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牧場見学
牧場見学
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引き車には、馭者台がなくセルバンさんは、ウプアートに乗り、後ろの俺達に牧場の説明をしながら、まずは、山羊がいる柵へ。
「この子達は、リノーシェと言って、二百七十年前に、ここの牧場で生まれた品種です。光沢があり、上流階級の方々に人気の毛が採れるのです」
「お?ほわほわしてるけど、サラサラ」
「ん、サラサラ、きもちいい」
「あ、クラリーちゃん、いいな、僕も」
子は元気が良くて、走り回ったり、岩場で跳び跳ねたりするのを見るだけ。一年過ぎた辺りから、あまり走り回らず、のんびりとした動作になるので、親の方を、触っても良いよと言われ、大きな二本の角を気にしながら、リョウが、クラリーちゃんを連れて、山羊に近寄り、手を伸ばした。
リョウの感想を聞いたクラリーちゃんは、パフンと山羊に抱きついて、気持ち良さそうに頬擦りする。リョウもそれを真似、山羊に抱きついた。
山羊は、人に慣れてるようで、抱きつかれてもお構いなしに、モグモグと草を食べている。
次に向かったのは、かなりの存在感がある羊の柵。
二メートルの巨体が、真っ白で柔らかそうな毛でおおわれている。山羊と違い足が短いし、顔も身体のわりには小さいので、どうしても巨大な綿花が転がっているように見えてしまう。
従業員が数人で大きな踏み台を運んで来てくれて、リョウとクラリーちゃんを、羊の上に上げてくれた。
二人は動物に乗るというより、絨毯にでも寝転がるようにして、羊の上で、はしゃいでる。
「父様、ココより、ふわふわで、温かい」
クラリーちゃんが、手を振りながら報告してくれる。
セルバンさんは、俺達にも乗ってみて下さい。と進めてくれたけど、子供二人と大人二人ではキツいのでは?と思ったが、平気ですよ。と笑っていたので、タリクさんと上に…
「おお、凄いな、本当にふわふわで、キレイだなぁ。しかも、見晴らしもいいし」
「本当ですね。風が気持ちいいです」
「でしょう。時々、上でお昼寝するのが、従業員の楽しみになっているんですよ」
踏み台を登ってきたセルバンさんが、そう言って、一番上の段に腰かけて、牧場の周りの説明をしてくれる。しかも、俺の冒険者証を見たせいか、薬草や野性動物の住みかの情報も時おり交ぜながら、面白おかしく語ってくれたので、小一時間程で、この辺りの地理にかなり詳しくなった。
その間、羊はほとんど動かず、五、六歩、歩いただけで、草を食べていた。セルバンさんの乗った台車は車輪が付いていて、羊が動いた事に気づいた従業員の人が、移動させてくれていた。
次は、建物が並ぶ一画に、戻って、山羊の乳絞り。
タリクさんと、クラリーちゃんは、アレルギーがありダメかと思ったが、ちゃんと、そういう人向けの防具があり、体験出来るようになっていた。
しかも、モン族で飼っている牛の乳絞りをしたことがあるというので、クラリーちゃんが、一番上手だった。
続いて、チーズとバター作り体験。
これはタリクさんと、クラリーちゃんは、諦めて、リョウと俺だけがするという感じで決まっていたのだが、なんと、タリクさん親子の事は、昨晩連絡したのに、特別室に、モン族から取り寄せた牛乳が用意されていた。
わざわざ?と思っていたら、ここで、飼われている動物以外の乳製品の研究もしていて、普段から、用意されているのだという。そして、作業所も、きちんと別れているのだという。
「凄いですねぇ」
タリクさんが、呟いていたけど、本当にそう思う。
一緒にと言われたけど、串焼きパーティーの時に食べたチーズの作り方を知りたい俺達は、その事を告げ、一旦、別れる事にした。
「そうか、あれは熟成タイプのなんですね」
「ええ、最低でも1ヶ月は寝かせないといけないんです」
「じゃぁ、シーズに来た時の、楽しみとしますね」
「ふふ、そうしてください。でも、これから作るのは、手軽ですので、お昼、楽しみにしていて下さい」
パーティーの時に食べたのは熟成しないといけないもので、作るのにも修行が必要ということだった…
そこで、直ぐに出来るというチーズを、作った。
「これがホントにチーズなの?」
作り方を聞いたリョウが「えっ、それでチーズ出来るの?」と、驚いて半信半疑で作ったモノを見て、そんな風に呟いている。
「そういう時は、鑑定してみれば良いだろ」
「あっ、そっか!」
フレッシュチーズ
…製作者 リョウ タテマツ
リョウが、初めて作った山羊のフレッシュチーズ (カード)
山羊の乳にレモン汁を入れて固めたもの。
そのままでも美味しいですが、ピザやフリッターにしても美味しく食べられます。
ディルへ
リョウに、あなたの作ったものと交換しようと、提案されても、交換してはダメですよ。
上手く誤魔化しなさい。
鑑定にも、手を加えてあります。
『……タルティーヌだな』
因みに、あなたのチーズは、タリク親子が食べれますからね。
『はぁ?どういう事だ?』
バターもよ。ちゃんと守りなさい。じゃぁね。
『…ちっ、逃げたな』
「ディルぅ、誰と話してたの…」
リョウが、チーズの説明よりも、長く延びた空白部分を指差して、口を尖らせ、こちらをジト目でみている。
誤魔化せと言われても…
「この子達は、リノーシェと言って、二百七十年前に、ここの牧場で生まれた品種です。光沢があり、上流階級の方々に人気の毛が採れるのです」
「お?ほわほわしてるけど、サラサラ」
「ん、サラサラ、きもちいい」
「あ、クラリーちゃん、いいな、僕も」
子は元気が良くて、走り回ったり、岩場で跳び跳ねたりするのを見るだけ。一年過ぎた辺りから、あまり走り回らず、のんびりとした動作になるので、親の方を、触っても良いよと言われ、大きな二本の角を気にしながら、リョウが、クラリーちゃんを連れて、山羊に近寄り、手を伸ばした。
リョウの感想を聞いたクラリーちゃんは、パフンと山羊に抱きついて、気持ち良さそうに頬擦りする。リョウもそれを真似、山羊に抱きついた。
山羊は、人に慣れてるようで、抱きつかれてもお構いなしに、モグモグと草を食べている。
次に向かったのは、かなりの存在感がある羊の柵。
二メートルの巨体が、真っ白で柔らかそうな毛でおおわれている。山羊と違い足が短いし、顔も身体のわりには小さいので、どうしても巨大な綿花が転がっているように見えてしまう。
従業員が数人で大きな踏み台を運んで来てくれて、リョウとクラリーちゃんを、羊の上に上げてくれた。
二人は動物に乗るというより、絨毯にでも寝転がるようにして、羊の上で、はしゃいでる。
「父様、ココより、ふわふわで、温かい」
クラリーちゃんが、手を振りながら報告してくれる。
セルバンさんは、俺達にも乗ってみて下さい。と進めてくれたけど、子供二人と大人二人ではキツいのでは?と思ったが、平気ですよ。と笑っていたので、タリクさんと上に…
「おお、凄いな、本当にふわふわで、キレイだなぁ。しかも、見晴らしもいいし」
「本当ですね。風が気持ちいいです」
「でしょう。時々、上でお昼寝するのが、従業員の楽しみになっているんですよ」
踏み台を登ってきたセルバンさんが、そう言って、一番上の段に腰かけて、牧場の周りの説明をしてくれる。しかも、俺の冒険者証を見たせいか、薬草や野性動物の住みかの情報も時おり交ぜながら、面白おかしく語ってくれたので、小一時間程で、この辺りの地理にかなり詳しくなった。
その間、羊はほとんど動かず、五、六歩、歩いただけで、草を食べていた。セルバンさんの乗った台車は車輪が付いていて、羊が動いた事に気づいた従業員の人が、移動させてくれていた。
次は、建物が並ぶ一画に、戻って、山羊の乳絞り。
タリクさんと、クラリーちゃんは、アレルギーがありダメかと思ったが、ちゃんと、そういう人向けの防具があり、体験出来るようになっていた。
しかも、モン族で飼っている牛の乳絞りをしたことがあるというので、クラリーちゃんが、一番上手だった。
続いて、チーズとバター作り体験。
これはタリクさんと、クラリーちゃんは、諦めて、リョウと俺だけがするという感じで決まっていたのだが、なんと、タリクさん親子の事は、昨晩連絡したのに、特別室に、モン族から取り寄せた牛乳が用意されていた。
わざわざ?と思っていたら、ここで、飼われている動物以外の乳製品の研究もしていて、普段から、用意されているのだという。そして、作業所も、きちんと別れているのだという。
「凄いですねぇ」
タリクさんが、呟いていたけど、本当にそう思う。
一緒にと言われたけど、串焼きパーティーの時に食べたチーズの作り方を知りたい俺達は、その事を告げ、一旦、別れる事にした。
「そうか、あれは熟成タイプのなんですね」
「ええ、最低でも1ヶ月は寝かせないといけないんです」
「じゃぁ、シーズに来た時の、楽しみとしますね」
「ふふ、そうしてください。でも、これから作るのは、手軽ですので、お昼、楽しみにしていて下さい」
パーティーの時に食べたのは熟成しないといけないもので、作るのにも修行が必要ということだった…
そこで、直ぐに出来るというチーズを、作った。
「これがホントにチーズなの?」
作り方を聞いたリョウが「えっ、それでチーズ出来るの?」と、驚いて半信半疑で作ったモノを見て、そんな風に呟いている。
「そういう時は、鑑定してみれば良いだろ」
「あっ、そっか!」
フレッシュチーズ
…製作者 リョウ タテマツ
リョウが、初めて作った山羊のフレッシュチーズ (カード)
山羊の乳にレモン汁を入れて固めたもの。
そのままでも美味しいですが、ピザやフリッターにしても美味しく食べられます。
ディルへ
リョウに、あなたの作ったものと交換しようと、提案されても、交換してはダメですよ。
上手く誤魔化しなさい。
鑑定にも、手を加えてあります。
『……タルティーヌだな』
因みに、あなたのチーズは、タリク親子が食べれますからね。
『はぁ?どういう事だ?』
バターもよ。ちゃんと守りなさい。じゃぁね。
『…ちっ、逃げたな』
「ディルぅ、誰と話してたの…」
リョウが、チーズの説明よりも、長く延びた空白部分を指差して、口を尖らせ、こちらをジト目でみている。
誤魔化せと言われても…
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