異世界人拾っちゃいました…

kaoru

文字の大きさ
75 / 149
冒険の始まり

ハバー大陸一周の旅 20

しおりを挟む
「ううん、知らないけど、雪ん子って、雪女の子供だったかな?雪の妖怪?妖精?のイメージが、そんな姿だったんだ」

「へー、雪女ね。雪の女王の従者なのかな?その子供なのか?」

 襟を掴んだ手を離したが、その場で、ふわふわと浮いている子に、聞くと首を横に振る。

「女王様が創ったの。ですから、女王の子なの」

 と、胸をそらせるが…体長三十センチ、しかも幼児体型、女王の子であっても、威厳なんてないな…

「おお、雪の女王が居るんだ」

 リョウがまた、目を輝かせて雪ん子(仮)を見ている。

「リョウの世界でも、雪の女王がいたのか?」

「居たっていうか、童話に出てきてたよ」

「ああ、そういうことか…じゃぁ、妖精か、神かなんて事は、分からないか?」

「え?神様?雪の女王って、神様だったの?」

「いや、生まれ方は魔族で、妖精と言っていいのだが、膨大な魔力を持っていて神に近い存在で生まれてきたために、立ち位置が決まっていない者なんだよ」

「ん?んん?待って、魔族も妖精なの?」

「そうだよ。始祖が精霊から生まれでた地上人は妖精になる。その中で羽根がなく耳が尖っていて身体が大きな俺達は妖精エルフ、身体が小さくて羽根があり耳が尖っているのが小妖精フェアリー。耳が尖っていて、一本から三本の角があるのが魔族。身体は小さいが力があるドワーフ。上半身は俺達に似ているが下半身が尾ひれになっていて、海に住んでいる人魚族が妖精属となっている」

 説明すると、リョウが眉間にシワを寄せた。

「なんか、難しいから、置いといて…」

 と、呟きながら、両手を出し横にずらす動作をした。

「えーと、その雪の女王様が、妖精か?神か?って言うのは、なんで?」

「昔、魔族の女性が水神であるアガトー様に見初められた。その女性が神に嫁いで、身籠ったんだが…魔族であっても身に宿った子の膨大な魔力に堪えきれず。七か月に入った時に、母であるその女性は亡くなり、その直後に生まれ出たのが雪の女王なんだが、生まれでた瞬間から、周りにあるものを全て凍らせて、誰も近づけなかったらしい…」

 クラリーちゃんと、リョウの顔色がちょっと悪くなった。
 ちょっと、酷だったか?

「まぁ、生まれた雪の女王は、アガトー様の地上での棲みかの半分を凍らせたのだがその後、急激に弱りだした。妻を失い、子までも失いたくなかったアガトー様が、乳母として氷の乙女を創り、なんとか一命を取り留めたのだが、感情や表情が乏しく、ほとんど生気を感じられない者になったらしい。今も、魔族領の三分の一は凍土のままで、更に、海も凍りつかせた所に城を築き上げ、誰も近づけないように吹雪で結界を張り、籠っていると聞いている。魔力量に関しては、神に近いのだが、この世に接していなかったので、生まれてから五千年たった今でも、赤子の様だとモンディールが言っていたな。だから、氷山の神か、雪の精霊とするか、力のある魔族となるかの意思もないそうだ」

「そんなぁ。雪の女王は、悪いことしてる魔女なんだと思っていたのに…ただの子供だなんて…」

「魔女?」

「魔術を使う女の人で、悪者で出てくる話が多いんだ。雪の女王も、鏡の破片が刺さって性格が変わった男の子を城に閉じ込めて、幼馴染みの女の子が助けに行くって話しだったような…うろ覚えだけど…」

「そういった事はしてないな、ただ謎が多い存在ではあるが…」

「では、その雪の女王様は、何故、あなたをお創りになったのですか?」

 いつの間にか、クラリーちゃんが、雪ん子(仮)を抱っこしていて、本人に直接聞いている。

「アガトー様が、閉じ籠ってしまった女王様に、魔法の鏡をプレゼントしたの、鏡の小妖精は、世界の精霊様から聞いた話を鏡に映し出し、女王様を楽しませていたの、最近のお気に入りは、エルフの冒険者、リッジの話でそれはもう毎日楽しみにしてらっしゃるのだけど、だんだん、自分の目でも世界を見て回りたいと思い始めて、私を創ったの」

 んん?なんか、凄いこと言ったよな?

「自分の目でって、え?それって、女王様の分身体ってことか?」

「ぶんしんたい?分からないけど、私が見て触れば、女王様も体験している様に感じられると聞いたの」

「聞いた?誰に?」

「モンディールおじ様なの」

『おい、おっさん!見ているなら、教えてくれ、この子は、雪の女王の分身体なのか?』

『いや、分身体ではないぞ。なんせ、魔力はあるが、使い方を知らん子だから、そんなことは出来ん、鏡の精と、光と闇の精霊達の力を合わせあの子の魔力の一部を制御しつつその者を創ったのだ。冒険をしたいというあの子に芽生えた意思を尊重したいとアガトー殿に頼まれて手を貸したのだ。リッジのパーティーでは、面倒見切れないが、お前のところなら良いだろ』

『いやいやいや、ちょっと待て、そもそも、リッジの冒険譚のファンなのだろ?』

『いや、最近はお前達の話も楽しみにしておるそうだ。だから、お前達と一緒にと言ったら…すっ飛んで行ってしまってな…探しておったのだ。まぁ、無事に合流できて良かった。後は、頼んだぞ』

『頼んだぞじゃねーよ。何、勝手な事、してるんだよ!』

 また一人、子供が増えた…成人したら、冒険者になって、世界中で集めた素材を使い、将来住む家を作るのが俺の夢だったんだけどなぁ…自分の気に入ったものだけで造った家。
 だから、始めはソロでいて、気の合う職人仲間を増やしたり、素材重視の冒険仲間と思っていたのに…気がつけば、子供達の引率者の立ち位置になってしまった…

「はぁ…」





 





 
 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます

空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。 勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。 事態は段々怪しい雲行きとなっていく。 実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。 異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。 【重要なお知らせ】 ※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。 ※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

処理中です...