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kaoru

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第二章 四大精霊

四十話

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「えっと、瑞樹っていいます。よろしく。キルさんは、封印の石に問題があって、少し留守にするって、言ってたよ」

「え?まさか、砕けたり、加工されたりしましたか?それに…その、黒猫からアルフの気配がしているんですけど、どういう事ですか?」

[私の石がこの中にあるからよ]

「えっ?アルフ?一体なにやってるんだよ?」

「これには、いろいろ訳があってね。先ず…」

 瑞樹と、アルフさんが、ノームのダリルくんに、今までの事を説明しだした。
 その途中で、正兄や俺、ももんぐさん達も、補足していくと、なんとなく、整理されてきて、落ち着いて考えられるようになってきた。

「うーん、大変でしたね。長い年月の中で僕達の存在を忘れ、多くの人達は、見ることさえ出来なくなっていますからね。理解が追い付きませんよね」

 うわっ、労いの言葉まで…良くできた精霊さんです。

[ダリル、あんた、今まで寝てたのになんで、そんな訳知りなのよ。私達の存在が忘れ去られたって、本当なの?]

「アルフは、時を越えて一気にここまで来たから知らないけど、主様方は、何回か転生していたんだよ。その度に、目を覚まし周囲の観察を怠らなかったからね」

「えっ、キルさんは、転生してないって、言っていたけど?」

 ダリルくんの言葉に、思わずといった感じで、正兄が聞くと、ダリルくんは、顔を歪ませ、俯いてしまった。

「…キルは、キルの封印石は特殊なものなんです。前回の事で、僕達も、学んだんです。主様方の魂が宿ったからといっても、僕達を使役出来る能力が優れているとは、限らないということを…人は、回りに感化せれ、とても酷いことを平気でするようになる。僕達も、時々、力が暴走し、この星の動植物に迷惑をかけてしまいますが、それは、誰かを憎んでとか、羨んでとかではなく、この星の、均衡を維持するために、必要なことだからです。しかし、人間は…そこで、考えました。僕達の力を悪用しない主様を待つことは出来ないかと、特に、キルは、その思いが強かったので、キルの石には特殊な結界を張ったんです。初代様と同じ心根の魂に成長した気に反応するようにと…」

 なんか、凄い事を聞いてしまったような…地球規模の話?話が、大きくなりすぎるよ…

「じゃぁ、光輝の前にキルさんが現れたのは、精霊の力を悪用しない人と、認定されたってことか?」

 正兄が、軽い感じで流そうとしてる。でも…賛成、深く考えたらダメな気がする。

「そう考えて良いと思います。それに関しては、想定通りなんですが…アルフの事は、全くわかりません。消滅したと思っていたのに…」

[ふん、あんたや、キルみたいに難しい事考えられないけど、あたしだって、初代様が一番好きだと思ったのよ。その『気』を探すのは当たり前じゃない!]

「…本能?執念?とにかく、アルフ凄いよ。もう、会えないと思っていたのに、良かったー」

 [あたしも、ヤバイと思ったけど…みんなと会えて良かった。瑞樹様とも一緒だし、また、楽しく暮らしましょ]

 ダリルくんと、ファラムが、笑顔で、うんうんと頷いている。精霊達の話はまとまったようだ。

「なんか、決まったみたいだな」

「そうみたい」

「家主さんは、急に住人増えたけど、大丈夫?」

「うーん、どうなんだろ?」

「始めてみないと、分からないよね」

「だな」

 なんか、物凄く濃い一日だった。俺、朝一で、東京行ったんだよなー、それで、すぐ戻ってきて…四大精霊、集まっちゃった…ハハ、乾いた笑いが出るって、本当にあるんだな。
 
 これから、どうなる事やら…

 落ち着いたらお腹がすいた。
 時計を見ると、十六時を過ぎたところ…えっ?

「うそっ?」

 「光輝、どうした?」

「いや、なんか濃い一日だと思って…しかも、まだ、四時過ぎって事に驚いただけ」

「えっ?…確かに…激動の一日とかいう表現聞いたりするけど、大袈裟だなぁって、思ってたけど、本当にあるんだね。はぁー、なんか、落ち着いたらお腹空いた」

 流石、双子?同じ事を思ってる。

「ああ、そうだな。どうする?なんか、疲れたし、ピザでもとるか?」

「うーん、なんか、身体動かしたいから、作るよ。天ぷらで、お蕎麦でもゆでてでよくない?」

「おっ、いいねー、賛成、手伝うよ」

「あれ、正兄は、調べものあるんじゃないの?」

 そういって、年表やら歴史書に混じって、妖精、精霊と書かれた本の山を見る。

「今日じゃなくてもいいだろう、少しずつ分かり合っていこう」

「確かに、一度に詰め込んでもね。覚えていられない」

「だろ」

「じゃ、作るから、ファラムは、ここで待っててね…あれ?ダリルくん、精霊って、何食べるの?」

「光輝様、ダリルでいいですよ。僕達は、基本、食事は必要ありません。ですが、主様方が、お望みであれば、一緒に食事をすることもできます」

「そうなんだ。せっかくだから、みんなで食べよう。キルさんいないけど、歓迎会ってことで、キルさん戻ったら、改めて、ご馳走つくるから」

[[[やったー]]]

「ほっほっほっ、お主、なかなか、良いところがあるのう」

 って、何故、精霊達じゃなく、あなた達が先に反応するんだよ!






 

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