8 / 9
センパイ、初詣もクリぼっちなんですか?
8話 君が、好きだ(本番)
しおりを挟む
彼女はしばらく固まっていた。お互いの時が止まったようだった。
「ありがとう」少しして、彼女は告げる。琴音と同じ台詞だった。
「そう言われて嬉しい」語尾に「っス」がつかない事以外はまだ一緒だった。
しかし、真っ赤だった琴音とは反対に、彼女の表情は凍っているように変化しなかった。まっすぐ僕を見つめ返してはいたけれど、いつもと同じ氷の瞳を佇ませていた。
それは困惑のようでもあったし、告白を跳ね返すようでもあった。
――僕は、初詣に好きだった同級生、藍に告白をした。琴音のアドバイス通りに、「君が好きだ」と。
練習の時、琴音はここから先は言わなかった。真っ赤な顔で「私も……」と言いかけ、慌てて「返答はできないッス、相手がどう答えるかはわからないッスから」と付け加えていた。
真っ赤な顔で「思わず惚れそうになりました……告白は完璧っスね。本番も頑張りましょ!」と応援してくれた。
告白は練習の通りに言えた、はずだ。
僕が握った彼女の手は氷と思わせるような冷たさだった。まるでこちらの身体……いや心までも凍てつかせようとするようだった。
沈黙。僕は藍の瞳を見つめたまま動かなかった。いや、動かせなかった。
彼女が口を開きかける。しかし、一度閉じて目線を下に伏せる。なんて切り出すべきか迷っているのだろうか。
藍は息を大きく吸い、ゆっくりと吐き出す。そして再度ゆっくりと口を開け、言葉を紡ぎ――
「ありがとう」少しして、彼女は告げる。琴音と同じ台詞だった。
「そう言われて嬉しい」語尾に「っス」がつかない事以外はまだ一緒だった。
しかし、真っ赤だった琴音とは反対に、彼女の表情は凍っているように変化しなかった。まっすぐ僕を見つめ返してはいたけれど、いつもと同じ氷の瞳を佇ませていた。
それは困惑のようでもあったし、告白を跳ね返すようでもあった。
――僕は、初詣に好きだった同級生、藍に告白をした。琴音のアドバイス通りに、「君が好きだ」と。
練習の時、琴音はここから先は言わなかった。真っ赤な顔で「私も……」と言いかけ、慌てて「返答はできないッス、相手がどう答えるかはわからないッスから」と付け加えていた。
真っ赤な顔で「思わず惚れそうになりました……告白は完璧っスね。本番も頑張りましょ!」と応援してくれた。
告白は練習の通りに言えた、はずだ。
僕が握った彼女の手は氷と思わせるような冷たさだった。まるでこちらの身体……いや心までも凍てつかせようとするようだった。
沈黙。僕は藍の瞳を見つめたまま動かなかった。いや、動かせなかった。
彼女が口を開きかける。しかし、一度閉じて目線を下に伏せる。なんて切り出すべきか迷っているのだろうか。
藍は息を大きく吸い、ゆっくりと吐き出す。そして再度ゆっくりと口を開け、言葉を紡ぎ――
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる