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しおりを挟む「寝すぎた…」
朝、何故かリビングではなく寝室のベットで目覚める。
彼が運んでくれたのだろうか。起きてお礼を言わなくては。
廊下に出るとバスルームから水音が聞こえる。昨夜はお風呂に入っていなかったしシャワーを浴びているのだろう。
着替えとタオルはあるだろうかと脱衣所へ向かう。
「潤也さ…」
「っ…は…。…と、っおる…」
ん?と思考が止まる。
もしかしてだけど、間違ってたらとんでもなく恥ずかしいが、もしかして潤也さん…処理してる最中…。
いやいやいや、と頭を振る。自分だって男だ、溜まるのは分かる。…まあ自分のものは生殖のためのものでは無いからそっちについてはたまらないが…精力は溜まるものだ。仕方ない。
仕方ないが…まさか自分のことをネタにされているとは…思わなかった。
顔が熱くて、恥ずかしいがまだ聞いていたいという好奇心にかられ、へなへなと壁にもたれてへたり込んでしまう。
心做しか、ふんわり甘い匂いがする。発情期ではないものの、アルファがこんな近くで自慰してたら何かしら感じることもあるのかもしれない。
どうしよう、こちらまで変な気持ちになってしまう。抱えていた彼の服とバスタオルに顔を埋める。
柔軟剤の香りと彼の匂い。
心地の良い匂いに囲まれてふわふわしていると急に浴室のドアが開く。
「っ?!…透?!」
「?!…あ…えっと…」
初めて見る彼の体。
処理は終わったのだろうか、と無意識に彼の股間へと目をやってしまう。
いや、そうではなくて…。
「バ、バスタオルと着替え…どうぞ」
「あ、あぁ…ありがとう。…おい、透」
「失礼します」
慌ててバスルームを出る。
びっくりした。本当に、心臓が止まるかと思った。
それにしても、盗み聞きしてるってバレてしまった。変態とか思われてしまっただろうか。
やっちゃったなぁ…と頭を抱え、台所へと向う。
とりあえず朝食を作らねばならない。
ハムチーズオムレツと野菜のスープ、クロワッサンにしよう。
クロワッサンは焼くよりもトースターの余熱で温めるだけで外はサクサク中はフワフワになる。
この前のホットサンドの彼の反応が可愛くて、ハムとチーズの組み合わせにしてみた。気に入ってくれるといいが…。
調理をしながらも先程の彼の濡れた裸体が頭から離れない。
何だか腹の奥がきゅんとする。何故だろう、発情期が近いからか。もじ、と落ち着かなさを感じながら熱中するように手を動かした。
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