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冒険者
ふわふわパンケーキ
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二人を連れて役所に行くと、メリロットが凄い勢いで近づいて来た。
驚いてしまったせいか、ミンテが低く唸っている。
「あっ、ごめんなさい。この子がウプアートね」
「ああ、おはよう。証明書見たんだね」
「あっ、おはよう。リョウ君もおはよう。ごめんね。驚かせてしまったみたいね」
「おはよう。ちょっとだけだから、いいよ。それより、どうしたの?ミンテに何か問題あるの?」
リョウの質問に、困ったようにため息をついてから、メリロットは、俺たちを、いつもの個室に案内した。
「あなた達、昨日、リノ牧場で何したのよ」
「「ん?」」
俺とリョウは、そろって、首をかしげる。
「ウプアートについてもだけど、タリクが朝イチで、ディルに婚約者がいるか聞いてきたわよ。それで、クラリーちゃんを婚約者にして、パーティーメンバーに加えてもらえるか、確認したいそうよ。それから、商業ギルドから、リョウ君の名で、レシピ登録したいと連絡があったから、リョウ君にギルド登録してほしいそうだし、何より、リノ牧場が、セルヴァンの加護持ちということを公にして、商品登録してきたわよ!下の市場は、大混乱よ。どうしてくれるのよ!」
一気に捲し立てたメリロットに、俺とリョウは、目が点に…えーと、どういうこと?
「ごめん、メリロット、一つずつお願い」
リョウも隣で、コクコク頷いている。
メリロットは、大きなため息をついた。
「クラリーちゃんの件は、タリクから、聞いてね。じゃぁ、まず、リョウ君の商業ギルド登録の件ね。昨日、リノ牧場で、リョウ君が、新しいパンケーキを考案したそうじゃない?それと、それを使った新しい食べ方も、それを、全てリョウ君の名で、レシピ登録したいそうよ」
「はぅ?」
思わずといった感じで、リョウが変な声をだした。
「レシピ登録って、僕、ニホンで食べたことのあるパンケーキを、教えただけだよ。生クリームやアイスのせたり。甘くないのを作って、パン代わりにするってだけで、それだけで、登録?えー?」
「パンケーキに、生クリームやアイスね。かなり贅沢なトッピングなのね。それに、お菓子を、パン代わり?食事になるの?クレープみたいになるのかしら?食べてみたいわね。そんなに変わっているなら、レシピ登録するのに十分だと思うけど?何が問題なの?」
「えーと、そうなの?」
「そうよ。異世界で料理人だった人達は、次々に、レシピ登録して、収入を得てるわよ。早い者勝ちだから、似たような物は審査が入るけど、それぞれが、それなりに稼いで、こちらの世界でもお店を出しているわよ」
「そうなんだ…それで、今回の食べ方のレシピは、まだなかったんだね」
「そうなのよ。だから、商業ギルドに行って、登録してきてちょうだい。その間に、従魔登録書と登録証明札を用意しておくし、タリクも落ち着かせておくわ…あと、リノ牧場の事も、詳しく知りたいから、よろしくね」
と、笑顔で商業ギルドに追いたてられた…
「メ、メリロットさんの、笑顔が怖かった…」
リョウの呟きに、ミンテが同意するように、腕の中で、コクコク頷いている…
ごめんミンテ、可愛すぎる…
冒険者ギルドの上にある商業ギルドに行くと、待ってましたとばかりに、書類の束を持って、職員さんが対応してくれた。
リョウと二人驚いたのは、リョウの曖昧な記憶から、リノ牧場が、再現した物を既に届けていた。(さすがに、アイスは図面での説明だったけど)
「ふわぁー、もう、出来てる」
「これが、昨日言っていた物か、本当に、ふわふわで、美味しそうだな」
「はい!それはもう。この街に新たな名物が登場しますよ。牧畜が盛んなこの街に、ピッタリですからね。ありがとうございます」
もう、職員さんが、テンション高く、リョウの手を両手で掴んでお礼をいっている。
リョウは戸惑い、顔がひきつったまま、職員さんに、したがって書類を書いた。
☆ふわふわパンケーキ☆
卵白を泡立てたものを、生地に混ぜ、ふんわり仕上げたパンケーキ。
☆食事用パンケーキ☆ふわふわパンケーキ使用
甘みを入れずに作ったふわふわパンケーキに、ハムやチーズをトッピング。
☆贅沢パンケーキ☆
パンケーキ(全種類OK)に、生クリームやアイス、フルーツを贅沢に使いトッピングしたもの。
というのが、リョウの名前で登録された。
今まであったパンケーキでも、甘くないのがあって、食事として食べている地域があり、メリロットが驚いた程、珍しいものではないそうだ。(俺も、知らなかったけど…)なので、ふわふわパンケーキ限定で登録しておけば、リョウの収入アップになると言われたので「ちょっと、ズルいかなぁ」と呟きつつ、リョウが登録していた。
登録の後「この世界に来てから、まだ、食べてないのですよねぇ?」と、リョウと俺に、パンケーキの試食をさせてくれた。
俺は、ミンテと分けあって食べたのだが、本当に、ふわふわで美味しいパンケーキだった。
驚いてしまったせいか、ミンテが低く唸っている。
「あっ、ごめんなさい。この子がウプアートね」
「ああ、おはよう。証明書見たんだね」
「あっ、おはよう。リョウ君もおはよう。ごめんね。驚かせてしまったみたいね」
「おはよう。ちょっとだけだから、いいよ。それより、どうしたの?ミンテに何か問題あるの?」
リョウの質問に、困ったようにため息をついてから、メリロットは、俺たちを、いつもの個室に案内した。
「あなた達、昨日、リノ牧場で何したのよ」
「「ん?」」
俺とリョウは、そろって、首をかしげる。
「ウプアートについてもだけど、タリクが朝イチで、ディルに婚約者がいるか聞いてきたわよ。それで、クラリーちゃんを婚約者にして、パーティーメンバーに加えてもらえるか、確認したいそうよ。それから、商業ギルドから、リョウ君の名で、レシピ登録したいと連絡があったから、リョウ君にギルド登録してほしいそうだし、何より、リノ牧場が、セルヴァンの加護持ちということを公にして、商品登録してきたわよ!下の市場は、大混乱よ。どうしてくれるのよ!」
一気に捲し立てたメリロットに、俺とリョウは、目が点に…えーと、どういうこと?
「ごめん、メリロット、一つずつお願い」
リョウも隣で、コクコク頷いている。
メリロットは、大きなため息をついた。
「クラリーちゃんの件は、タリクから、聞いてね。じゃぁ、まず、リョウ君の商業ギルド登録の件ね。昨日、リノ牧場で、リョウ君が、新しいパンケーキを考案したそうじゃない?それと、それを使った新しい食べ方も、それを、全てリョウ君の名で、レシピ登録したいそうよ」
「はぅ?」
思わずといった感じで、リョウが変な声をだした。
「レシピ登録って、僕、ニホンで食べたことのあるパンケーキを、教えただけだよ。生クリームやアイスのせたり。甘くないのを作って、パン代わりにするってだけで、それだけで、登録?えー?」
「パンケーキに、生クリームやアイスね。かなり贅沢なトッピングなのね。それに、お菓子を、パン代わり?食事になるの?クレープみたいになるのかしら?食べてみたいわね。そんなに変わっているなら、レシピ登録するのに十分だと思うけど?何が問題なの?」
「えーと、そうなの?」
「そうよ。異世界で料理人だった人達は、次々に、レシピ登録して、収入を得てるわよ。早い者勝ちだから、似たような物は審査が入るけど、それぞれが、それなりに稼いで、こちらの世界でもお店を出しているわよ」
「そうなんだ…それで、今回の食べ方のレシピは、まだなかったんだね」
「そうなのよ。だから、商業ギルドに行って、登録してきてちょうだい。その間に、従魔登録書と登録証明札を用意しておくし、タリクも落ち着かせておくわ…あと、リノ牧場の事も、詳しく知りたいから、よろしくね」
と、笑顔で商業ギルドに追いたてられた…
「メ、メリロットさんの、笑顔が怖かった…」
リョウの呟きに、ミンテが同意するように、腕の中で、コクコク頷いている…
ごめんミンテ、可愛すぎる…
冒険者ギルドの上にある商業ギルドに行くと、待ってましたとばかりに、書類の束を持って、職員さんが対応してくれた。
リョウと二人驚いたのは、リョウの曖昧な記憶から、リノ牧場が、再現した物を既に届けていた。(さすがに、アイスは図面での説明だったけど)
「ふわぁー、もう、出来てる」
「これが、昨日言っていた物か、本当に、ふわふわで、美味しそうだな」
「はい!それはもう。この街に新たな名物が登場しますよ。牧畜が盛んなこの街に、ピッタリですからね。ありがとうございます」
もう、職員さんが、テンション高く、リョウの手を両手で掴んでお礼をいっている。
リョウは戸惑い、顔がひきつったまま、職員さんに、したがって書類を書いた。
☆ふわふわパンケーキ☆
卵白を泡立てたものを、生地に混ぜ、ふんわり仕上げたパンケーキ。
☆食事用パンケーキ☆ふわふわパンケーキ使用
甘みを入れずに作ったふわふわパンケーキに、ハムやチーズをトッピング。
☆贅沢パンケーキ☆
パンケーキ(全種類OK)に、生クリームやアイス、フルーツを贅沢に使いトッピングしたもの。
というのが、リョウの名前で登録された。
今まであったパンケーキでも、甘くないのがあって、食事として食べている地域があり、メリロットが驚いた程、珍しいものではないそうだ。(俺も、知らなかったけど…)なので、ふわふわパンケーキ限定で登録しておけば、リョウの収入アップになると言われたので「ちょっと、ズルいかなぁ」と呟きつつ、リョウが登録していた。
登録の後「この世界に来てから、まだ、食べてないのですよねぇ?」と、リョウと俺に、パンケーキの試食をさせてくれた。
俺は、ミンテと分けあって食べたのだが、本当に、ふわふわで美味しいパンケーキだった。
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