土偶と呼ばれた女は異世界でオッサンを愛でる。R18

来栖もよもよ&来栖もよりーぬ

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ジュリアの結婚。

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「リーシャ様っ、あの、これは私の年ですと派手すぎますからっ!サリーもミルバも止めとくれよ!
 ちょっ、ルーシー、メイクなんかいいんだってば!」
 
 ジュリアが顔を赤くしたり青くしたりと忙しい。
 
 ルーシーとミルバとサリーと私は、ジュリアの叫びをどこ吹く風と受け流して結婚披露のワンピースを着せたりメイクを施している。
 
 
 
 本日はお昼からアーネストとジュリアの結婚披露のパーティーである。
 
 
 
 昨夜遅く、ダークのお義父様と一緒にやって来た恋人のモリーという女性は、すらりとした背の高い(聞いたら170センチだった)、金髪のこの世界では珍しいショートヘアの女性だった。
 とても若々しくて……本当に元気な方だった。
 
「初めまして、モリーでございます。
 それでなんですけども……貴女がデュークの屋敷に飾ってあるお孫さんたちの絵を描いたのですって?
 まあ、本当に素晴らしい才能をお持ちなのねえ!
 本格的な画学でも学ばれましたの?
 それに驚くほどお綺麗で本人も絵画のようだわ。
 髪の毛も瞳も黒曜石のようね。記念にちょっと髪を触ってもいいかしら?」
 
 といきなり早口で言いながらハグをされたと思ったら、返事も聞かずに艶やかねえ、とか触り心地がシルクのよう、とか言いながら興奮した様子でさわさわと触るというセクハラをかまして来たので、久しぶりにコミュ障モードが発動して「あの」「いえそんな」と挙動不審になった私を見て、ルーシーがやんわりとホールド状態から脱出させてくれた。
 
「済まないねリーシャ。この人は嬉しくなったり高揚するとオーバーアクションになるんだよ」
 
 苦笑したお義父様がモリーの腰を引き寄せて、
 
「こらモリー。息子の大事な嫁なんだからね。
 怖がらせたら駄目じゃないか」
 
 とたしなめていた。
 
「ごめんなさいデューク。あんまりにも見目麗しいから大興奮してしまって、本当に生身の人間なのかと……」
 
「まぁモリーの気持ちは理解できるし、確かに人間離れした美貌だが、リーシャは人形ではなくちゃんとした人間だ。美男美女の子も4人いるんだから」
 
 
 ……おい、ちゃんとした人間って何だ。
 聞き捨てならんのう。出るとこ出よか。
 生まれた時から人間やっちゅうねん。
 それでフォローしとるつもりなんか? なーなー?
 
 
 ダークのパパでなければ怒ってるとこだわよねー本当に、とダークとルーシーを振り向いたら……深く頷いてんじゃないわよ2人とも。
 
 
 お義父様たちは、田舎で列車がまだ開通していない地域に住んでいるので、5時間も馬車移動してお疲れだろうと早めにお休み頂いたが、ルーシーとダークには、少し過保護と幻想と思い込みも大概にして欲しいとその後きっちり説教しておいた。
 
 
 
 

「よし、と。とっても綺麗よジュリア!」
 
 普段は髪をたただ後ろで結ぶだけで化粧っ気もないジュリアが、私たちの総力戦で、貴族のマダムのように上品かつ美しく仕上がりましたよ。
 
 パチパチパチパチー。
 
 ドレスは流石に動きづらいだろうし。ジュリアの年も考えると重たいだろうと、薄手のオーガンジーの布が重なっている、ふんわりしたピンクベージュのワンピースと同色のローヒールのパンプスを私たちからのプレゼントにさせて貰った。
 
 こそこそとメイド服の洗濯の際にサイズ確認とメイド服の実寸も測ってのサプライズプレゼントである。
 
 折角のハレの日だもの、おニューの服でないと。
 
 
 
 アーネストの待つテラスの方までしずしずとジュリアを連れて行くと、ビシッとライトグレーのスーツ姿で立っていたアーネストは、振り向いた顔が固まり、
 
「……とても綺麗です……ジュリア、本当にいいんですか私なんかで? 今ならまだ引き返せますよ」
 
 と何度も聞き返して、ジュリアが顔を真っ赤にして
 
「いいから結婚するに決まってるだろ!
 お願いだからもう止しとくれっ!」
 
 と居たたまれない様子で手を振っているのをあたたかーく見守る。
 
 ダークと同じでアーネストも恋愛関係には押しが弱くなりがちだが、今から50年も100年も生きる訳ではないのだからグイグイ押せばいいのだ。
 
 
 子供たちの【ハッピーふんばば】と名付けられた、踊りながら花びらに見立てた紙吹雪を花咲かじいさんのようにアーネストとジュリアに降らせるというイベントは、撒きすぎて掃除がすんごく面倒だったけれど、パーティーの時間は穏やかに過ぎてゆくのだった。
 
 
 
 
 平和だと思ったのも夜ご飯の時までだったけど。 

 
 
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