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第四章 節約生活?
八十五話
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「はぁー」
大きなため息と共に、瑞樹が仰向けに寝転がった。腕に寄り添っていたアルフさんと一緒に…
「もう、何がなんやら…少し落ち着いて来たと思ったのに…」
「確かに、でも、十年後っていうのは、良かったな。助かったよ」
「うん、まぁ、ぶっちゃけ。今すぐ、考えたくなかっただけだけどね。…母さんは、選択肢、無かったんだよね?すんなり、受け入れられたの?」
『うー、そうねぇ。定め?宿命?を聞いたのは五歳の時だったのよ』
「…えっと、…それは、事故死だったの?」
『そうよ。その年の梅雨は、記録的な大雨で、川が氾濫して、家の前の道とかも川のようになっていて、あんな山の集落なのに、床上浸水とかした家もあったのね。だから、絶対に外にでるなって言われてたのに…兄さんの目が離れた隙に、外に出て、興味本位で川に近づいたのよ、足を掬われて、一瞬だったと思う。痛いとか、苦しいとか全然なかったから…で、気がついたら、目の前に竜神様がいて、あなた達を産むために生き返ったことを聞かされて、三十六歳までの寿命だと、教えられたわ』
「えっ?三十六歳までに俺達を産めって、強制だよね?そんなこと、なんで承諾したの?」
『承諾って、五歳の子供に何いってるのよ。そんな、考えあるわけないじゃない。それに、さっき、竜神様が言っていたじゃない、完全体の蘇生ができないって、私はよく分からなかったけど、人として欠点が合ったようなのよ。まぁ、今から思えば、友達もいなかったし、知人も少なかったから、やっぱり、どこかおかしかったのよ』
…っ、本人がそんなこというなんて…俺達の魂って?
「…その事を知っていた人はいたの?」
『正也以外の家族は知っていたわよ。というか、家に戻った私の変化に、一番最初に気付いた兄さんが、大騒ぎしたのよ』
「えっ、えっ?直也伯父さんが?大騒ぎ?」
「それに、正兄だけ知らなかったの?」
『そうよ。どうしてかというとね…』
そうやって、言葉にし出した母さんの話は、メチャクチャ長かった。途中、竜神様の愚痴も少し混じっていたけど…なんというか、凄すぎて、消化出来ない話が、また、増えてしまった。
「はぁー、聞いていただけなのに、メッチャ疲れた」
話を聞いていたときは、起きていたけど、また、寝転がった瑞樹を見ながら、俺も、小さくため息をつく。
「確かに…」
『ココ、茶々、理解できました』
ルルの問いかけに、二人はブンブンと首を横に振り、ルフナさんをみた。
『こっちを見るでない。人間ではないから、よく分からん箇所がある…』
ルフナさん、慌てて三人の視線から逃げるように、俺の後ろに回り、背中に張り付いた。
そして、三人の目は次に俺を見る。俺も、まだ、説明できるほど、理解してないと…思っていると、三人の口から出た言葉は…
『『『光輝ぃ、お腹空きました』』』
「あっ、はい…そういえば、もう、お昼だね」
「なんか、消化のいいものがいいな。で、そのあとで、今の話を整理しよう」
大きなため息と共に、瑞樹が仰向けに寝転がった。腕に寄り添っていたアルフさんと一緒に…
「もう、何がなんやら…少し落ち着いて来たと思ったのに…」
「確かに、でも、十年後っていうのは、良かったな。助かったよ」
「うん、まぁ、ぶっちゃけ。今すぐ、考えたくなかっただけだけどね。…母さんは、選択肢、無かったんだよね?すんなり、受け入れられたの?」
『うー、そうねぇ。定め?宿命?を聞いたのは五歳の時だったのよ』
「…えっと、…それは、事故死だったの?」
『そうよ。その年の梅雨は、記録的な大雨で、川が氾濫して、家の前の道とかも川のようになっていて、あんな山の集落なのに、床上浸水とかした家もあったのね。だから、絶対に外にでるなって言われてたのに…兄さんの目が離れた隙に、外に出て、興味本位で川に近づいたのよ、足を掬われて、一瞬だったと思う。痛いとか、苦しいとか全然なかったから…で、気がついたら、目の前に竜神様がいて、あなた達を産むために生き返ったことを聞かされて、三十六歳までの寿命だと、教えられたわ』
「えっ?三十六歳までに俺達を産めって、強制だよね?そんなこと、なんで承諾したの?」
『承諾って、五歳の子供に何いってるのよ。そんな、考えあるわけないじゃない。それに、さっき、竜神様が言っていたじゃない、完全体の蘇生ができないって、私はよく分からなかったけど、人として欠点が合ったようなのよ。まぁ、今から思えば、友達もいなかったし、知人も少なかったから、やっぱり、どこかおかしかったのよ』
…っ、本人がそんなこというなんて…俺達の魂って?
「…その事を知っていた人はいたの?」
『正也以外の家族は知っていたわよ。というか、家に戻った私の変化に、一番最初に気付いた兄さんが、大騒ぎしたのよ』
「えっ、えっ?直也伯父さんが?大騒ぎ?」
「それに、正兄だけ知らなかったの?」
『そうよ。どうしてかというとね…』
そうやって、言葉にし出した母さんの話は、メチャクチャ長かった。途中、竜神様の愚痴も少し混じっていたけど…なんというか、凄すぎて、消化出来ない話が、また、増えてしまった。
「はぁー、聞いていただけなのに、メッチャ疲れた」
話を聞いていたときは、起きていたけど、また、寝転がった瑞樹を見ながら、俺も、小さくため息をつく。
「確かに…」
『ココ、茶々、理解できました』
ルルの問いかけに、二人はブンブンと首を横に振り、ルフナさんをみた。
『こっちを見るでない。人間ではないから、よく分からん箇所がある…』
ルフナさん、慌てて三人の視線から逃げるように、俺の後ろに回り、背中に張り付いた。
そして、三人の目は次に俺を見る。俺も、まだ、説明できるほど、理解してないと…思っていると、三人の口から出た言葉は…
『『『光輝ぃ、お腹空きました』』』
「あっ、はい…そういえば、もう、お昼だね」
「なんか、消化のいいものがいいな。で、そのあとで、今の話を整理しよう」
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