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しおりを挟む「すっご…」
「綺麗…」
「おしろ…!」
海の見えるホテルについて呟く子供たち3人に潤也さんと顔を見合せ笑う。
「ほら、荷物カートに乗せて」
「はーい」
駐車場まで出迎えてくれたホテルマンの人が荷台を持ってきてくれて、各々のスーツケースを詰め込む。
ロビーがヨーロッパのお城みたいでとても素敵だった。
部屋も広くて、海が見える部屋を二部屋取れたので良かった。かなりギリギリの予約となってしまったが、良かったと思う。
「2人とも、出かける時は連絡してね。…ラウンジは19時から1時までなのと、夕飯は18時にロビー集合」
「分かった」
咲夜君と蓮君は隣の部屋で2人。
もう高校生だし基本的には好きにさせてあげようと思い別部屋にした。
明日はお目当ての海水浴だが…今日は半日、ホテルで過ごす。
「透、どこか行きたいとことかやりたいことあるか?」
「そうですね…特には。あ、このホテルの大浴場、改修されてすごく綺麗になったらしいです」
「行きたいですね」と話していると湧が移動で疲れたのか家には無いふかふかの天蓋付きの大きなベッドで遊んでいたと思ったら寝ていた。
「1時間だけ寝かせましょうか、あまり寝ても夜寝なくなるので」
「だな。…俺が見てるから、お前は好きなとこに行ってこい」
「嫌ですよ、一緒がいいです。…3人でプール行きませんか?海に行く前に深めのプールで泳がせてあげたいなって」
「いいな。…じゃあ起きたら行こうか」
大きなトランクから先に水着と羽織る用のカーディガン、お風呂に入った後の替えの下着、備え付けに置いてあった浴衣をトートバッグに避けておく。
荷物だけとりあえず整理しようとクローゼットに衣類をしまっていると潤也さんに話しかけられる。
「…今更なんだが」
「?はい」
「結婚式の写真がまともにないなと思ってな」
「確かに。…バタバタしてましたしね」
それに数回しか会ったことがなく、お互い嫌われていると思い込んでた時期だもんな、と思い出していると彼が続ける。
「ちゃんと…ウエディングフォトみたいなのが欲しくて」
「ウエディングフォトですか」
「ウエディングじゃなくていい…けどそういう写真が欲しいなと」
「そうですね…11月頃に湧の七五三があるので、その時に僕たちの写真も撮りましょうか」
湧の衣装と写真を撮ってもらう予定の写真スタジオは確か、大人の写真も撮ってくれるはずだ。
衣装はこちらで持ち込めばいいから大丈夫だろう。そう提案すると彼の顔がぱぁ、と嬉しそうに綻ぶ。
笑った顔は湧そっくりだ。いや、湧が彼に似たのだと思うが。
「はしゃぎすぎ」と宥める自分も内心、楽しみになってしまった。
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