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センパイ、クリぼっちなんすか?
2話 クリぼっちは寂しいからバイトする
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流石に少しむっとした。
僕は目的があっての質問かと思ったが、彼女にとっては雑談だったらしい。
「そんな怒らないでくださいよー。冗談ですって」
彼女は思ったことをすぐ口に出す癖がある。客前では言わないけれど、二人きりだとペラペラと口に出す。
「ほんっとにすみません」両手をあわせて謝ってくる。こういう時も心から謝ってるのがわかるから長所でもあるのだけれど。
「まあいいけど」
「いやぁ、私と同じでウケるって思っちゃって」
「え?あ、いらっしゃいませー」僕がそう聞き返した途端お客が来店し、話はそこで中断した。
休憩時間になり、レジ裏の休憩室に引っ込む。先程の会話を思い出し、シフト表を見つめる。
どうせ予定もない、クリスマスもバイトしよう。ちょっと手当もらえるとか店長が言ってたし。ペンを取って書き込もうとする。
「あれ」そこで僕はあることに気づいた。とそこで琴音が休憩室に入ってきた。
「おつかれっス。あれ、センパイ何してるんす? シフト変えるんです?」
「そんなとこ。……小崎さんはクリスマスって」
「ことねでいいですって。もちろん予定ありますよー。バイトという名のね!」とちょっとドヤ顔で僕に言う。
「なるほどね」僕の気付きは間違いではなかった。琴音のシフト、クリスマスの日に出勤の印があったのは正しかった。
「つまりプライベートな予定はないっすよ!センパイと一緒でね!」とこれまたドヤ顔で少し大きい胸を張って言い放つ。チャームポイントの八重歯が口からはみ出しキラリと光る。
「彼氏は?」
「いない!」
「彼女も?」
「いない! え?」勢いで答えた琴音は首をかしげる。
「じゃあセンパイの方こそ彼女は?」
……気になってる同級生はいる。でもまだ告白はできていない。クリスマスまでに付き合いたかったけれど、フラレるのが怖くてなかなか踏み出せなかった。そして今からでは遅すぎる。
「え、もしかしているんです?」僕が黙り込んでいると彼女は下からのぞき込んできた。ニヤニヤと意地悪な笑顔をしている。可愛いな、って思ってしまう。
「んなわけ……もちろんいないよ」
「なあんだ。まあいたらクリぼっちなわけないっすもんね」軽くため息をつかれる。小憎らしい。
「それで、クリぼっちの寂しさを紛らわすためにシフト入ろうかなって」
「おーいいっすね。センパイいると働きやすいっすから嬉しいっす」
「サボりやすいの間違いじゃない?」
「そうとも言いますね。それにクリスマスのバイトは特典あるんすよ! なんだと思います?」
「ああ、ちょっと手当が出るとか」
「それもあるッスけど、ケーキですよ、ケーキ!! 売れ残りケーキがもらえるんスよ!」目を輝かせて琴音は言う。
「へえ。でも売り切れたら?」そう聞くとえ、という
表情をした。
「……それは考えてなかったッスね……。売り切れそうになったらセンパイに『このケーキまずいっスよね』って話しかけて買わせないように……」
「営業妨害なうえに僕も巻き込むのやめろ」
「ま、まあ絶対売れ残るから大丈夫っス。それよりセンパイもケーキもらえるから働きましょ! どうせボッチっしょ?」
「ボッチっていうな! 甘いもんそこそこ好きだし、わかったよ、シフトはいるよ」
「よっしゃ!」
……まあ琴音と働くのはこちらも気が楽だからいいか。店長や他の人だと年齢が結構上だから怖いし緊張する。
しかも一応、女の子とクリスマス一緒にいる事になるし。心の中で変な言い訳をしながら僕は喜ぶ琴音を見つめていた。
……後輩だから意識していなかったけど笑顔、結構可愛いな。そんなことを思ってしまった。
僕は目的があっての質問かと思ったが、彼女にとっては雑談だったらしい。
「そんな怒らないでくださいよー。冗談ですって」
彼女は思ったことをすぐ口に出す癖がある。客前では言わないけれど、二人きりだとペラペラと口に出す。
「ほんっとにすみません」両手をあわせて謝ってくる。こういう時も心から謝ってるのがわかるから長所でもあるのだけれど。
「まあいいけど」
「いやぁ、私と同じでウケるって思っちゃって」
「え?あ、いらっしゃいませー」僕がそう聞き返した途端お客が来店し、話はそこで中断した。
休憩時間になり、レジ裏の休憩室に引っ込む。先程の会話を思い出し、シフト表を見つめる。
どうせ予定もない、クリスマスもバイトしよう。ちょっと手当もらえるとか店長が言ってたし。ペンを取って書き込もうとする。
「あれ」そこで僕はあることに気づいた。とそこで琴音が休憩室に入ってきた。
「おつかれっス。あれ、センパイ何してるんす? シフト変えるんです?」
「そんなとこ。……小崎さんはクリスマスって」
「ことねでいいですって。もちろん予定ありますよー。バイトという名のね!」とちょっとドヤ顔で僕に言う。
「なるほどね」僕の気付きは間違いではなかった。琴音のシフト、クリスマスの日に出勤の印があったのは正しかった。
「つまりプライベートな予定はないっすよ!センパイと一緒でね!」とこれまたドヤ顔で少し大きい胸を張って言い放つ。チャームポイントの八重歯が口からはみ出しキラリと光る。
「彼氏は?」
「いない!」
「彼女も?」
「いない! え?」勢いで答えた琴音は首をかしげる。
「じゃあセンパイの方こそ彼女は?」
……気になってる同級生はいる。でもまだ告白はできていない。クリスマスまでに付き合いたかったけれど、フラレるのが怖くてなかなか踏み出せなかった。そして今からでは遅すぎる。
「え、もしかしているんです?」僕が黙り込んでいると彼女は下からのぞき込んできた。ニヤニヤと意地悪な笑顔をしている。可愛いな、って思ってしまう。
「んなわけ……もちろんいないよ」
「なあんだ。まあいたらクリぼっちなわけないっすもんね」軽くため息をつかれる。小憎らしい。
「それで、クリぼっちの寂しさを紛らわすためにシフト入ろうかなって」
「おーいいっすね。センパイいると働きやすいっすから嬉しいっす」
「サボりやすいの間違いじゃない?」
「そうとも言いますね。それにクリスマスのバイトは特典あるんすよ! なんだと思います?」
「ああ、ちょっと手当が出るとか」
「それもあるッスけど、ケーキですよ、ケーキ!! 売れ残りケーキがもらえるんスよ!」目を輝かせて琴音は言う。
「へえ。でも売り切れたら?」そう聞くとえ、という
表情をした。
「……それは考えてなかったッスね……。売り切れそうになったらセンパイに『このケーキまずいっスよね』って話しかけて買わせないように……」
「営業妨害なうえに僕も巻き込むのやめろ」
「ま、まあ絶対売れ残るから大丈夫っス。それよりセンパイもケーキもらえるから働きましょ! どうせボッチっしょ?」
「ボッチっていうな! 甘いもんそこそこ好きだし、わかったよ、シフトはいるよ」
「よっしゃ!」
……まあ琴音と働くのはこちらも気が楽だからいいか。店長や他の人だと年齢が結構上だから怖いし緊張する。
しかも一応、女の子とクリスマス一緒にいる事になるし。心の中で変な言い訳をしながら僕は喜ぶ琴音を見つめていた。
……後輩だから意識していなかったけど笑顔、結構可愛いな。そんなことを思ってしまった。
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