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8話 初ダンジョン
しおりを挟むアルマはロックンギルドのジェイクを吹き飛ばし、決闘に勝利してしまった。
無課金者が課金者に勝利した瞬間であり、少数ながらも期待の瞳でこちらを見てくる人と、嫌悪を表して地団駄を踏んでいる奴に別れた。基本的に地団駄を踏んでいる奴らが多かった。
もちろん建物を破壊したりしたので、即座に芝犬の獣人であるタツゴローと鶏の獣人であるジキンと黒猫の獣人であるキャティは一目散に逃げた。もちろんこの中で走るスピードが遅かったのは獣人ではないアルマであった。
「ったく、走るだけで呼吸が乱れてくる、ここまでリアルにしなくてもいいのになぁ」
アルマの呟きは必死に走ることで体力が減り、息が苦しくなるようにシステムがセットされている事に文句を言っていた。
ルルン街の路地裏に到着したアルマ一行はそれぞれが息を整えていた。
「主人よやりすぎだじゃ、あんなの見たことないですじゃじゃ」
「だがわしらの主人らしいと言うところもあるなぁ、フォフォフォ、でじゃ、黒黒しい墓場とやらには行かぬのか?」
「ふふん、路地裏はとても落ち着くにゃ」
黒猫であるキャティは猫の本質なのかよくわからないが、路地裏を好んでいる。
放し飼いにされていたので、いつも路地裏で見つけたことがあった。
そんな事を懐かしく感じていると。
「じゃ、みんなで広場に自然体で行くぞ」
かくしてアルマ一行は自然体を装って入ってきた所とは別の出口からでた。
路地裏はやはりうっすらと不気味な黒黒しいものを感じさせてくれる。
色々なオブジェクトがゴミとして転がっているし、もちろん破壊できる。
「路地裏とはね、色々な出口があるからすごんだにょ」
「ここはキャティに道案内させた方がいいだろう」
タツゴローとジキンはコクリと頷いてくれた。
しばらくキャティに先導されながら歩いていると、不思議なことに広場に到着した。
広場には数人のNPCがおり、ダンジョン専門のNPCを見つけた。
「みんな覚悟いいな」
仲間達が大きく頷くと。アルマ一行はまるでファッションショーでもするかのように堂々と歩いてみせた。
歩道があり、大勢のプレイヤーがいる。もちろん自立型のNPCもおり、そういったNPCは同じ所をぐるぐると回っている。
そしてようやく到着した。
目の前にはダンジョン専門のNPCがいる。
緑色の髪の毛をふんわりと柔らかそうなローブを身に纏っている女性。
すごく美人だ。もちろんNPCだから可能なコトであった。
「黒黒しい墓場に行きたのだが」
「承知しました。30分間は戻ることができません、強制ログアウトすると強制的に戻りますが、獲得した経験値やアイテムは消去されます」
「では」
アルマが後ろを振り返った瞬間、大勢のプレイヤー達が歓声をあげた。
こちらを指差している。
「あいつよ、一撃でジェイクを倒して片端からものを破壊したの」
「すげーな爆滅のアルマってのはどうだ?」
「いいね、みんなあいつは爆滅のアルマだぜ」
「ひゅうう、爆滅のアルマが黒黒しい墓場に挑戦だ」
「そもそも連れの3体の衣装ってレアじゃね、犬と鶏と猫だぞ」
「爆滅のアルマさんその衣装はどこにあったのですか」
「教えてください、爆滅のアルマ」
「爆滅、爆滅、爆滅」
アルマは体の全身がむず痒かった。
まさか自分自身の名前に異名がつくとは思わなかった。
それも厨二病みたいな名前なのだ。
色々な人に出くわす旅に爆滅のアルマなんて言われてみろ恥ずかしくて死ねるぞ。
「やめてくれええええええええ」
「ダンジョン開始です」
「チョええええええ」
また後ろから歓声が上がった。
世界は黒く染まっていく。
きっと後ろには3人の獣人がいる。
彼等を獣人と認識したのは、頭の中で犬と思っていると四足歩行だと思ってしまう。
しかし彼等は二足歩行の化け物なのだ。
黒黒しい世界は黒い輝きの元で、新しい世界を創造してくれる。
お線香のような煙のような香りがしてくる。
ちょっとずつ世界が構築されていく。
次の瞬間、無数の墓場がある。
墓場はグネグネと動きながら、こちらに近づいてくる。
それも30体はくだらないだろう。
アルマ1人だけでは倒せないレベル。
頼もしい仲間達が後ろから声をあげる。
「よし、ジャスコ老人の装備を試す時がきたじゃじゃ」
「この精霊使いを舐めないようにのう、フォフォフォ」
「クー必死ぶりに体を動かすぞ」
「よし、みんな片っ端から倒せ」
アルマはクリスタルソードとクリスタルシールドをまたもや融合させた。
心の中から闘争心が芽生えてくる。
もっと倒したい、もっと強くなりたい、そう言った願望が強くなり、次の瞬間では行動に移していた。
アルマはクリスタルソードシールドをブンブンと振り上げた。
見えない斬撃のようなものが飛んでいく中、面白いほど墓場モンスターが粉々に分解され爆発する。
素材がドロップすると強制的に倒した人のアイテムボックスの中に入る。
隣ではタツゴローが二刀流のダガーであるダブルアッシュを振り回す。
軽装備であるサバインバルが上手く作動し、まるで暗殺者のごとく驚異的なスピードで墓場モンスターの背後を突くと、一撃必殺でとどめを刺していく。
後方にはジキンが両手杖のスターファイアから精霊魔法を弾き飛ばす。
現在ジキンは炎の精霊を使役している。
大きな火の塊の精霊を動かし、仲間達にバフを与える。
炎の精霊は攻撃力が上がる。
しかもかなり上がるので、アルマも仲間達も素晴らしい破壊力を持つこととなる。
それはシルシルクというローブ装備が倍増させブルースピードというアクセサリーのおかげで、詠唱がかなり早くなっている。
敵の中を闊歩するのはキャティであった。彼女は鈍器のボンバをブンブンと振り回す。
至る所に緑のガスが充満していくと。ガンロックシールドを発動させる。
ガンロックシールドか火が放たれると。
片端から、モンスターを爆撃していく。重装備のコンナーガッシュの灰色のヘルメットを着用し。
完全防備しながら暴れている。
アルマも負けじとモンスターを倒しまくるのだが、このダンジョンは倒せば倒すほどモンスターが出現していくし、スコアという概念があり、どのパーティーがどのくらい倒したとか色々と表示されるのだ。
その時アルマは嫌な予感を感じたのであった。
そうして30分が経過した。
1人と3匹はルルン街に戻されると。
その場にいた人々は唖然と口を開いていた。
どうしたのだろうかと思って、彼等が見ている先を見ると。
【新スコア150億(アルマパーティー)】
アルマは唖然と口を開いて、ボケーっとしていた。
100億スコアが課金者が叩き出した新記録だ。
それを50億を超えて叩き出したので、その場にいたプレイヤー達は唖然とするしかない。
そして1人また1人と歓声をあげて喜ぶものと悲鳴をあげて暴れるものに分かれた。
基本的に悲鳴をあげて暴れるものの数が多い。
アルマ達は何事もなかったかのように、歩き出した。
ちなみにダンジョンは1日1回だけしか出きないし、アルマ達のレベルは結構上がっていたのだ。
アルマ=レベル35
タツゴロー=レベル30
ジキン=レベル30
キャティ=レベル30
その日から爆滅のアルマ=飼育係と呼ばれるようになった。
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