こっち見てよ旦那様

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潤也目線

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朝日に照らされて目を覚ます。
体を起こそうとしたがなんだか重たくて目を開けると腕の中には彼の姿が。

いや、他にも気がつくことはあった。スーツのままだとかここはリビングだとか、そんなことは吹っ飛ぶくらいの出来事だ。

気持ち良さそうに眠る彼の寝顔。
こんな間近で見れる日が来るなんて、夢のようだ。しかも今は自分の腕の中にいる。
そっと抱く腕に力を込めて髪に口つける。

いい匂い。柔らかくてすべすべの肌、彼は天使なのか
昨朝、思い切って彼にキスをした。
流れるようで少し後悔したが正直、我慢ができなかったのだ。ポケットの携帯でカレンダーを開く。

彼の発情期は1ヶ月後。その時に番になるのだろうか。
彼と身も心も、運命さえも結びたい。そう思ってしまう自分はおかしいだろうか。
無理やり番にはなりたくない。彼は自分と番になることを受け入れてくれるだろうか。

発情期に彼が望むならその期間だけ別居をするのも可能だ。…俺が耐えられるかは分からないが。

「どうしたものか」

男性オメガの出産はリスクが高い。
彼との子供を望むこともあるが、彼を失うという事がいつも頭を過る。
今は医療も発達している、が最愛の彼のことだからこそ心配だ。彼を失ったら生きていけない。

まだ彼と話すのは緊張する。
だが、彼も自分のことを思ってくれていると分かったからか自信が持てるようになった。
安心して愛情表現も出来る。まあ、まだまだし足りないのだが。

それにしても、昨日は酔ったまま寝てしまったらしい。
新しい取引先との会食だったのだが、相手が酒豪で飲まされてしまった。次の日は休みだからと自分も油断して飲んでいたわけだが…まさか眠りこけてしまうとは。
それに昨夜の記憶もない。何か変なことをしでかしていないといいが。

とりあえずシャワーを浴びようと彼を抱き上げ寝室へ移動させる。
彼の額へ再度口付けてシャワールームへ向かう。

こんなにキスできるのも彼が眠っているから。本当は起きている時にももっとしたいのだが…。
自分の内気さと臆病さを少し呪いたい。

ふぅ、と溜息をついて酒の匂いがついたシャツを脱いだ。


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