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第四章 節約生活?
八十九話
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「私が、いろいろ聞いたわけではなくて、兄さんが聞き出したのよ」
「直也伯父さんが?」
「そう、さっき、私の変化に最初に気がついて大騒ぎして、父さんの精霊達にあなた達の事とか説明してもらったけど、納得出来なくて、竜神様のところに文句を言いに行って、特殊な力を授かったって言ったでしょ?」
「うん、もしもの時のために、俺達を無に返す力なんだよね。前世の時みたいに、道徳心がない行いっていうのかな?直也伯父さんが、そう判断したら、俺達全員が無にされるんだよね」
「そう、その力を授かった時に、聞いた話なの。なんか理詰めでね、竜神様の使いの方々が、困り果てて、もっと、上位の方々が出てきて説明してくれたみたい」
「はぁー、…直也伯父さんって、スゴいね」
「ホントねぇ」
「って、他人事みたいに…」
「えっ、だって、兄妹とはいえ、他人というか、別の人なんだから感心したって良いじゃない」
「まぁ、そうだね…」
母さんが事故に遭って、蘇生され帰ってきたのを見て異変に気がついた直也伯父さんが、じいちゃんの精霊達に何か知っているか聞くと…ここで、新たに分かった事が、直也伯父さんは、精霊を仕える力は、持ってなかったけど、実は、じいちゃんの力ではなく、ばあちゃんの力(ばあちゃんは、昔、巫女をしていて、何気に精霊達の言葉を聞ける力があったらしい…)を、受け継いでいて、精霊との意志疎通は、母さんや正兄より上ということだ。
「直也伯父さんが聞いた話も合わせて考えると、ダリルくん達が眠りについてから、人間と精霊は距離を取ることになったんじゃない?」
「そうでしょうか?」
「うん、だって、じゃないと、ダリルくん達が、世界の意思が分からなくなっている事が、説明できないと思うんだ」
「あっ、そうか、全部が操作可能なら、自然とその流れに沿うようになっているのが精霊達か…それに、キルさんの打ち込んだ楔が取れないっていうのも変な話だよね」
「そう言われれば…全て管理下されていれば、契約も自由自在、輪廻の輪にのっている時は無理でも、転生後なら、我々の意思など関係なく自由に出来たはず。世界の意思とやらが『抜けない楔』が異端ということか?」
「そういうことなら、わざわざ特別な肉体を用意し、輪廻の輪に戻させなくし、永遠の命か無を選ばせることにしたのも納得できる」
「そうかしら、桃子さまに与えたように、永遠の命だけで良かったんじゃない?なんで、無に返る選択肢があるのか変じゃない?」
おっと、今までの話を聞いているだけだったアルフさんが、急に割り込んできた。
でも、言われてみると、そうなのかな?
「始めの頃は、アルフちゃんが言うように、永遠の命だけ与えていたみたいよ。まぁ、状況はいろいろだけど…でも、そんな中で、問題が起きてるのね」
「問題が起きてる?現在進行形?」
「そう、肉体を失った後、住むことになる異世界でね。その永遠の命を嘆くものが現れてきたのよ」
「えっと、ドラキュラ伯爵みたいな感じ?」
「そう、そうなのよ。変に陰湿でね、何でもかんでも後ろ向きな意見しか言わないの!聞いてるこっちがうんざりしてくるくらいで、もう、困っちゃうのよねー、そんな時に、アルフちゃん達が来てくれて、助かったわ。あなた達の事も、正也経由でしか見れなかったのに、こうして話せるんだから、本当に嬉しいわぁ」
…って、母さんは、よっぽど何かが貯まっていたのか、一気にしゃべりきった。
「えっと、そうやって、嘆く人がいたから、俺達は、二択になったわけ?」
「そう、だけど、無を選んだ場合、精霊達にも何かしら影響があるみたいだけど、それは、無になってからじゃないと、分からないみたい」
「…だから、実験なのか」
「そういうことね。でも、あなた達の事が済めば、この世界は、人間と精霊の繋がりは失くなる…じゃないか、えっと、人間と精霊の交流は全て、失くなるらしいわ」
「全て…正兄や直也伯父さんみたいな人は?」
「その瞬間、力を失うけど、それが当たり前のように、受け止められるようよ」
「世界の意思って訳か…」
「そう。その辺は、混乱しないから便利よねぇ」
「直也伯父さんが?」
「そう、さっき、私の変化に最初に気がついて大騒ぎして、父さんの精霊達にあなた達の事とか説明してもらったけど、納得出来なくて、竜神様のところに文句を言いに行って、特殊な力を授かったって言ったでしょ?」
「うん、もしもの時のために、俺達を無に返す力なんだよね。前世の時みたいに、道徳心がない行いっていうのかな?直也伯父さんが、そう判断したら、俺達全員が無にされるんだよね」
「そう、その力を授かった時に、聞いた話なの。なんか理詰めでね、竜神様の使いの方々が、困り果てて、もっと、上位の方々が出てきて説明してくれたみたい」
「はぁー、…直也伯父さんって、スゴいね」
「ホントねぇ」
「って、他人事みたいに…」
「えっ、だって、兄妹とはいえ、他人というか、別の人なんだから感心したって良いじゃない」
「まぁ、そうだね…」
母さんが事故に遭って、蘇生され帰ってきたのを見て異変に気がついた直也伯父さんが、じいちゃんの精霊達に何か知っているか聞くと…ここで、新たに分かった事が、直也伯父さんは、精霊を仕える力は、持ってなかったけど、実は、じいちゃんの力ではなく、ばあちゃんの力(ばあちゃんは、昔、巫女をしていて、何気に精霊達の言葉を聞ける力があったらしい…)を、受け継いでいて、精霊との意志疎通は、母さんや正兄より上ということだ。
「直也伯父さんが聞いた話も合わせて考えると、ダリルくん達が眠りについてから、人間と精霊は距離を取ることになったんじゃない?」
「そうでしょうか?」
「うん、だって、じゃないと、ダリルくん達が、世界の意思が分からなくなっている事が、説明できないと思うんだ」
「あっ、そうか、全部が操作可能なら、自然とその流れに沿うようになっているのが精霊達か…それに、キルさんの打ち込んだ楔が取れないっていうのも変な話だよね」
「そう言われれば…全て管理下されていれば、契約も自由自在、輪廻の輪にのっている時は無理でも、転生後なら、我々の意思など関係なく自由に出来たはず。世界の意思とやらが『抜けない楔』が異端ということか?」
「そういうことなら、わざわざ特別な肉体を用意し、輪廻の輪に戻させなくし、永遠の命か無を選ばせることにしたのも納得できる」
「そうかしら、桃子さまに与えたように、永遠の命だけで良かったんじゃない?なんで、無に返る選択肢があるのか変じゃない?」
おっと、今までの話を聞いているだけだったアルフさんが、急に割り込んできた。
でも、言われてみると、そうなのかな?
「始めの頃は、アルフちゃんが言うように、永遠の命だけ与えていたみたいよ。まぁ、状況はいろいろだけど…でも、そんな中で、問題が起きてるのね」
「問題が起きてる?現在進行形?」
「そう、肉体を失った後、住むことになる異世界でね。その永遠の命を嘆くものが現れてきたのよ」
「えっと、ドラキュラ伯爵みたいな感じ?」
「そう、そうなのよ。変に陰湿でね、何でもかんでも後ろ向きな意見しか言わないの!聞いてるこっちがうんざりしてくるくらいで、もう、困っちゃうのよねー、そんな時に、アルフちゃん達が来てくれて、助かったわ。あなた達の事も、正也経由でしか見れなかったのに、こうして話せるんだから、本当に嬉しいわぁ」
…って、母さんは、よっぽど何かが貯まっていたのか、一気にしゃべりきった。
「えっと、そうやって、嘆く人がいたから、俺達は、二択になったわけ?」
「そう、だけど、無を選んだ場合、精霊達にも何かしら影響があるみたいだけど、それは、無になってからじゃないと、分からないみたい」
「…だから、実験なのか」
「そういうことね。でも、あなた達の事が済めば、この世界は、人間と精霊の繋がりは失くなる…じゃないか、えっと、人間と精霊の交流は全て、失くなるらしいわ」
「全て…正兄や直也伯父さんみたいな人は?」
「その瞬間、力を失うけど、それが当たり前のように、受け止められるようよ」
「世界の意思って訳か…」
「そう。その辺は、混乱しないから便利よねぇ」
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