ねてみると、彼は何か思い出したかのようにパン!と手を叩く。
「ああ!ハニーと我が義妹なら丁度さっき俺に会いに来てくれたとよ!本当はハニーの事を構ってやりたかったとばってん、見ての通り手が離せんけんね…。今はほれ、あそこのベンチで俺のたこ焼きば食ってもらっとっとよ!」
「(ハ、ハニー?)あ、ほんとだ!ありがとうございます…!」
(ハニー…昨日までは普通に名前呼びだったのに…お兄ちゃん、どんどん距離を詰められて行ってるな…。)
まぁなんにせよ、割と早めにつばめたちが見つかって俺はほっと胸を撫でおろした。
「なんのなんの!今日も長介のコンテストば加勢してくれとるとやろ?あいつの事よろしく頼むばい!巧斗も困った事があればいつでも義兄ちゃんに頼ってこんね!」
「はい!頑張ります!」
「ええ、頼りにしています義兄さん。」
◇◇◇
キャプテンさんのたこ焼き屋を一旦離れ、近くにある兄達が座っているベンチに近づくと、二人はまだこちらに気付いていないようで、俺達と同じように(おそらく身内へのサービスで)パックに大量に詰められたたこ焼きを楽しそうに食べていた。
「おはよう!つばめ、それにお兄ちゃん。二人とも早いね?」
たこ焼きに夢中になっている二人に、俺の方から声を掛けてみると、二人とも視線を寄越して目を見開く。
「?うちらに何か………っ!?うえぇぇ!?!?すずめちゃん!?ど、ど、どうしたの?!そのオシャンティが過ぎるカッコは!?」
「おいおい……なんだか芸能人みたいなカップルが話しかけてきたなぁと思ったら、片方はすずめかよ?!」
俺の今の格好はやはり目立つようで、妹は2度見ならぬ4度見をしてきて、どちらも最初、俺だと認識していなかったみたいだ。
おそらく普段のシンプルな恰好の俺を見慣れているから一瞬混乱したのだろう。
「えっと、この格好には色々事情があって…」
「事情!?一晩でこんなに雰囲気が変わっちゃうだなんてどんな事情よ!?ちょっとお姉さんにその辺詳しく話しt……ってあれ?すずめちゃん、この爆イケっぽい恰好の人はどなた…?」
急にお姉さん面をする妹に「誰がお姉さんだよ。」と小さくツッコむも、妹の視線は巧斗さんに集中しているようでどこ吹く風だ。
兄も兄で巧斗さんの事が気になるようで、「すずめの友達か?」とたこ焼きを食べる手を一旦止めて巧斗さんの方をじっと見つめる。
つばめと兄に視線を向けられた巧斗さんが帽子を取って深々と頭を下げて挨拶をした。
「これはご挨拶が遅れました。お初にお目にかかります、鷲ノ宮巧斗と申します。霧下すずめさんとは、懇意にさせていただいております。」
(!?ちょっとちょっと巧斗さん?!いくら挨拶する時の礼儀だからって今帽子取ったら変装がバレやすくなるんじゃないの?!)
俺の身内にそんな身バレのリスク背負ってまで礼儀を最優先しなくていいから!と言ってやりたかったけど、時はすでに遅しだった。
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