異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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牧場見学

ディルとモンディール

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「えーと」

 思わず、声に出しておっさんと、やり取りしてしまった…さて、どうしようか…

「あっ、モンディールの魔力のせいで、クラリーちゃんは、狂戦士の職種がついてましたよ」

「え?成人してないのに、職種?しかも、狂戦士って…」

「さ・ら・に、モンディールのせいで、火炎魔法は、攻撃特化らしいです」

 俺は、わざと声を張り上げ、モンディールおっさんの悪影響を、タリクさん達に教える。

「だぁー、お主、何を考えておる。そこは、ワシが苦労して秘匿にしておったのに、バラして、どうする!」

「はい、こちらが、元凶のモンディールです。リョウの鑑定に割り込んで、好き勝手言ってました」

 突然、目の前に、モンディールおっさん人形ひとがたで現れ俺の胸ぐらを掴んで、俺の言ったことを、肯定してくれたので、そのまま俺は、皆に、モンディールを紹介した。

 人形のモンディールは、赤に黒と金が混じっている長い髪をポニーテールし、ダークエルフのように小麦色の肌、背は高く、整った顔立ちで、金色の瞳。外見だけなら、タリクさんや、リッジと同年代に見える。
 ただし、俺達エルフと大きく違うのは、牙だ。犬や猫のように長く鋭い犬歯がある。

「あれ?ドラゴンじゃないの?」

「ふむ、これは分身体でな、ドラゴンモードでは魔力量が多すぎて、人里では不向きなのだ」

「そうなんだ。じゃぁ、今の状態がイフリートっていうの?」

「ほう、異世界人なのに、よく知っておるなぁ。今は、火の精霊の人形モードイフリートだ」

「おおー」

 リョウは、目をキラキラさせながら、モンディールと話をしている。

 うん、リョウは平常運転だ。
 
 タリクさんは、フリーズ状態。

 クラリーちゃんは、流石、加護持ちというか…モンディールに抱っこをせがんでいる。

 モンディールに抱っこされ、ご機嫌なクラリーちゃんを見て、タリクさんが、慌てだした。

「ク、クラリー…モンディール様になんて事を、もっ、申し訳ありません。モンディール様」

「よいよい。この子は、バーン達と一緒にワシの所によく来ておったのだ。バーン達が仕事をしておる間、ワシが面倒見ておったのだ」

「え?」

「ふむ、聞いておらぬのか?」

 十二年前まで、目が不自由で、どうしても他の子より手のかかるクラリーちゃんは、両親と離れ、カトリーナさんの、実家で面倒を見てもらっていたそうだ。
 そして、バーンさんとは、クラリーちゃんの曾祖父で、モン族の炭焼き職人の統領で、モンディールおっさんの飲み友らしい。そして、預けられた可愛い曾孫を自慢しに来たので、自分が申し出て、子守りをしたそうだ。

「ちょっと待て、俺の時のような事はしてないだろうな」

「するわけなかろう。女の子のだぞ。それに見よ。両親の美貌を受け継ぎ、可愛らしいではないか」

「悪かったな、カワイクなくて」

「いやいや、お前も可愛かったぞ。ただ、お前の時は、ユピロー様に鍛えてくれと言われたのでな…あっ…」

「はぁ?俺は人手が足りなかったから、おっさんに預けられたって、聞いていたけど?」

「う、うん、まぁ、そうだ。そのついでに、強い子になるよう、鍛えてくれと言われてな」

 なっ、なにぃ~?じゃぁ…

「幼少期に、おっさんの元に預けられ、滝壺に落とされたり、火口の淵を歩かされたり『空』まで投げ上げられたのは、爺さんのせいなのか?」

「ええー?ディ、ディルさん、そんな事、されてたんですか?それに、爺さんって…もしかして…」

「ユピロー様は、可愛い孫が心配で丈夫に育てたかったのだ」

「何が、丈夫にだ。限度ってもんがあるだろう。俺は、何度死にかけたことか…」

 今、思い出しても辛い日々だった。
 綺麗で、優しい姉達と突然離され、モンディール山での修行の日々、最後に反撃が通った時には、少しスカッとしたが…

「強くなったであろう?」

「ふん、まだおっさんは、倒せないけどな」

「カッカッカッ、まだ、そんなことを言うか?お主は、成人したばかりではないか、ワシらから見たら、まだまだ殻のついたヒヨコ。そんな、ヒヨコがヒヨコを育てるのだから、天上の神々は、皆、興味津々だ」

「なんだよ。そのヒヨコに頼み事したくせに、良いのか?俺が受けなくても?」

「あっ、い、いや、コホン。立派に成人したではないか、この子の成長を阻害する魔力を押さえ込むため、魔力操作を得られるよう指導してやってくれ。頼む」

 え?おっさんが頭を下げた…ちょっと待てよ。大精霊であるモンディールおっさんでも、手を焼く案件を、俺が?
 天上の神々は?



 
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