124 / 125
第五章 貯め活開始…
百五話
しおりを挟む
はぁ…
正兄が、言っていたことは本当だった…
開店準備は、いつもと同じ、いや、少し違った。店長の次男さんが帰省していて、長男の料理長さんと仕込みをしていて、ホールでは、次男さんの娘さんと、料理長の娘さんもお手伝いとして掃除をしていた。
それも、毎年恒例らしく、俺以外は再会を喜び、近況報告会が開かれていた。そして、いざ、開店となったら…
飲食店の列に並んだことはあるけど、店内はこんなスゴいことになっていたんだと、気づかされた。
店員みんなが、フル回転、気がつけば十五時過ぎてた。
つっ、疲れた~
とはいえ、ファラムに汚れを落ちやすくしてもらい、キルさんに食洗機から出てきた食器を少し早めに冷ましてもらったりしていたから、正兄にまたグチられるかなぁ…
でも、店では何気に誉められるんだよなぁ…
最後の洗い物を食洗機からだしながら、そんなことを考えていた。
「光輝くん、お疲れ様。お腹空いたでしょう。これ、持っていって」
そう言って、おかみさんが、袋を差し出してきた。中を見るとおやきが三つ入っていた。
「ありがとうございます。もう、必死だったから、そんなこと忘れてました」
「初めてだものね。でも、助かったわ。大抵、お盆の時は、途中二人がかりで洗い物するのに、光輝くん一人で間に合ったものねぇ。流石、正也くんの甥っ子ね」
「えっ?」
「正也くんが、入っていた時も、一人で間に合っていたから、助かったのよ」
「そうだったんですか?」
「ええ、この調子で、明日もよろしくね」
「はい」
ふー、三日、四日の短期とはいえ、これは、なかなか、大変だぞ。今日は、早く寝て、明日に備えよう。
夕飯どうしようかなぁ~
じいちゃんもばあちゃんも、お蕎麦好きだったから、蕎麦でいいか…とろろすって、…厚揚げのグラタンと、ほうれん草のごま和え、焼き鳥でいいかな。じいちゃん用に、焼酎も出しておう。そう考えて、キルさんに、一足先に帰ってもらい焼き鳥の準備をしてもらう。
で、家に着いたら直ぐに準備…というわけではなく、貰ったおやきとルルのクッキーでお茶をした。ルフナさんが、帰ってきてなかったので、ちょうど六人だったから、おやきを半分に分けあった。妖精達は、おやきが初めてだったけど、とても気に入り、今度作り方を教える約束をした。
(トルト王は、完全な肉食なので、野菜には見向きもしない…)
夕飯は、大体十九時位が多いけど、今日は、皆遅めの帰宅予定なので、二十時位を目処に準備を始める。
瑞樹のベランダ菜園から、ほうれん草を貰い、茹でて、ココにすって貰った黒ごまに砂糖とダシ醤油で味を整えたもので和えて完成。
厚揚げのグラタンは、一口大に切った厚揚げを耐熱皿に並べて、味噌マヨを塗って、ネギを散らしてオーブンへ、ちょっと焦げ目が付くまで焼く。これは、じいちゃんが一番好きだったおつまみだ。
焼き鳥はキルさんが、上手に焼いてくれてる。
後は、お蕎麦を茹でて、とろろをおろす。
蕎麦を茹で始めたところで、瑞樹達が帰ってきた。ざっと、ベランダ菜園を見て回り、直ぐに、シャワーを浴びにいった。
瑞樹が、シャワーの間に正兄が、帰ってきてテーブルの用意を手伝ってくれた。
「何気に、親父達の好きなものか」
「だって、迎え盆だし」
「だな、ルフナさん用に、そばがきも作るか」
そう言って、正兄が、そばがきを作り始めたら、アルフさんも、食べたいと正兄にお願いしてた。
「そういえば、その、そばがきって、バイトで習ったの?」
「気づいたか、そう、あそこで、食べたらメチャクチャ美味しく感じて、教えて貰ったんだ。練り方の違いで味が変わるなんて知らなかったから『そばがきって旨いもんじゃないな』なんて思っていたのに、衝撃的だったなアレは」
ふーん、だったら、今日は、喜んでくれるかなぁ…
「今日さぁ、帰りがけに蕎麦にしようって思いついたから、蕎麦つゆ分けてもらってきたんだよねぇ」
「えっ、マジか?」
「マジで、しかも、蕎麦湯のオマケ付き」
「でかした。あそこの蕎麦つゆ好きなんだよ」
「ウチのつゆと似てるって思ったけど、逆だったんだね」
「俺が気に入ったって話したら、親父達も食べに来て気に入って、真似したんだ。母さんかなり、試行錯誤してくれてさぁ、懐かしいなぁ」
「そうだったのね。母さん達が一時期、お蕎麦に凄いハマっていたけど、正也のせいだったのね」
「そう、あの時は参った。バイトでも、蕎麦で、家に帰っても蕎麦っていう日があって、流石に米食いたいって言ったら、自分でやれって言われてさぁ、帰ってから米研いで、炊いてたなぁ」
「えー、そんな事してたんだ」
「なに?なんのはなし?」
瑞樹が来たので、皆でテーブルを囲む…おっと、いつの間にか、ルフナさんも帰ってきていて、そばがきに飛び付いてた。
それから、正兄と母さんのじいちゃん達の思い出話を聞きながら夕飯を食べた。
正兄が、言っていたことは本当だった…
開店準備は、いつもと同じ、いや、少し違った。店長の次男さんが帰省していて、長男の料理長さんと仕込みをしていて、ホールでは、次男さんの娘さんと、料理長の娘さんもお手伝いとして掃除をしていた。
それも、毎年恒例らしく、俺以外は再会を喜び、近況報告会が開かれていた。そして、いざ、開店となったら…
飲食店の列に並んだことはあるけど、店内はこんなスゴいことになっていたんだと、気づかされた。
店員みんなが、フル回転、気がつけば十五時過ぎてた。
つっ、疲れた~
とはいえ、ファラムに汚れを落ちやすくしてもらい、キルさんに食洗機から出てきた食器を少し早めに冷ましてもらったりしていたから、正兄にまたグチられるかなぁ…
でも、店では何気に誉められるんだよなぁ…
最後の洗い物を食洗機からだしながら、そんなことを考えていた。
「光輝くん、お疲れ様。お腹空いたでしょう。これ、持っていって」
そう言って、おかみさんが、袋を差し出してきた。中を見るとおやきが三つ入っていた。
「ありがとうございます。もう、必死だったから、そんなこと忘れてました」
「初めてだものね。でも、助かったわ。大抵、お盆の時は、途中二人がかりで洗い物するのに、光輝くん一人で間に合ったものねぇ。流石、正也くんの甥っ子ね」
「えっ?」
「正也くんが、入っていた時も、一人で間に合っていたから、助かったのよ」
「そうだったんですか?」
「ええ、この調子で、明日もよろしくね」
「はい」
ふー、三日、四日の短期とはいえ、これは、なかなか、大変だぞ。今日は、早く寝て、明日に備えよう。
夕飯どうしようかなぁ~
じいちゃんもばあちゃんも、お蕎麦好きだったから、蕎麦でいいか…とろろすって、…厚揚げのグラタンと、ほうれん草のごま和え、焼き鳥でいいかな。じいちゃん用に、焼酎も出しておう。そう考えて、キルさんに、一足先に帰ってもらい焼き鳥の準備をしてもらう。
で、家に着いたら直ぐに準備…というわけではなく、貰ったおやきとルルのクッキーでお茶をした。ルフナさんが、帰ってきてなかったので、ちょうど六人だったから、おやきを半分に分けあった。妖精達は、おやきが初めてだったけど、とても気に入り、今度作り方を教える約束をした。
(トルト王は、完全な肉食なので、野菜には見向きもしない…)
夕飯は、大体十九時位が多いけど、今日は、皆遅めの帰宅予定なので、二十時位を目処に準備を始める。
瑞樹のベランダ菜園から、ほうれん草を貰い、茹でて、ココにすって貰った黒ごまに砂糖とダシ醤油で味を整えたもので和えて完成。
厚揚げのグラタンは、一口大に切った厚揚げを耐熱皿に並べて、味噌マヨを塗って、ネギを散らしてオーブンへ、ちょっと焦げ目が付くまで焼く。これは、じいちゃんが一番好きだったおつまみだ。
焼き鳥はキルさんが、上手に焼いてくれてる。
後は、お蕎麦を茹でて、とろろをおろす。
蕎麦を茹で始めたところで、瑞樹達が帰ってきた。ざっと、ベランダ菜園を見て回り、直ぐに、シャワーを浴びにいった。
瑞樹が、シャワーの間に正兄が、帰ってきてテーブルの用意を手伝ってくれた。
「何気に、親父達の好きなものか」
「だって、迎え盆だし」
「だな、ルフナさん用に、そばがきも作るか」
そう言って、正兄が、そばがきを作り始めたら、アルフさんも、食べたいと正兄にお願いしてた。
「そういえば、その、そばがきって、バイトで習ったの?」
「気づいたか、そう、あそこで、食べたらメチャクチャ美味しく感じて、教えて貰ったんだ。練り方の違いで味が変わるなんて知らなかったから『そばがきって旨いもんじゃないな』なんて思っていたのに、衝撃的だったなアレは」
ふーん、だったら、今日は、喜んでくれるかなぁ…
「今日さぁ、帰りがけに蕎麦にしようって思いついたから、蕎麦つゆ分けてもらってきたんだよねぇ」
「えっ、マジか?」
「マジで、しかも、蕎麦湯のオマケ付き」
「でかした。あそこの蕎麦つゆ好きなんだよ」
「ウチのつゆと似てるって思ったけど、逆だったんだね」
「俺が気に入ったって話したら、親父達も食べに来て気に入って、真似したんだ。母さんかなり、試行錯誤してくれてさぁ、懐かしいなぁ」
「そうだったのね。母さん達が一時期、お蕎麦に凄いハマっていたけど、正也のせいだったのね」
「そう、あの時は参った。バイトでも、蕎麦で、家に帰っても蕎麦っていう日があって、流石に米食いたいって言ったら、自分でやれって言われてさぁ、帰ってから米研いで、炊いてたなぁ」
「えー、そんな事してたんだ」
「なに?なんのはなし?」
瑞樹が来たので、皆でテーブルを囲む…おっと、いつの間にか、ルフナさんも帰ってきていて、そばがきに飛び付いてた。
それから、正兄と母さんのじいちゃん達の思い出話を聞きながら夕飯を食べた。
0
あなたにおすすめの小説
【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く
Bu-cha
恋愛
親同士の再婚予定により、社宅の隣の部屋でほぼ一緒に暮らしていた。
血が繋がっていないから、結婚出来る。
私はお兄ちゃんと妹で結婚がしたい。
お兄ちゃん、私を戴いて・・・?
※妹が暴走しておりますので、ラブシーン多めになりそうです。
苦手な方はご注意くださいませ。
関連物語
『可愛くて美味しい真理姉』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高13位
『拳に愛を込めて』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高29位
『秋の夜長に見る恋の夢』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高17位
『交際0日で結婚!指輪ゲットを目指しラスボスを攻略してゲームをクリア』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高13位
『幼馴染みの小太郎君が、今日も私の眼鏡を外す』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高8位
『女社長紅葉(32)の雷は稲妻を光らせる』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高 44位
『女神達が愛した弟』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高66位
『ムラムラムラムラモヤモヤモヤモヤ今日も秘書は止まらない』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高32位
私の物語は全てがシリーズになっておりますが、どれを先に読んでも楽しめるかと思います。
伏線のようなものを回収していく物語ばかりなので、途中まではよく分からない内容となっております。
物語が進むにつれてその意味が分かっていくかと思います。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる