117 / 125
第五章 貯め活開始…
九十八話
しおりを挟む
キッチンに入ったところで、キルさんとファラムが大きくなった。今日の、バイトについてきてくれて、ちょっと、手伝ってもらった。
だから、初バイトにしては、スゴいと、皆に言われ、複雑ではあるけれど、ちょっと嬉しかったんだけどなぁー
ファラムが姿を現すと、その側に妖精達もよってきた。なので、初野菜の乱切りや、適当な野菜を渡し、茄子の大きさに合わせて切ってもらう。
「今日のバイトで見た事を、自分でも試したかったんだけど…どうしようかな?」
「何か、気になることが?」
スーパーで買ってきたものを仕舞いつつ、呟くとキルさんが首をかしげながら聞いてきた。
「うん、ほら、準備で冷凍海老の殻剥きしたあと、吉田さんが、天ぷら用に包丁使って処理してたでしょ」
吉田さんは、主に揚げ物担当の人で、四十歳ぐらいで、ちょっと神経質そうな感じのおじさんだ。
「?、背わた取りや、切込みですよね。光輝様もしていたことですよね?」
「そう、そこまではしてたけど、尻尾の方に包丁入れてなかったし、尻尾の黒いのもそぎおとしてなかったから、それをやってみたくて」
「ああ、あれですか、確かに、揚げた後の形や、色味が綺麗になってましたね」
「そう、そうなんだよ。だから、あれがやってみたくて、尻尾つきの海老を買って来たけど…天むすあるからどうしようかと思ってさ」
『海老の天ぷら好きですよ』
『美味しいですよね』
『食べたいです。作らないですか?』
「いや、そうだね。皆が居るから、大丈夫か、残っても、再利用出来るしね。よし、じゃぁ、海老の天ぷらと、茄子の油味噌と、素焼き…は、ズッキーニや、カラーピーマンも入れて、蒸し焼きにしよう。あとは、折角だから、赤だしも作ろうかな」
『赤だしってなんですか?』
「名古屋の名物の味噌汁だよ。八丁味噌っていう赤いお味噌で作るんだ。田楽味噌を作った時に使った味噌だよ」
『ああ、甘味があって美味しかった味噌ですね』
「まぁ、田楽の時は、砂糖やお酒を入れたからね。味噌だけだったら、塩味が勝ってると思うよ」
『しょっぱいですか?大丈夫なんですか?』
「ハハ、そんな心配しなくても、赤だしっていうぐらいで、出汁がきいてて美味しいんだよ」
『そうですか、楽しみです』
「後は…トルト王の肉はどうしようか」
「それは、いらないと思うわよ」
母さんとアルフさんが、カウンターから俺達を見ていたらしく、話に加わってきた。
えっ、あれ?そういえば、さっきの話では、ルフナさんと二人で行ったと言っていた…
「あれ?トルト王はどこで合流したの?」
「お土産が茄子だけっていうことが気に入らなかったらしくて、荷物を運べる精霊いないか聞かれたから、トルト王の事話したら…えっとね。…呼んだらういろう買ってくれるっていうから…ルフナさんに、頼んだの…」
「ういろうに釣られてトルト王呼んで、伯父さんに、こんなに買わせたの?」
「うっ、買わせたわけじゃないわよ。兄さんが、皆の好みを聞いてきたから答えたら、こうなったのよ。因みに、トルト王は、手羽先貰って、満足したから、今日は食事はいらないって言っていたわよ」
「え?手羽先も…?」
「まだあるわよ。一応、冷蔵庫に入れておいたから、温めなおしてね」
さっき冷蔵庫開けたけど、考え事していた所為で見落としてた…食べる時に、キルさんにお願いしよう。
「で、ルフナさんは?」
「ルフナさんは、兄さんお薦めの喫茶店で、小倉トーストが気に入って二枚完食したわ」
はぁー、今朝、俺達が出かける時に、留守番をお願いしたハズなのに…
『手羽先?』
『小倉トースト?』
ほら、ちゃんと留守番していた妖精達が、興味津々で、視線を向けてきた。
「それも名古屋名物だよ。手羽先は後でだすよ。トーストは明日の朝食で作ろうか」
『ふー、名古屋というところはスゴいですね。食べ物イッパイです』
むむ、長野にだって、色々あるよ。まっ、まぁ、確かに、名古屋名物おいしいよ。でも、ちょっと、面白くないと思ってしまった。
「ふふ、そうなのよ。その地方特有の食文化があってね。それを楽しみに旅行したりするのよ。でも、慣れ親しんだ地元のモノが一番だと思っちゃうけどねぇ」
「そうだよ。まだ、皆が食べてない料理もあるから、楽しみにしててよ」
『『『おお…?光輝が、なんだか怒ってます…怖いです』』』
「いや、怒ってないから…長野名物も楽しみにしててよ」
『美味しいものが、まだまだ、あるですね』
『ふふふ、楽しみです』
『沢山、食べるです』
だから、初バイトにしては、スゴいと、皆に言われ、複雑ではあるけれど、ちょっと嬉しかったんだけどなぁー
ファラムが姿を現すと、その側に妖精達もよってきた。なので、初野菜の乱切りや、適当な野菜を渡し、茄子の大きさに合わせて切ってもらう。
「今日のバイトで見た事を、自分でも試したかったんだけど…どうしようかな?」
「何か、気になることが?」
スーパーで買ってきたものを仕舞いつつ、呟くとキルさんが首をかしげながら聞いてきた。
「うん、ほら、準備で冷凍海老の殻剥きしたあと、吉田さんが、天ぷら用に包丁使って処理してたでしょ」
吉田さんは、主に揚げ物担当の人で、四十歳ぐらいで、ちょっと神経質そうな感じのおじさんだ。
「?、背わた取りや、切込みですよね。光輝様もしていたことですよね?」
「そう、そこまではしてたけど、尻尾の方に包丁入れてなかったし、尻尾の黒いのもそぎおとしてなかったから、それをやってみたくて」
「ああ、あれですか、確かに、揚げた後の形や、色味が綺麗になってましたね」
「そう、そうなんだよ。だから、あれがやってみたくて、尻尾つきの海老を買って来たけど…天むすあるからどうしようかと思ってさ」
『海老の天ぷら好きですよ』
『美味しいですよね』
『食べたいです。作らないですか?』
「いや、そうだね。皆が居るから、大丈夫か、残っても、再利用出来るしね。よし、じゃぁ、海老の天ぷらと、茄子の油味噌と、素焼き…は、ズッキーニや、カラーピーマンも入れて、蒸し焼きにしよう。あとは、折角だから、赤だしも作ろうかな」
『赤だしってなんですか?』
「名古屋の名物の味噌汁だよ。八丁味噌っていう赤いお味噌で作るんだ。田楽味噌を作った時に使った味噌だよ」
『ああ、甘味があって美味しかった味噌ですね』
「まぁ、田楽の時は、砂糖やお酒を入れたからね。味噌だけだったら、塩味が勝ってると思うよ」
『しょっぱいですか?大丈夫なんですか?』
「ハハ、そんな心配しなくても、赤だしっていうぐらいで、出汁がきいてて美味しいんだよ」
『そうですか、楽しみです』
「後は…トルト王の肉はどうしようか」
「それは、いらないと思うわよ」
母さんとアルフさんが、カウンターから俺達を見ていたらしく、話に加わってきた。
えっ、あれ?そういえば、さっきの話では、ルフナさんと二人で行ったと言っていた…
「あれ?トルト王はどこで合流したの?」
「お土産が茄子だけっていうことが気に入らなかったらしくて、荷物を運べる精霊いないか聞かれたから、トルト王の事話したら…えっとね。…呼んだらういろう買ってくれるっていうから…ルフナさんに、頼んだの…」
「ういろうに釣られてトルト王呼んで、伯父さんに、こんなに買わせたの?」
「うっ、買わせたわけじゃないわよ。兄さんが、皆の好みを聞いてきたから答えたら、こうなったのよ。因みに、トルト王は、手羽先貰って、満足したから、今日は食事はいらないって言っていたわよ」
「え?手羽先も…?」
「まだあるわよ。一応、冷蔵庫に入れておいたから、温めなおしてね」
さっき冷蔵庫開けたけど、考え事していた所為で見落としてた…食べる時に、キルさんにお願いしよう。
「で、ルフナさんは?」
「ルフナさんは、兄さんお薦めの喫茶店で、小倉トーストが気に入って二枚完食したわ」
はぁー、今朝、俺達が出かける時に、留守番をお願いしたハズなのに…
『手羽先?』
『小倉トースト?』
ほら、ちゃんと留守番していた妖精達が、興味津々で、視線を向けてきた。
「それも名古屋名物だよ。手羽先は後でだすよ。トーストは明日の朝食で作ろうか」
『ふー、名古屋というところはスゴいですね。食べ物イッパイです』
むむ、長野にだって、色々あるよ。まっ、まぁ、確かに、名古屋名物おいしいよ。でも、ちょっと、面白くないと思ってしまった。
「ふふ、そうなのよ。その地方特有の食文化があってね。それを楽しみに旅行したりするのよ。でも、慣れ親しんだ地元のモノが一番だと思っちゃうけどねぇ」
「そうだよ。まだ、皆が食べてない料理もあるから、楽しみにしててよ」
『『『おお…?光輝が、なんだか怒ってます…怖いです』』』
「いや、怒ってないから…長野名物も楽しみにしててよ」
『美味しいものが、まだまだ、あるですね』
『ふふふ、楽しみです』
『沢山、食べるです』
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる