異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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牧場見学

世界の成り立ち 2

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「そっ、それで次は?」

「次は、光の精霊と闇の精霊との間に生まれた、膨大な魔力を持ち、生まれながらに魔術師の資格を持つ魔族」

「え?魔族って、悪魔じゃないの?」

「違うな。悪魔は『黄泉の国』の番人だ。この階層には、ほとんど来ることはない」

「階層?」

「ああ、現在、この世界は『天上』『空』『地上』『地下』そして『黄泉よみ』の五つの階層に、別れているんだ」

「五つ?まだ、『地下』が出てきてない、これからなんだね」

「そう…」

 エルフ族は自然を愛し、植物や精霊、小妖精と一緒に平和に暮らしていた。
 魔族は、研究家で、魔術の研究をし、平和に暮らしていた。
 その平和が壊されたのは、最初に下ろされた小人族と巨人族によってだった。神々に忘れ去られ、捨て置かれた者達は、形作る神々の呪詛を受けて変質し、傲慢、虚言、憤怒、怨恨、嫉妬、色情といったモノにのまれ、この地を暴れまわり、エルフ族や魔族を襲うようになった。
 我々の先祖達は精霊達と協力し、魔術で小人族と巨人族を『地下』に追い込んだ。そして、その時の魔族の長が、出てこれないように空間を隔て四階層を造り上げた。
 そして、二度とこのような事がないように、天上の神々が、形作る神々の魂を回収しようとしたのだが、最後の抵抗に合い、全てが砕け回収できない程粉々になり大地に降り撒かれてしまった。
 神々は慌て、水の精霊達に洗い流すように言い大雨を降らせたが、なかなか流すことはできず。七日目に、地上の者に影響が出ないまでに、薄まった時には、殆どの大地は水の中になっていた。
 こうして、地上に海と五つの大陸と無数の小島が出来た。
 その後、一番数の多かったエルフ族が、一番広い大陸に降り立ちエルフの国とし、次に広い大陸を魔の国として新たな生活がはじまった。
 
「これが、『始まりの物語』だ」

「神話だぁ、続きもあるの?」

「ああ、火山や湖、川や、山岳地帯何かが出来た理由が語られる『英雄伝説』に、各種族の始祖に関する『五大陸物語』、後は、各地に伝わる伝承だな」

「英雄伝説って、どんな英雄がいたの?」

「まぁ、それは、おいおいな」

「え~」

「まぁ、長くなりますからね。こういう物語は、時間のある時に、少しずつ、聞いていくのがいいんですよ」

「…はーい。で?その、始まりの物語と移住が少ないのと関係あるの?」

「そう、形作る神々の魂の影響で、重力にムラが出来てしまったんだ。それにより、大気圧の変化も著しく、かなりの地域差が出てしまったんだ」

「……えーと?」

「つまりですね。地域毎の環境が違うんですよ」

「ああ、地球にも、雨が降らずに砂漠が広がっていたり、場所によっては、ずっと、凍っていたりした所があったよ」

「そうです。そのように目に見える環境は勿論、空気中に含まれる物質や、酸素濃度、重力、地表温度、全てにおいて差が激しいのです」

「そ、そんなことがあるの?」

「ええ、ここは、そういう世界なのです。ですから、大陸毎、育つ植物は違いますし、生き物も環境に適したモノしかいませんし、魔力の質も違います」

「時折、野心的な指導者が現れ、他の大陸に攻めこむ部族もいたが、返り討ちというより、環境についていけず、結局、失敗した。だから、この世界では、大きな戦が起こらなくなった」

「はぁ、戦がないのはいいけど…気軽な旅行とか出来ないよね?」

「ああ、国内旅行なら、さほど問題はないが、国外は、厳しい検査や能力測定をし、国からの許可が必要だ」

「ひええ、だから、討伐冒険者なんて言い方で、区別してるんだ」

「そういうことだな」

「えーと、ディルは、その検査にも合格したってこと?」

 リョウ相手に、この世界の環境説明会の様になっていたのに、この一言で、タリクさんの興味が、また俺に向いてしまった。

「まっ、まぁな、じゃなきゃ、討伐冒険者って言えないだろ」

「ディ、ディルさん!鑑定させてもらえませんか?」

「あ、いや、たぶん無理です。ユピロー様の加護持ちは、同じくユピロー様の加護持ちでしか、鑑定出来ません」

「じゃぁ、リョウ君の二回目の鑑定が出来なかったのは…」

「おそらく、ユピロー様のせいですね。探索魔法取得にも、手を加えてそうです」

「ああ…」

 すっかりへこんでしまったタリクさんを慰めて、皆でお昼ご飯を食べに行くことになった。




 
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