無課金がポリシーです〜パーティーに入れて貰えないのでメンバーを作りました〜

元帥老師

文字の大きさ
9 / 11

9話 爆滅の飼育係

しおりを挟む

 アルマ達は無事【黒黒しい墓場】ダンジョンをクリアした。
 こういったダンジョン系は1日に1度しかプレイできないのが難点のポイントであった。
 その代わり莫大な経験値が入る事から人気があった。

 その中でもスコアというものがあり、そのスコアで競い合うものなのだが、このダンジョンにてとんでもないスコアを叩き出した人物達がいた。
 それが爆滅の飼育係アルマであった。
 100億スコアは課金者が叩き出したスコアなのに、無課金者であるアルマ達パーティーが150億というスコアを叩き出した。


 もちろんそれを見て絶句する人々。最初は爆滅のアルマという厨二病的な異名がついていたいたのに、なぜか悪意を込められて飼育係と付けられた。

 
 いつも獣人みたいな衣装をつけているプレイヤーと一緒にいる事からであった。
 現在どこにでもあるNPCレストランにてご飯を食べているアルマ達は、周りの視線に晒された。
 それは色々な意味でだった。

 芝犬の獣人であるタツゴローは地面に皿を置いてそこで食べている。
 鶏の獣人であるジキンも同じように、黒猫のキャティも同じように食べている。


「やはり地面に皿を置いて食べた方が落ち着くんだぞぞぞ」
「やはりワシらは動物じゃのう」
「それは否定はしませんわ」
「ところで主人よステーキを前にしてなぜフリーズしているんだじょい」

「てめーらに周りを気にするという気持ちがないのかね?」

 アルマの慟哭は心の中で響き渡っていた。


「さすが爆滅の飼育係さん、パーティーメンバーを動物のように調教してるわ」
「普通地面に皿を置いて食わせるかね、リアルでもやってるんじゃないか」
「だがリアルだと、どうなるんだ? 人間なのか? このゲームにログインしているから人間なんだろうけどさ、3人の獣人さん達は」
「今の殿方はああいったプレイをするのですね、メモメモ」
「そこメモらんでいい」
「要は変態ってことだ」
「だな、さすが爆滅の飼育係は変態だな」
「変態、変態」


 しばらくアルマはフリーズしていく中で、ゆっくりとステーキをナイフとフォークで切り分ける。
 耐えるのだ自分と心の中で活を入れる状況であった。
 フリーズしていく中で、アルマは周りを見回す。
 完全にこちらを気にしている。


 確かに引きこもりになったのは自分の頭が良すぎたせいもあった。
 それでいじめられたこともあった。
 いじめてくるやつは馬鹿だと思った。

 
 あの時天才になろうともこんなに注目を浴びることはなかった。
 だが今変態として注目を浴びている。
 最初は決闘で勝利したナイスガイな無課金者であったのに、今ではパーティーメンバーを動物のように調教する変態となっている。


 アルマはグッと堪えながら、ステーキを食したのであった。

 NPCレストランから出ると、3体の仲間達に忠告をすることにした。


「頼むから、食事くらいは椅子に座ってくれ、お前らが動物である事は理解しているつもりだ、だけどここでは1人の人間として行動してくれ、頼む、そうでなくちゃ、お、俺は、変態に」

「ふむ、主人の言う事もモットーです。変態とはどういう意味なのですか?」
「あれじゃ、体が変形するんじゃ」
「なんかかっこいいじゃないですか、わたしも変形したいです」

「君たちに願った俺が馬鹿だった。まぁいい、基本的に食事は持ち帰りにしよう」


 それからその日はログアウトしてウェイバリアンオンラインゲームを終了した。

 その日からなぜか芝犬と鶏と黒猫のペット達はとてつもなく懐いてきたのだ。
 現実世界では彼等と話をする事はできない。
 もしかしたら彼等は話しかけているつもりで鳴き声を発しているのかもしれない。
 それでもアルマは言葉として認識する事が出来ない。
 しかしウェイバリアンオンラインゲームと自分が改良を施した動物用のV R機材があれば、それは夢ではなく、現実として再現出来る事柄なのだ。

=====寺林の村=====

 それから畑仕事をするようになり、ペット達はグループホームの自宅でくつろいでいる。
 寺林の村の畑では基本的に漢方薬の元となる薬草や一般的な野菜、果物、または大きなハウスが建てられており、椎茸の栽培やまたは特殊なキノコの研究などをしている。


 アルマは一通りの仕事を覚えるのに必死であったが、肉体労働は基本的に慣れていないため、汗だくになりながらも、頑張っている。


 その日の太陽はとても輝いており、お月さまの光など消してしまうくらいであった。
 頭に帽子を被らないと日射病になるし、定期的な水分補給をしないと脱水症状となり命の危険となる。


 周りには色々な事情でやってきた人たちがいて、職員さんは利用者の具合を随時確認している。
 なので帽子は支給されるし、水分も支給される。
 時たまアイスなんて支給されることもある。


 そうやって自分が地球の中の小さな一部だと認識し始める。
 人類の基本は衣食住だと思う、その中の一つである食を担うのが今アルマがやっている仕事なのだ。

 
 機械文明が発達した今の時代、食事のありがたみを再認識し始めたのは一つの人生の機転として良かったのかもしれない。自分自身を変えたいと思った事それがきっと大事な事なのだと思いたいと思っていた。


 そうして待ちに待ったゲームタイムで夕食を食べた後、即座に芝犬のタツゴローと鶏のジキンと黒猫のキャティにVR機を身につけさせるとアルマも頭の上にVR機を身につけた。


 次の瞬間、現実では見る事のない幻想的な世界へと旅立つのであった。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。

和泉鷹央
恋愛
 聖女は十年しか生きられない。  この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。  それは期間満了後に始まる約束だったけど――  一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。  二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。  ライラはこの契約を承諾する。  十年後。  あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。  そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。  こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。  そう思い、ライラは聖女をやめることにした。  他の投稿サイトでも掲載しています。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

【完結】ワーカホリック聖女様は働き過ぎで強制的に休暇を取らされたので、キャンピングカーで静養旅に出る。旅先で素敵な出合いもある、、、かも?

永倉伊織
ファンタジー
働き過ぎで創造神から静養をするように神託を受けた聖女メルクリースは、黒猫の神獣クロさんと一緒にキャンピングカーで静養の旅に出る。 だがしかし 仕事大好きワーカホリック聖女が大人しく静養出来るはずが無い! メルクリースを止める役割があるクロさんは、メルクリースの作る美味しいご飯に釣られてしまい、、、 そんなこんなでワーカホリック聖女メルクリースと愉快な仲間達とのドタバタ静養旅が 今始まる! 旅先で素敵な出会いもある、、、かも?

処理中です...