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カメコン【1】
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「あだだだだ……」
ポルタポルタ町に着いたのは昼を少し過ぎた辺り。
お義父様とモリーさんの住む屋敷は町外れなので更に馬車で10分ほどかかるのだが、屋敷には最小限の使用人しか置いてないので、いきなり人が増えたら食事の支度が大変だろうから、町で昼食を食べてから帰る事になった。
5時間近く揺れる馬車に座り続けるという苦行で、私の執筆仕事で弱っている腰は休みを訴えていたので本当に有り難い。
アナもクロエも外の景色を見飽きた辺りで2人でもたれ合うように爆睡しており、あれだけの振動のエンドレスでも目覚める気配すらなかった。
これが若さの違いってヤツかしらね。
グエンさんも騎士団の訓練などでの長時間移動はよくあるとかで全く疲れが見えないし、ルーシーも真っ直ぐ伸びた背筋は美しく、私のばーちゃんのような痛みを訴える声を聞きつけ眉間にシワを寄せた。
「……リーシャ様。その【あだだだだ】はお止め下さい。傾国の美貌が台無しですわよ台無し」
「傾くのはダークだけでいいって言うのよ。
台無しにするほどの淑女的な行動なんてこの30年数えるほどしかないじゃない。
──ほらアナもクロエも起きなさいってば。ポルタポルタ町に着いたわよー」
ちっとも目覚めない眠りの深い娘たちの頬っぺたをむにーっと引っ張る。
「……あだだ」
「……いらいわふぁーはま」
頬をさすさすしながら2人が目を覚ますと、私は告げた。
「これからポルタポルタ町でお昼ご飯を食べてからお祖父様の屋敷に向かうのよ。
マーブルマーブルより小さい町だし、お祖父様のお知り合いの方と会うかも知れないからいい子でね」
「お買い物もする? 私たち武装モード?」
アナとクロエが私を見た。
私がかしこまった席に出る時やお得に買い物をしたい時にルーシーと話していた【武装モード】という表現がいたく気に入ったらしく、事あるごとに使ってくる。
全く子供というのはろくな事を覚えない。
……が、私が子供の時も現在もろくな事しか覚えないししていない事を思うとまだ何倍もましである。
「そうね。とりあえずバージョン1で」
バージョン1はおすましモードというか、礼儀正しく無駄なリアクションを取らない状態である。
バージョン2はお得品をゲットするための愛想振り撒きモードで、バージョン3は何がなんでも逃げ切りたい時に使う、持てる頭をフル稼働させて戦う最終形態だが、余りというかほぼ逃げ切れた試しはない。
私の最終形態の脆弱性には自分でも危機感を覚えるほどである。ラスボス感は欠片もない。
だが前世のアニメキャラが『逃げちゃダメだ』と連呼しつつ敵に向かって行ったように、私も諦める訳には行かないのだ。
マイナーチェンジを繰り返し、
「え? 何が変わったのでございますか?」
とルーシーにディスられようとも、いつかは平穏無事な未来が訪れると信じて戦うしかないのだ。
「じゃ、行くわよー」
馬車溜まりに停車して皆で馬車から降りた。
「わあ! 母様きれいな町ねー」
クロエが目を輝かせたように、白壁に水色とかブルーの寒色系の屋根が多い町並みと商店街が広がっていた。
前世のネットで見た、モロッコの町やギリシャのサントリーニ島の町並みのような統一感である。
マーブルマーブルは暖色系のカラーリングが多い方だが、特にポルタポルタ町のように統一ではない。
町長の【観光客を集めたい】という熱い思いがイメージカラーの設定として現れているのだろう。
交通事情が良くなればこの美しさだ、かなりの集客は見込めるだろう。
列車は各地を巡るべく工事を進めているが、ダークに聞いたら、ポルタポルタ町への開通は早くて来年、遅くて再来年じゃないかとの事だった。残念な話である。
「リーシャ、大変だっただろう? 長旅お疲れ様。
さて、何を食べたい? お薦めはチーズリゾットやグラタン、ピザなどなのだが」
昼間っから少々重たいメニューだが、子供たちは大歓迎のようなので、私もチーズの評判も確かめる事にしますかね。
「お任せしますわ。お義父様やモリー様が美味しいという所ならハズレもございませんし」
「だからモリーって呼んで頂戴な。
私息子ばっかりだったから、こんな綺麗な優しい娘がいたら最高なのにってずっと思っていたのよ!」
ぎゅうっと腕を組んで嬉しそうに歩くモリーさんの快活さにびっくりするが、商店街を歩き出して直ぐに味方がいるという安心感に変わった。
マーブルマーブルでは長い事暮らしているため、最近ではそれなりに普通に対応してくれる人が多くなったが、この町は何しろ子供たちも含め初の訪問である。
すっかり頭から抜け落ちていたのだ、
私が傾国の美女(他称)でガーランドの女神(他称)と囁かれ、子供たちはフォアローゼズ(他称)と呼ばれていた人外扱いだったという事が。
「……あんな美人生まれて初めて見た……俺は死ぬのか」
「馬鹿おいいな。あれは聖女さまだよ。同じ人間の訳ないって」
「いやだが一緒の子供たちもどうだ! 女神にそっくりだ。ありゃ天使だろ。
あんな美貌この世のものとは思えないもんな」
あの世のものにするつもりかコラ。
ウチの子たちを浮遊霊にすんな。
「あれ? でも隣にいるのはシャインベックの旦那じゃ……? モリー様までいらっしゃるじゃねえか。
もしかして、前に話されてた『びっくりするほど美人な息子の嫁さん』ってのは……」
「いやいや、あれはビックリさせすぎだよ。こっちは心臓止まるかと思ったじゃないか」
アイドルの1日署長みたいに人だかりが出来てんじゃないわよ。散れー散れー。
子供たちも居たたまれなくなってきたのか、
「武装バージョン1、オーバー」
「武装バージョン1、ラジャー」
などと小声で呟き糸目になった。
私も糸目になりなるべく外界情報を遮断した。
「まあまあ! リーシャのような綺麗な子たちを見る機会がないものだから町の人たちがざわついちゃって。
ごめんなさいねリーシャ。カイル君たちも許してね。ここは田舎だから」
モリーさんが済まなそうに謝るが、腕はがっしりと掴まれたままで何だか嬉しそうである。
お義父様も、
「田舎で困ったもんだよ全く。私は見慣れてるがなぁ」
と言いながらも口元に笑みが浮かぶのは何故ですか。
「「「「「……イーエ、オキニナサラズ」」」」」
と抑揚のない返事を返しつつ、平常心を装い歩き続けた。
ルーシーはお義父様に聞こえないように舌打ちをしていた。
「……大旦那様は自慢したいのですわ、シャインベック家の至宝を 」
「でもさ、まあ仕方ないよね。滅多に遠出しないシャインベック夫人やカイルたちが来てくれたんだもん。そりゃ浮かれるでしょ。気持ちは分かる。
僕は常にルーシー自慢をしてるし」
グエンさんが頷く。
「そういう問題ではございませんでしょう。というか自慢するのは止めて下さい。
──あっ」
ルーシーは早足でお義父様に近づくと耳打ちした。
残念そうな顔を見せたお義父様が首肯したのを確認し戻る。
「……ルーシー、ドシタノ?」
ブレナンがカタコトのままルーシーに問いかけた。
「オープンテラスに席を取ろうと企んでおられたようなので止めておきましたわ。皆様も食欲なんて湧きませんでしょうそんな状態では」
「ソーダネー」
「サスガルーシーネー」
「ダイスキー」
糸目の子供たちの棒読みの台詞にルーシーは、
「おいたわしい……」
と嘆いて、私の様子も窺った。
「リーシャ様、もう少しの辛抱ですからね」
「ダイジョーブ、ワタシオトナダカラ。ヘーキヘーキ」
「ちっとも大丈夫じゃないじゃないですかもう。
食事をしたらさっさと屋敷に向かって休みましょう」
介護のようなカタカタした動きで私たちは無事レストランに逃げ込んだが、その姿を見た町の人たちからは、
「儚げで今にも消えてしまいそうだった」
「汚れを知らない妖精に下界の空気は体に合わないのではないか?」
「天使たちの厳かな佇まいをみたかい? あれこそ本物の聖域だよ」
などと盛りに盛られた人外説か飛び交っていたとルーシーの代わりにリサーチに駆り出されたグエンさんが笑いながら教えてくれた。
食べた昼食の味は全く思い出せなかった。
かえちてー。
アタチをおうちにかえちてー。
ポルタポルタ町に着いたのは昼を少し過ぎた辺り。
お義父様とモリーさんの住む屋敷は町外れなので更に馬車で10分ほどかかるのだが、屋敷には最小限の使用人しか置いてないので、いきなり人が増えたら食事の支度が大変だろうから、町で昼食を食べてから帰る事になった。
5時間近く揺れる馬車に座り続けるという苦行で、私の執筆仕事で弱っている腰は休みを訴えていたので本当に有り難い。
アナもクロエも外の景色を見飽きた辺りで2人でもたれ合うように爆睡しており、あれだけの振動のエンドレスでも目覚める気配すらなかった。
これが若さの違いってヤツかしらね。
グエンさんも騎士団の訓練などでの長時間移動はよくあるとかで全く疲れが見えないし、ルーシーも真っ直ぐ伸びた背筋は美しく、私のばーちゃんのような痛みを訴える声を聞きつけ眉間にシワを寄せた。
「……リーシャ様。その【あだだだだ】はお止め下さい。傾国の美貌が台無しですわよ台無し」
「傾くのはダークだけでいいって言うのよ。
台無しにするほどの淑女的な行動なんてこの30年数えるほどしかないじゃない。
──ほらアナもクロエも起きなさいってば。ポルタポルタ町に着いたわよー」
ちっとも目覚めない眠りの深い娘たちの頬っぺたをむにーっと引っ張る。
「……あだだ」
「……いらいわふぁーはま」
頬をさすさすしながら2人が目を覚ますと、私は告げた。
「これからポルタポルタ町でお昼ご飯を食べてからお祖父様の屋敷に向かうのよ。
マーブルマーブルより小さい町だし、お祖父様のお知り合いの方と会うかも知れないからいい子でね」
「お買い物もする? 私たち武装モード?」
アナとクロエが私を見た。
私がかしこまった席に出る時やお得に買い物をしたい時にルーシーと話していた【武装モード】という表現がいたく気に入ったらしく、事あるごとに使ってくる。
全く子供というのはろくな事を覚えない。
……が、私が子供の時も現在もろくな事しか覚えないししていない事を思うとまだ何倍もましである。
「そうね。とりあえずバージョン1で」
バージョン1はおすましモードというか、礼儀正しく無駄なリアクションを取らない状態である。
バージョン2はお得品をゲットするための愛想振り撒きモードで、バージョン3は何がなんでも逃げ切りたい時に使う、持てる頭をフル稼働させて戦う最終形態だが、余りというかほぼ逃げ切れた試しはない。
私の最終形態の脆弱性には自分でも危機感を覚えるほどである。ラスボス感は欠片もない。
だが前世のアニメキャラが『逃げちゃダメだ』と連呼しつつ敵に向かって行ったように、私も諦める訳には行かないのだ。
マイナーチェンジを繰り返し、
「え? 何が変わったのでございますか?」
とルーシーにディスられようとも、いつかは平穏無事な未来が訪れると信じて戦うしかないのだ。
「じゃ、行くわよー」
馬車溜まりに停車して皆で馬車から降りた。
「わあ! 母様きれいな町ねー」
クロエが目を輝かせたように、白壁に水色とかブルーの寒色系の屋根が多い町並みと商店街が広がっていた。
前世のネットで見た、モロッコの町やギリシャのサントリーニ島の町並みのような統一感である。
マーブルマーブルは暖色系のカラーリングが多い方だが、特にポルタポルタ町のように統一ではない。
町長の【観光客を集めたい】という熱い思いがイメージカラーの設定として現れているのだろう。
交通事情が良くなればこの美しさだ、かなりの集客は見込めるだろう。
列車は各地を巡るべく工事を進めているが、ダークに聞いたら、ポルタポルタ町への開通は早くて来年、遅くて再来年じゃないかとの事だった。残念な話である。
「リーシャ、大変だっただろう? 長旅お疲れ様。
さて、何を食べたい? お薦めはチーズリゾットやグラタン、ピザなどなのだが」
昼間っから少々重たいメニューだが、子供たちは大歓迎のようなので、私もチーズの評判も確かめる事にしますかね。
「お任せしますわ。お義父様やモリー様が美味しいという所ならハズレもございませんし」
「だからモリーって呼んで頂戴な。
私息子ばっかりだったから、こんな綺麗な優しい娘がいたら最高なのにってずっと思っていたのよ!」
ぎゅうっと腕を組んで嬉しそうに歩くモリーさんの快活さにびっくりするが、商店街を歩き出して直ぐに味方がいるという安心感に変わった。
マーブルマーブルでは長い事暮らしているため、最近ではそれなりに普通に対応してくれる人が多くなったが、この町は何しろ子供たちも含め初の訪問である。
すっかり頭から抜け落ちていたのだ、
私が傾国の美女(他称)でガーランドの女神(他称)と囁かれ、子供たちはフォアローゼズ(他称)と呼ばれていた人外扱いだったという事が。
「……あんな美人生まれて初めて見た……俺は死ぬのか」
「馬鹿おいいな。あれは聖女さまだよ。同じ人間の訳ないって」
「いやだが一緒の子供たちもどうだ! 女神にそっくりだ。ありゃ天使だろ。
あんな美貌この世のものとは思えないもんな」
あの世のものにするつもりかコラ。
ウチの子たちを浮遊霊にすんな。
「あれ? でも隣にいるのはシャインベックの旦那じゃ……? モリー様までいらっしゃるじゃねえか。
もしかして、前に話されてた『びっくりするほど美人な息子の嫁さん』ってのは……」
「いやいや、あれはビックリさせすぎだよ。こっちは心臓止まるかと思ったじゃないか」
アイドルの1日署長みたいに人だかりが出来てんじゃないわよ。散れー散れー。
子供たちも居たたまれなくなってきたのか、
「武装バージョン1、オーバー」
「武装バージョン1、ラジャー」
などと小声で呟き糸目になった。
私も糸目になりなるべく外界情報を遮断した。
「まあまあ! リーシャのような綺麗な子たちを見る機会がないものだから町の人たちがざわついちゃって。
ごめんなさいねリーシャ。カイル君たちも許してね。ここは田舎だから」
モリーさんが済まなそうに謝るが、腕はがっしりと掴まれたままで何だか嬉しそうである。
お義父様も、
「田舎で困ったもんだよ全く。私は見慣れてるがなぁ」
と言いながらも口元に笑みが浮かぶのは何故ですか。
「「「「「……イーエ、オキニナサラズ」」」」」
と抑揚のない返事を返しつつ、平常心を装い歩き続けた。
ルーシーはお義父様に聞こえないように舌打ちをしていた。
「……大旦那様は自慢したいのですわ、シャインベック家の至宝を 」
「でもさ、まあ仕方ないよね。滅多に遠出しないシャインベック夫人やカイルたちが来てくれたんだもん。そりゃ浮かれるでしょ。気持ちは分かる。
僕は常にルーシー自慢をしてるし」
グエンさんが頷く。
「そういう問題ではございませんでしょう。というか自慢するのは止めて下さい。
──あっ」
ルーシーは早足でお義父様に近づくと耳打ちした。
残念そうな顔を見せたお義父様が首肯したのを確認し戻る。
「……ルーシー、ドシタノ?」
ブレナンがカタコトのままルーシーに問いかけた。
「オープンテラスに席を取ろうと企んでおられたようなので止めておきましたわ。皆様も食欲なんて湧きませんでしょうそんな状態では」
「ソーダネー」
「サスガルーシーネー」
「ダイスキー」
糸目の子供たちの棒読みの台詞にルーシーは、
「おいたわしい……」
と嘆いて、私の様子も窺った。
「リーシャ様、もう少しの辛抱ですからね」
「ダイジョーブ、ワタシオトナダカラ。ヘーキヘーキ」
「ちっとも大丈夫じゃないじゃないですかもう。
食事をしたらさっさと屋敷に向かって休みましょう」
介護のようなカタカタした動きで私たちは無事レストランに逃げ込んだが、その姿を見た町の人たちからは、
「儚げで今にも消えてしまいそうだった」
「汚れを知らない妖精に下界の空気は体に合わないのではないか?」
「天使たちの厳かな佇まいをみたかい? あれこそ本物の聖域だよ」
などと盛りに盛られた人外説か飛び交っていたとルーシーの代わりにリサーチに駆り出されたグエンさんが笑いながら教えてくれた。
食べた昼食の味は全く思い出せなかった。
かえちてー。
アタチをおうちにかえちてー。
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