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しおりを挟む「…海ですか」
「そう。…温泉のある綺麗な海のとこに行こうと思ってて、咲夜君もどうかな。…もちろん忙しいなら留守番しても、実家に帰るならそれでもいいし」
「いや…俺も行きたい」
「良かった。…部屋は別の方がいいよね、蓮君は?」
「え…蓮もいいの?」
「潤也さんもいいって言ってたよ。もちろん、蓮君の家の人と都合次第だけど」
蓮君もいいと言った途端に分かりやすく顔が明るくなった。
うわぁ、若いっていいなぁ。
なんて思いつつも早めに宿の予約をしないとな、と考える。
湧が汚したらしたら困るので和室より洋室の方がいいのかもしれない。
「そうだ、今日蓮呼んでも大丈夫?」
「もちろん、おやつ用意するね」
「ありがとう」
敬語も外してくれるようになって嬉しいことこの上ない。
今日は1日仕事部屋に篭って作業だが…その前に買い物に行くか。
「僕買い物に行くけど、一緒に来る?」
「いいですけど…荷物持ち?」
「うん、お茶買いたいから」
「行きまーす」
でもたまに敬語。
なんやかんや、咲夜君と2人で買い物というのはなかなか無いので少し嬉しい。
2人で歩いていると年の離れた兄弟か、若いお父さんと息子と言われてしまう。
…確かに30手前で16.7の子がいたら凄いな。
「蓮君って何が好きなの?」
「甘いものはいろいろ好きかな」
ショッピングモールは夏休み中だからか少し賑わっていて、咲夜くんと2人、カートを押しながら話す。
「じゃあシュークリーム買ってこうかな」
「ありがとうございます。…蓮、透さんのこといい人って言ってました」
「ほんと?嬉しいなぁ。…いつでも頼ってって伝えといて」
「うん」
2リットル6本の水のダンボールを運んで貰えるのはかなり助かる。
宅配を頼めばいいのだが、直ぐに欲しい時とか値段とかでいろいろ変えたいのでこうして直接買いに来るの方が自分は好きだ。
「…重かったー…」
「 ありがと、助かった。」
湧はと言うと、夏休み中の幼稚園主催の学童に行っている。
夏休み中、共働きの家などがお金を払って預けられるシステムなのだが、かなり助かっている。
家で出来る仕事ももちろんあるのだが、どちらも目を離せないのでいろいろと無理がある。
急に外に出たりしても連れていかなくてはならないので大変だったりするのだ。
帰宅し、咲夜君に荷物の整理を手伝ってもらっていると家のチャイムが鳴る。
蓮君だろう。
ウキウキのニコニコで玄関へ走っていった咲夜君が可愛かった。
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