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牧場見学
世界の成り立ち 1
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牧場見学の予約を入れた後、タリクさんが戻ってきて「ものすごく、気になりますが、ディルさんについては、詮索は控える事にします。ただし、リョウ君の事に関しては、国で把握する義務がありますので」と、俺達のこれからの予定を聞いてきた。
リョウの事が解決したばかりだから、まだ、決めていないと言ったら…「子供の教育は大事ですよ、手伝いますから」と計画をたてることになった。
「牧場見学まで、時間があるから、リョウの討伐冒険者の適正があるか、ギルドでみてもらって、技能試験のための準備ですかねぇ」
「適正がなかったらどうします?」
「それでも技能試験は受けさせて、冒険者の資格は持たせておいた方がいいかなぁって、思ってます。俺も、冒険者になったばかりで、Dランクまでには、時間が掛かりますし、その間に、住む場所や職を探せばいいと思うので」
「はい!適性って何?」
リョウが、元気に右手をあげて、話に割り込んできた。
「まずですね、討伐冒険者とは、この大陸以外の大陸に渡り冒険者活動する者の事を表します。つまり、この大陸から、出ても大丈夫かという適性です」
「えっと…よくわかりません…」
「街に来て、何か気づいた事はありませか?」
「うーん、何だろう?」
「お前が話してた異世界のマンガとか思い浮かべれば分かるんじゃないか」
「ええ?ホント?えーと…」
リョウは、眉間にシワを寄せ、腕組みまでして考えだした。
「技能試験の為の指導者や練習場は決まっていますか?」
「体術と弓、短剣は俺が教えようかと思ってます。あとは、リョウの適性と興味あるものは、ギルドで紹介してもらおうかと思ってました」
「魔術は?」
「魔術は、異世界知識で、とんでもないものをすでに作ってるから、自由にやらせても良いかと思ってます。様子を見て、危険であれば、止めますけどね」
「まぁ、そうですね。基礎は教えてありますから…うん、魔術は、心配ないですね」
リョウが、冒険者になりたいという事は、始めから公言していたので、それに関しては問題ないようだ。
「分かった!」
リョウが、どうやら答えをみつけたらしい。
「エルフだけで、他の種族がいないんだ」
「正解です。では、それはどうしてだと思います?」
「えーと、アレルギーを持っていて食べ物が合わないとか?」
「そうです。この世界の者は、自分の生まれた土地のモノはほとんど食べられますが、他に移り住むと極端に食べられるものが減ってしまいます。大陸内での移住であれば、対応出来ますが、他の大陸への移住は、希なケースです」
「そうなの?輸入とか出来ないの?」
「わざわざ輸入品を増やし、多種族を受け入れるメリットがありませんからね」
「それに、食べ物の事だけじゃないんだ。実は、この世界、その大陸毎に、酸素濃度や、魔力量、空気中に含まれる物質が違うんだ。それにより、違法な陸渡りをした者の中には、命を落とす者もいる」
「は?なにそれ、なんで、そんなことが?ここって、地球みたいに丸い星なんだよね?」
「それは、同じだ。ただ…」
俺は、この世界の成り立ちをリョウに、話し始める。
世界の始まりは、混沌としていた。そして、先ず、この世界を形作る神々が生まれ、次に、自然を司る神々が生まれた。そして、神々の中で争いが起き、自然を司る神々が勝利し『天上』に住むことを決め。敗北した神々を『地上』に突き落とした。落とされた神々は、再度力をつけ天上の神々に戦いを挑んだが、返り討ちされ、天上に呪詛を吐きながらその身を大地に変えた。
天上から見えるモノが変わらないことに飽きた神々は、変化をもたらせるものを造り出すことにした。先ずは、モノがよく見えるように、光の精霊を、次に、神以外のモノが生きられるように、空気の精霊を、そして、何もない大地を潤わせるための水の精霊を、さらに、色々なものを造り出すための地の精霊を誕生させた。だが、あまり変化は現れなかった。
何故だと苛立つ神々は形作る神々の呪いとし、ならば無に還そうとした。その時に、我々以外のモノには、眠りが必要で暗くしてやらねば大きくなれぬと進言したものがいた。
それを聞き入れ、神々は、闇の精霊を誕生させ、光の精霊と交代で『空』に住まわせた。
すると、大地に樹が生えだした。それを見た神々は、面白がり、他にも何かないかと、穴堀が得意な小人を造り地上に下ろした。しかし、小人が掘り出して来るものは見た目は綺麗だが、樹のようには育たなかった。
それならばと、神々は巨人を誕生させ、地形を変え、木を植え替えさせた。しかし、それにも飽きてしまい。後は、好きにさせることにした。
そして、月日が立ち、光の精霊と地上の精霊達との間に子が生まれ、エルフ族と名付けられた。ほぼ同時に闇の精霊と地上の精霊達との間も子が生まれ、肌の色が黒かったのでダークエルフ族と名付けられた。
「え?それって…」
リョウが交互に俺と、タリクさんをみる。
「今、地上にいる種族で最初に生まれたのは、俺達エルフだ」
リョウの事が解決したばかりだから、まだ、決めていないと言ったら…「子供の教育は大事ですよ、手伝いますから」と計画をたてることになった。
「牧場見学まで、時間があるから、リョウの討伐冒険者の適正があるか、ギルドでみてもらって、技能試験のための準備ですかねぇ」
「適正がなかったらどうします?」
「それでも技能試験は受けさせて、冒険者の資格は持たせておいた方がいいかなぁって、思ってます。俺も、冒険者になったばかりで、Dランクまでには、時間が掛かりますし、その間に、住む場所や職を探せばいいと思うので」
「はい!適性って何?」
リョウが、元気に右手をあげて、話に割り込んできた。
「まずですね、討伐冒険者とは、この大陸以外の大陸に渡り冒険者活動する者の事を表します。つまり、この大陸から、出ても大丈夫かという適性です」
「えっと…よくわかりません…」
「街に来て、何か気づいた事はありませか?」
「うーん、何だろう?」
「お前が話してた異世界のマンガとか思い浮かべれば分かるんじゃないか」
「ええ?ホント?えーと…」
リョウは、眉間にシワを寄せ、腕組みまでして考えだした。
「技能試験の為の指導者や練習場は決まっていますか?」
「体術と弓、短剣は俺が教えようかと思ってます。あとは、リョウの適性と興味あるものは、ギルドで紹介してもらおうかと思ってました」
「魔術は?」
「魔術は、異世界知識で、とんでもないものをすでに作ってるから、自由にやらせても良いかと思ってます。様子を見て、危険であれば、止めますけどね」
「まぁ、そうですね。基礎は教えてありますから…うん、魔術は、心配ないですね」
リョウが、冒険者になりたいという事は、始めから公言していたので、それに関しては問題ないようだ。
「分かった!」
リョウが、どうやら答えをみつけたらしい。
「エルフだけで、他の種族がいないんだ」
「正解です。では、それはどうしてだと思います?」
「えーと、アレルギーを持っていて食べ物が合わないとか?」
「そうです。この世界の者は、自分の生まれた土地のモノはほとんど食べられますが、他に移り住むと極端に食べられるものが減ってしまいます。大陸内での移住であれば、対応出来ますが、他の大陸への移住は、希なケースです」
「そうなの?輸入とか出来ないの?」
「わざわざ輸入品を増やし、多種族を受け入れるメリットがありませんからね」
「それに、食べ物の事だけじゃないんだ。実は、この世界、その大陸毎に、酸素濃度や、魔力量、空気中に含まれる物質が違うんだ。それにより、違法な陸渡りをした者の中には、命を落とす者もいる」
「は?なにそれ、なんで、そんなことが?ここって、地球みたいに丸い星なんだよね?」
「それは、同じだ。ただ…」
俺は、この世界の成り立ちをリョウに、話し始める。
世界の始まりは、混沌としていた。そして、先ず、この世界を形作る神々が生まれ、次に、自然を司る神々が生まれた。そして、神々の中で争いが起き、自然を司る神々が勝利し『天上』に住むことを決め。敗北した神々を『地上』に突き落とした。落とされた神々は、再度力をつけ天上の神々に戦いを挑んだが、返り討ちされ、天上に呪詛を吐きながらその身を大地に変えた。
天上から見えるモノが変わらないことに飽きた神々は、変化をもたらせるものを造り出すことにした。先ずは、モノがよく見えるように、光の精霊を、次に、神以外のモノが生きられるように、空気の精霊を、そして、何もない大地を潤わせるための水の精霊を、さらに、色々なものを造り出すための地の精霊を誕生させた。だが、あまり変化は現れなかった。
何故だと苛立つ神々は形作る神々の呪いとし、ならば無に還そうとした。その時に、我々以外のモノには、眠りが必要で暗くしてやらねば大きくなれぬと進言したものがいた。
それを聞き入れ、神々は、闇の精霊を誕生させ、光の精霊と交代で『空』に住まわせた。
すると、大地に樹が生えだした。それを見た神々は、面白がり、他にも何かないかと、穴堀が得意な小人を造り地上に下ろした。しかし、小人が掘り出して来るものは見た目は綺麗だが、樹のようには育たなかった。
それならばと、神々は巨人を誕生させ、地形を変え、木を植え替えさせた。しかし、それにも飽きてしまい。後は、好きにさせることにした。
そして、月日が立ち、光の精霊と地上の精霊達との間に子が生まれ、エルフ族と名付けられた。ほぼ同時に闇の精霊と地上の精霊達との間も子が生まれ、肌の色が黒かったのでダークエルフ族と名付けられた。
「え?それって…」
リョウが交互に俺と、タリクさんをみる。
「今、地上にいる種族で最初に生まれたのは、俺達エルフだ」
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