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kaoru

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第二章 四大精霊

四十五話

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「で、どうだった?」

「特に、問題ないみたい。誰も、見えていないみたいだし、声も聞こえてないみたい」

「うん、ただ、何か感じるのか、慌ててまわりを見る人が、何人かいたけどね」

 学校から帰ってくると、正兄が、東京から買ってきたお菓子を広げながら、お茶を入れてくれた。
 それで、アルフさん達の事を報告する。

「で、アルフ達の感想は?」

 アルフさんは、猫の中に戻り、瑞樹の膝の上で、お菓子を貰っている。
 ちなみに、トルト王の魂も抜けているから、アルフさんが、学校にいる間どうなっているか聞いたら、分身というか、力を分けられるから、問題ないそうだ。意識の強弱で、やや動きは鈍るけど、猫だし大丈夫でしょっと、笑っていた。
 俺には、よく分からないけれど…

「何となく、感じてはいたけど、人の多さに驚きね。それに、皆、綺麗だし、これって、国が違うから?」

「いや、時代が違うからだよ。食料も豊富にあるからね。昔みたいな、飢饉とかないみたいだし、衛生面でも大幅に改善してるしね。ただ、国ごとに異なるから、この国を基準にしない方がいいみたいだけど」

「ふーん、もう少し、力が戻ったら、一度、世界を確認しに行きたいわね」

「そうだね。それはアルフに、任せよう。ファラムは?何か、気づいた?」

「うーん、水、変、浄化!」

「「「えっ?」」」

 元の大きさに戻って、俺の膝の上でお菓子を食べていたファラムが、ダリルの声に反応して、ちょっと考える素振りをしてから、言葉を発して、両手をあげた。すると…

「なんか、部屋の中、サッパリした感じ」

「うん、森に入ったみたい」

「水、変、浄化って?」

「多分、汚れていると、いうことだと思います。ファラムの言うことは、キルの方が理解できるからな…」

「水や、大気が汚れてるって言うのよ。何か溶け込んできて気持ち悪いんだって、だから、光輝様と離れたくないって言ってたわ」

「どういうこと?」

「光輝様の力があれば、絶えず浄化出来るらしいです。今のは、それをこの部屋全体で行って、光輝様達にも、分かるようにしたみたいですよ」

「えっと…空気清浄みたいな感じ?」

「多分な、大気汚染は、ずっと言われてるからな、俺達の目には、よく分からないけれど…」

「確かに、土の中も、昔は、それほど多くなかった物質が突発的に増えたり、多かったものが減ったり、バランスが崩れている所が増えてきましたから、水にも、影響あるのですね」

「そうみたい、あたしは、視界が悪くなった感じはするけど、ファラムが言うような気持ち悪さはないわよ」

「アルフは、取り込むより、跳ね返す力が強いからね、だから、瑞樹様の事を守れる訳だし、ファラムは、取り込んでから綺麗にするから、負担が大きいんだよ。そういった面でも、キルに早く帰って来てもらわないとな」

「それって、アルフさん達が、汚染から瑞樹達を守っているのか?風邪とかの、ウイルスにも効果があるとか?」

「そうよ。正也様の風の精霊だって、あたしより力は小さいけど、守っているでしょ?」

「いや、そうなのか?知らなかった」

「もう、そんなことだから、全然、育たないのよ。かわいそうでしょ、もっと、大事にしてあげて、正也様の力になりたくて、頑張ってるのに」

「えっと、いろいろ助かっているし、ありがたいとは思っているけど、育てるって?」

「えっ?知らないの?」

 「アルフ、もう少し、丁寧な言葉使いをしてください。正也様、申し訳ございません」

「いや、そんな丁寧じゃなくていいよ。敬称もいらないし、それよりも、風の子達の育て方を、教えて欲しい」

「それはですね…」

 ダリルくん達が言うには、正兄が一緒にいる風の精霊は、小さい力しか持っていないけど、先ずは、感謝して誉めてあげていると、もっといろいろしたくなって、仲間を増やして大きくなるそうだ。そして、さらに誉めてあげると、体現出来るようになるらしい、そうなったら、食事も、出来るので、好きなものを与えたり、話しかけたりしていると、自我が生まれ、ダリルくん達のようになるらしい。

「そんなことで?」

 「そうです。昔より建物が増えたり、この国は、海に囲まれたりしているので、風の精霊が生まれやすいので、育つのも早いと思いますよ」

「それって?どういう事?」

「キルさんも、元は、火山に漂って居たなんて言っていたけど、精霊って、どういうものなの?」

「えっ?瑞樹様、そんなことも知らなかったんですか?」

「アルフ!瑞樹様、申し訳ございません」

「ううん、そんな、丁寧な方が落ち着かないから、アルフみたいな、感じでいいよ。それより、精霊って、おとぎ話やマンガの中の存在で現実にいるって知らなかったから…よく分かってないんだよ」

「ももんぐ様が、力を持つものが少なくなったって言っていたけど、存在事態知らなかったって事ですか?でも、正也様は?」

「家の家系には、精霊の話は伝わっていたけれど、その力が目覚めた時に、精霊が使える事は、決して話さないように言われたよ。今の時代、理解してもらえないし、下手すれば、実験台として捕まるからなんて言われたな。まぁ、大抵の場合、冗談にされて笑われる方が、多いとも言っていたな」

「そんな…」






 


 







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