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牧場見学
クラリー
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昨日、タリクさんから、お願いされた事を受けるかどうか決めるために、指定された場所へと向かう。
タリクさんの話を聞いてから、リョウは「何とかしてあげて、自分も手伝うから」と、度々、口にしてる。
お前だって、家族と離れ、異世界に来たばかりなのに…
「おはようございます。今日は、よろしくお願いします」
指定された建物の入り口で待っていたタリクさんに、挨拶をする。
シーズの東南の外れにある修行場、モン族で所有しているそうだ。
「おはようございます。こちらこそ、お世話になります」
タリクさんは、そう言ってから、少し屈み、「娘のクラリーです」と、足にしがみついている女の子を前に押し出した。
母親譲りの茶色い髪を赤いリボンでポニーテールにし、恥ずかしそうに、自己紹介をしたクラリーちゃんだけど…?少し、視線がおかしい…少し屈んで、こちらも、自己紹介をした。
クラリーちゃんの瞳は、綺麗な薄紫で、クリクリとした丸い目はとても可愛いが、どうやら焦点があっていないような、おかしな感じがする。
「気がつきましたか、クラリーは、弱視なんです。モノの形がぼんやりとわかる程度です」
「これも、モンディールが原因ですか?」
「いえ、これは生まれつきです。妻の家系で時々いるそうです。モンディール様のお陰で、視界に頼らず生活できるようになったのは、良かったのですが…あっ、ここで、立ち話より、中に入りましょう」
タリクさんに促され、中に入ると、二十五坪程の広い空間で、床はなく、綺麗に固められた土間になっていた。天井もかなり高い作りになっている。そして、壁や天井に使われているのは、サラマンダーの皮で、それだけで、耐火に優れているのに、更に、熱変動耐性?耐火?…両方かな?そんな印まで、刻まれている。
「さすが、火炎系の魔法や精霊魔法を得意としているモン族の修行場ですね。サラマンダーですか」
外壁も、燃えにくい鋼の木で、更に、デザトフロークから採れる油を塗り、耐火率を上げているようだった。
「!、ディルさん、分かるのですか?」
「えっ?ええ、親父が皮職人ですから、一通り仕込まれました」
「ああ、しかし、見ただけでなんて、凄いですね。鑑定魔法持ってるんじゃないですか?」
「いえ、ないですよ。あったら、リョウを見つけた時点で、鑑定してますって」
「確かにそうですね。この建物は、この子の為に、里の者が力を合わせて、建ててくれたのです」
「クラリーちゃんのため?」
「はい、先程少し話しましたが、モンディール様の加護を受け、身体強化、気配察知、熱変動耐性、魔力感知を授かり、目が不自由でも、あまり不便を感じない生活が出来るようになったのですが…」
「昨日、話していた魔力操作が不安定で、制御しきれない事で、回りに被害が出るのですね?」
「そうなんです」
十年前、ここには二十人程が集まれる小屋が建ち、回りは、子供達が遊べるように、遊具や、広場になっていたそうだ。それが、部族で行う祭りの打ち合わせで集まった時に、突然火の手が上がり、建物は燃えてしまったのだという。
しかも、その火は、人に被害を出さずに、建物を燃やしただけですぐ消えて、皆、唖然としてしまった。
建物の中にいた人達は訳がわからず。外で遊ばせていた子供達に話を聞き、どうやら、クラリーちゃんのスキルのようだと言う話になり、タリクさん夫婦は、クラリーちゃんに、話を聞いたのだが、本人にも分からないというので、何か手がかりを見つけようとして、外で遊んでいた事を再現したところ…
「どうやら、感情によって、引き起こされるらしいのです。特に、体を動かすことが好きなので、そういった遊びなんかをしていて、楽しいと感じるとクラリーの意思は関係なく火炎が広がってしまうんです」
「はぁ?あのおっさんは、なにやっているんですか?そんなの、加護じゃないでしょ?」
「えっ、ええ?ディ、ディルさん、モンディール様を、おっさん呼びですか?」
モンディールは、はじまりの物語で、闇の精が生み出された時に、闇を照らすモノとして一緒に生み出された火の精だ。元々、地上に住む者達を気に入っていて、長い年月を経て、神格まで上り詰めたのに、天上には行かず、地上に残り、一応、土地神として奉られている。
モンディール山の名前は、この火の大精霊モンディールの棲みかの山という意味だ。
この話をした時に、リョウは「火の精霊は、イフリートじゃないの?」と、聞いてきた。
この世界では、イフリートは、火の精霊が人形をとった時の呼び方で、精霊の名前ではないと教えた。
すると今度は、モンディールは、どんな姿なのか聞いてきたので、膨大な魔力を保有している者に適した形態(本人談)である。ドラゴンの形を模してると教えてやると「神の次は、ドラゴン、来たぁ~」と、喜んだので、今回も取り敢えず、頭を撫でておいた。
タリクさんの話を聞いてから、リョウは「何とかしてあげて、自分も手伝うから」と、度々、口にしてる。
お前だって、家族と離れ、異世界に来たばかりなのに…
「おはようございます。今日は、よろしくお願いします」
指定された建物の入り口で待っていたタリクさんに、挨拶をする。
シーズの東南の外れにある修行場、モン族で所有しているそうだ。
「おはようございます。こちらこそ、お世話になります」
タリクさんは、そう言ってから、少し屈み、「娘のクラリーです」と、足にしがみついている女の子を前に押し出した。
母親譲りの茶色い髪を赤いリボンでポニーテールにし、恥ずかしそうに、自己紹介をしたクラリーちゃんだけど…?少し、視線がおかしい…少し屈んで、こちらも、自己紹介をした。
クラリーちゃんの瞳は、綺麗な薄紫で、クリクリとした丸い目はとても可愛いが、どうやら焦点があっていないような、おかしな感じがする。
「気がつきましたか、クラリーは、弱視なんです。モノの形がぼんやりとわかる程度です」
「これも、モンディールが原因ですか?」
「いえ、これは生まれつきです。妻の家系で時々いるそうです。モンディール様のお陰で、視界に頼らず生活できるようになったのは、良かったのですが…あっ、ここで、立ち話より、中に入りましょう」
タリクさんに促され、中に入ると、二十五坪程の広い空間で、床はなく、綺麗に固められた土間になっていた。天井もかなり高い作りになっている。そして、壁や天井に使われているのは、サラマンダーの皮で、それだけで、耐火に優れているのに、更に、熱変動耐性?耐火?…両方かな?そんな印まで、刻まれている。
「さすが、火炎系の魔法や精霊魔法を得意としているモン族の修行場ですね。サラマンダーですか」
外壁も、燃えにくい鋼の木で、更に、デザトフロークから採れる油を塗り、耐火率を上げているようだった。
「!、ディルさん、分かるのですか?」
「えっ?ええ、親父が皮職人ですから、一通り仕込まれました」
「ああ、しかし、見ただけでなんて、凄いですね。鑑定魔法持ってるんじゃないですか?」
「いえ、ないですよ。あったら、リョウを見つけた時点で、鑑定してますって」
「確かにそうですね。この建物は、この子の為に、里の者が力を合わせて、建ててくれたのです」
「クラリーちゃんのため?」
「はい、先程少し話しましたが、モンディール様の加護を受け、身体強化、気配察知、熱変動耐性、魔力感知を授かり、目が不自由でも、あまり不便を感じない生活が出来るようになったのですが…」
「昨日、話していた魔力操作が不安定で、制御しきれない事で、回りに被害が出るのですね?」
「そうなんです」
十年前、ここには二十人程が集まれる小屋が建ち、回りは、子供達が遊べるように、遊具や、広場になっていたそうだ。それが、部族で行う祭りの打ち合わせで集まった時に、突然火の手が上がり、建物は燃えてしまったのだという。
しかも、その火は、人に被害を出さずに、建物を燃やしただけですぐ消えて、皆、唖然としてしまった。
建物の中にいた人達は訳がわからず。外で遊ばせていた子供達に話を聞き、どうやら、クラリーちゃんのスキルのようだと言う話になり、タリクさん夫婦は、クラリーちゃんに、話を聞いたのだが、本人にも分からないというので、何か手がかりを見つけようとして、外で遊んでいた事を再現したところ…
「どうやら、感情によって、引き起こされるらしいのです。特に、体を動かすことが好きなので、そういった遊びなんかをしていて、楽しいと感じるとクラリーの意思は関係なく火炎が広がってしまうんです」
「はぁ?あのおっさんは、なにやっているんですか?そんなの、加護じゃないでしょ?」
「えっ、ええ?ディ、ディルさん、モンディール様を、おっさん呼びですか?」
モンディールは、はじまりの物語で、闇の精が生み出された時に、闇を照らすモノとして一緒に生み出された火の精だ。元々、地上に住む者達を気に入っていて、長い年月を経て、神格まで上り詰めたのに、天上には行かず、地上に残り、一応、土地神として奉られている。
モンディール山の名前は、この火の大精霊モンディールの棲みかの山という意味だ。
この話をした時に、リョウは「火の精霊は、イフリートじゃないの?」と、聞いてきた。
この世界では、イフリートは、火の精霊が人形をとった時の呼び方で、精霊の名前ではないと教えた。
すると今度は、モンディールは、どんな姿なのか聞いてきたので、膨大な魔力を保有している者に適した形態(本人談)である。ドラゴンの形を模してると教えてやると「神の次は、ドラゴン、来たぁ~」と、喜んだので、今回も取り敢えず、頭を撫でておいた。
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