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第一章 黒猫の夢?
二十九話
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[おいおい、双子はともかく、正也さんまで、何をそんなに驚く]
「えっ?いやいやいや、あのですね。僕と親父の認識では、姉の押さえきれなくなった感情のせいで、精霊達が、幸夫さんの車をスリップさせて…それを、気にした姉は、自ら命を絶ったと、思っていたんです。それが…今の、言い方は…」
[母さん、生きてるの?]
[ああ、そういう事かい、そうじゃのー、人の言う『死』という考えからすれば、肉体はなくなっておるから、生きておるとは言えんな。しかし、魂というんじゃろか?意思とゆうかは残っとる]
「それって、幽霊?」
[うあ?ああ、まぁ、人が言う『幽霊』と同じようなモノじゃな。まぁ、水神の下についたから、水の精霊に生まれ変わったとでも思えばいい]
「…思えばいいって、そんな、簡単に…」
「ももんぐさんは、何故、分かったんです?」
[お主らに、うっすらと守護する気配があったんじゃが、いろいろ血が混じっているせいか、複雑でのう。じゃが、一番分かりやすい、優しい気がある。それが、双子の母君なのだと思ったら、しっくりいったのじゃ]
「ん?今の言い方だと、俺にも…」
[お主は、元の力が弱いせいか、一番よく分かるぞ。同じ血の影響もあるんじゃろな、お主が、来てからの方が、安定しとる。信頼しとるんじゃろ]
……
……
「…そっか、俺達に何も言わずに逝ったから、ちょっと、やるせない気持ちで一杯だったけど、そういう事なら、文句を一杯言ってやる」
[クククッ、そんな事すれば、力をつけて、体現するやも知れんな]
!?
[どういう事?]
[人間というモノは、凄い力を持っておるのだぞ、言霊にその力をのせ、数々のモノを造りあげてきた。ワシもその中の一人じゃ]
[「?」]
[人間なのに分かっておらんのか?ワシは、ただのムササビじゃったんだが、縄張りに入って来た人間を脅かしていたら、妖怪扱いされたのじゃ、一人が言い出した事だったが、瞬く間に、多くの人が言うようになったんじゃ、そんな言の葉の力が、ワシを妖怪にしたのじゃ]
「そんな事で?」
[甘く見てはいかんぞ、人、一人の力は小さくとも、大勢集まれば、膨大な力になる。直接的ではないが、言の葉にも、力が宿るものじゃて、気を付けねばな]
「それは、親父も、言っていた。言葉を大事にしないと、精霊達の機嫌が悪くなるから、気をつけろって」
[そうじゃな、感情に接する事の出来る精霊だが、言の葉にしないと力を貸して貰えんからな]
[じゃぁ、母さんに、話しかけてれば、会えるようになるっていう事?]
[そうじゃな、その可能性はあるな、まぁ、精霊としてじゃが]
……
うん、もうどう考えて良いのか分からなくなっている。消化するのに時間が、かかりそうだ。
瑞樹は、母さんに会えるかもしれないと、喜んでいるが、俺はどうなんだろう…嬉しいのだろうか?よく分からない……
「そうか、姉さんの力があったから、俺が事故に会った時、最小限の被害で済んだのか」
[……そうとも言えるが、多分、双子の力も合ったと思うぞ]
「そ、そうなんですか?」
[…多分な。お主と母君の力だけで、飛行機とやらを動かすのは難しそうじゃ。かなりの数の人も乗っておったのじゃろ?]
「……この子達の持っている力は、大勢の人や、物質にも、作用するということですか?」
[そこが、ハッキリと分からんのじゃ。とてつもない大きな力を持っているように、感じるという、曖昧なモノじゃ]
「うーん、そうなると、やはりサラマンドラに、話を聞かないといけないのかな」
「俺は、既に、飽和状態で、どう考えて良いのか、分からなくなってるんだけど…」
「俺だって、似たようなもんだ。でも、取り敢えず、今、手に入る情報を掴んで、ゆっくり考えようじゃないか」
[うん、それが、よかろ]
「えっ?いやいやいや、あのですね。僕と親父の認識では、姉の押さえきれなくなった感情のせいで、精霊達が、幸夫さんの車をスリップさせて…それを、気にした姉は、自ら命を絶ったと、思っていたんです。それが…今の、言い方は…」
[母さん、生きてるの?]
[ああ、そういう事かい、そうじゃのー、人の言う『死』という考えからすれば、肉体はなくなっておるから、生きておるとは言えんな。しかし、魂というんじゃろか?意思とゆうかは残っとる]
「それって、幽霊?」
[うあ?ああ、まぁ、人が言う『幽霊』と同じようなモノじゃな。まぁ、水神の下についたから、水の精霊に生まれ変わったとでも思えばいい]
「…思えばいいって、そんな、簡単に…」
「ももんぐさんは、何故、分かったんです?」
[お主らに、うっすらと守護する気配があったんじゃが、いろいろ血が混じっているせいか、複雑でのう。じゃが、一番分かりやすい、優しい気がある。それが、双子の母君なのだと思ったら、しっくりいったのじゃ]
「ん?今の言い方だと、俺にも…」
[お主は、元の力が弱いせいか、一番よく分かるぞ。同じ血の影響もあるんじゃろな、お主が、来てからの方が、安定しとる。信頼しとるんじゃろ]
……
……
「…そっか、俺達に何も言わずに逝ったから、ちょっと、やるせない気持ちで一杯だったけど、そういう事なら、文句を一杯言ってやる」
[クククッ、そんな事すれば、力をつけて、体現するやも知れんな]
!?
[どういう事?]
[人間というモノは、凄い力を持っておるのだぞ、言霊にその力をのせ、数々のモノを造りあげてきた。ワシもその中の一人じゃ]
[「?」]
[人間なのに分かっておらんのか?ワシは、ただのムササビじゃったんだが、縄張りに入って来た人間を脅かしていたら、妖怪扱いされたのじゃ、一人が言い出した事だったが、瞬く間に、多くの人が言うようになったんじゃ、そんな言の葉の力が、ワシを妖怪にしたのじゃ]
「そんな事で?」
[甘く見てはいかんぞ、人、一人の力は小さくとも、大勢集まれば、膨大な力になる。直接的ではないが、言の葉にも、力が宿るものじゃて、気を付けねばな]
「それは、親父も、言っていた。言葉を大事にしないと、精霊達の機嫌が悪くなるから、気をつけろって」
[そうじゃな、感情に接する事の出来る精霊だが、言の葉にしないと力を貸して貰えんからな]
[じゃぁ、母さんに、話しかけてれば、会えるようになるっていう事?]
[そうじゃな、その可能性はあるな、まぁ、精霊としてじゃが]
……
うん、もうどう考えて良いのか分からなくなっている。消化するのに時間が、かかりそうだ。
瑞樹は、母さんに会えるかもしれないと、喜んでいるが、俺はどうなんだろう…嬉しいのだろうか?よく分からない……
「そうか、姉さんの力があったから、俺が事故に会った時、最小限の被害で済んだのか」
[……そうとも言えるが、多分、双子の力も合ったと思うぞ]
「そ、そうなんですか?」
[…多分な。お主と母君の力だけで、飛行機とやらを動かすのは難しそうじゃ。かなりの数の人も乗っておったのじゃろ?]
「……この子達の持っている力は、大勢の人や、物質にも、作用するということですか?」
[そこが、ハッキリと分からんのじゃ。とてつもない大きな力を持っているように、感じるという、曖昧なモノじゃ]
「うーん、そうなると、やはりサラマンドラに、話を聞かないといけないのかな」
「俺は、既に、飽和状態で、どう考えて良いのか、分からなくなってるんだけど…」
「俺だって、似たようなもんだ。でも、取り敢えず、今、手に入る情報を掴んで、ゆっくり考えようじゃないか」
[うん、それが、よかろ]
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