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冒険の始まり
ハバー大陸一周の旅 20
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「ううん、知らないけど、雪ん子って、雪女の子供だったかな?雪の妖怪?妖精?のイメージが、そんな姿だったんだ」
「へー、雪女ね。雪の女王の従者なのかな?その子供なのか?」
襟を掴んだ手を離したが、その場で、ふわふわと浮いている子に、聞くと首を横に振る。
「女王様が創ったの。ですから、女王の子なの」
と、胸をそらせるが…体長三十センチ、しかも幼児体型、女王の子であっても、威厳なんてないな…
「おお、雪の女王が居るんだ」
リョウがまた、目を輝かせて雪ん子(仮)を見ている。
「リョウの世界でも、雪の女王がいたのか?」
「居たっていうか、童話に出てきてたよ」
「ああ、そういうことか…じゃぁ、妖精か、神かなんて事は、分からないか?」
「え?神様?雪の女王って、神様だったの?」
「いや、生まれ方は魔族で、妖精と言っていいのだが、膨大な魔力を持っていて神に近い存在で生まれてきたために、立ち位置が決まっていない者なんだよ」
「ん?んん?待って、魔族も妖精なの?」
「そうだよ。始祖が精霊から生まれでた地上人は妖精になる。その中で羽根がなく耳が尖っていて身体が大きな俺達は妖精、身体が小さくて羽根があり耳が尖っているのが小妖精。耳が尖っていて、一本から三本の角があるのが魔族。身体は小さいが力があるドワーフ。上半身は俺達に似ているが下半身が尾ひれになっていて、海に住んでいる人魚族が妖精属となっている」
説明すると、リョウが眉間にシワを寄せた。
「なんか、難しいから、置いといて…」
と、呟きながら、両手を出し横にずらす動作をした。
「えーと、その雪の女王様が、妖精か?神か?って言うのは、なんで?」
「昔、魔族の女性が水神であるアガトー様に見初められた。その女性が神に嫁いで、身籠ったんだが…魔族であっても身に宿った子の膨大な魔力に堪えきれず。七か月に入った時に、母であるその女性は亡くなり、その直後に生まれ出たのが雪の女王なんだが、生まれでた瞬間から、周りにあるものを全て凍らせて、誰も近づけなかったらしい…」
クラリーちゃんと、リョウの顔色がちょっと悪くなった。
ちょっと、酷だったか?
「まぁ、生まれた雪の女王は、アガトー様の地上での棲みかの半分を凍らせたのだがその後、急激に弱りだした。妻を失い、子までも失いたくなかったアガトー様が、乳母として氷の乙女を創り、なんとか一命を取り留めたのだが、感情や表情が乏しく、ほとんど生気を感じられない者になったらしい。今も、魔族領の三分の一は凍土のままで、更に、海も凍りつかせた所に城を築き上げ、誰も近づけないように吹雪で結界を張り、籠っていると聞いている。魔力量に関しては、神に近いのだが、この世に接していなかったので、生まれてから五千年たった今でも、赤子の様だとモンディールが言っていたな。だから、氷山の神か、雪の精霊とするか、力のある魔族となるかの意思もないそうだ」
「そんなぁ。雪の女王は、悪いことしてる魔女なんだと思っていたのに…ただの子供だなんて…」
「魔女?」
「魔術を使う女の人で、悪者で出てくる話が多いんだ。雪の女王も、鏡の破片が刺さって性格が変わった男の子を城に閉じ込めて、幼馴染みの女の子が助けに行くって話しだったような…うろ覚えだけど…」
「そういった事はしてないな、ただ謎が多い存在ではあるが…」
「では、その雪の女王様は、何故、あなたをお創りになったのですか?」
いつの間にか、クラリーちゃんが、雪ん子(仮)を抱っこしていて、本人に直接聞いている。
「アガトー様が、閉じ籠ってしまった女王様に、魔法の鏡をプレゼントしたの、鏡の小妖精は、世界の精霊様から聞いた話を鏡に映し出し、女王様を楽しませていたの、最近のお気に入りは、エルフの冒険者、リッジの話でそれはもう毎日楽しみにしてらっしゃるのだけど、だんだん、自分の目でも世界を見て回りたいと思い始めて、私を創ったの」
んん?なんか、凄いこと言ったよな?
「自分の目でって、え?それって、女王様の分身体ってことか?」
「ぶんしんたい?分からないけど、私が見て触れば、女王様も体験している様に感じられると聞いたの」
「聞いた?誰に?」
「モンディールおじ様なの」
『おい、おっさん!見ているなら、教えてくれ、この子は、雪の女王の分身体なのか?』
『いや、分身体ではないぞ。なんせ、魔力はあるが、使い方を知らん子だから、そんなことは出来ん、鏡の精と、光と闇の精霊達の力を合わせあの子の魔力の一部を制御しつつその者を創ったのだ。冒険をしたいというあの子に芽生えた意思を尊重したいとアガトー殿に頼まれて手を貸したのだ。リッジのパーティーでは、面倒見切れないが、お前のところなら良いだろ』
『いやいやいや、ちょっと待て、そもそも、リッジの冒険譚のファンなのだろ?』
『いや、最近はお前達の話も楽しみにしておるそうだ。だから、お前達と一緒にと言ったら…すっ飛んで行ってしまってな…探しておったのだ。まぁ、無事に合流できて良かった。後は、頼んだぞ』
『頼んだぞじゃねーよ。何、勝手な事、してるんだよ!』
また一人、子供が増えた…成人したら、冒険者になって、世界中で集めた素材を使い、将来住む家を作るのが俺の夢だったんだけどなぁ…自分の気に入ったものだけで造った家。
だから、始めはソロでいて、気の合う職人仲間を増やしたり、素材重視の冒険仲間と思っていたのに…気がつけば、子供達の引率者の立ち位置になってしまった…
「はぁ…」
「へー、雪女ね。雪の女王の従者なのかな?その子供なのか?」
襟を掴んだ手を離したが、その場で、ふわふわと浮いている子に、聞くと首を横に振る。
「女王様が創ったの。ですから、女王の子なの」
と、胸をそらせるが…体長三十センチ、しかも幼児体型、女王の子であっても、威厳なんてないな…
「おお、雪の女王が居るんだ」
リョウがまた、目を輝かせて雪ん子(仮)を見ている。
「リョウの世界でも、雪の女王がいたのか?」
「居たっていうか、童話に出てきてたよ」
「ああ、そういうことか…じゃぁ、妖精か、神かなんて事は、分からないか?」
「え?神様?雪の女王って、神様だったの?」
「いや、生まれ方は魔族で、妖精と言っていいのだが、膨大な魔力を持っていて神に近い存在で生まれてきたために、立ち位置が決まっていない者なんだよ」
「ん?んん?待って、魔族も妖精なの?」
「そうだよ。始祖が精霊から生まれでた地上人は妖精になる。その中で羽根がなく耳が尖っていて身体が大きな俺達は妖精、身体が小さくて羽根があり耳が尖っているのが小妖精。耳が尖っていて、一本から三本の角があるのが魔族。身体は小さいが力があるドワーフ。上半身は俺達に似ているが下半身が尾ひれになっていて、海に住んでいる人魚族が妖精属となっている」
説明すると、リョウが眉間にシワを寄せた。
「なんか、難しいから、置いといて…」
と、呟きながら、両手を出し横にずらす動作をした。
「えーと、その雪の女王様が、妖精か?神か?って言うのは、なんで?」
「昔、魔族の女性が水神であるアガトー様に見初められた。その女性が神に嫁いで、身籠ったんだが…魔族であっても身に宿った子の膨大な魔力に堪えきれず。七か月に入った時に、母であるその女性は亡くなり、その直後に生まれ出たのが雪の女王なんだが、生まれでた瞬間から、周りにあるものを全て凍らせて、誰も近づけなかったらしい…」
クラリーちゃんと、リョウの顔色がちょっと悪くなった。
ちょっと、酷だったか?
「まぁ、生まれた雪の女王は、アガトー様の地上での棲みかの半分を凍らせたのだがその後、急激に弱りだした。妻を失い、子までも失いたくなかったアガトー様が、乳母として氷の乙女を創り、なんとか一命を取り留めたのだが、感情や表情が乏しく、ほとんど生気を感じられない者になったらしい。今も、魔族領の三分の一は凍土のままで、更に、海も凍りつかせた所に城を築き上げ、誰も近づけないように吹雪で結界を張り、籠っていると聞いている。魔力量に関しては、神に近いのだが、この世に接していなかったので、生まれてから五千年たった今でも、赤子の様だとモンディールが言っていたな。だから、氷山の神か、雪の精霊とするか、力のある魔族となるかの意思もないそうだ」
「そんなぁ。雪の女王は、悪いことしてる魔女なんだと思っていたのに…ただの子供だなんて…」
「魔女?」
「魔術を使う女の人で、悪者で出てくる話が多いんだ。雪の女王も、鏡の破片が刺さって性格が変わった男の子を城に閉じ込めて、幼馴染みの女の子が助けに行くって話しだったような…うろ覚えだけど…」
「そういった事はしてないな、ただ謎が多い存在ではあるが…」
「では、その雪の女王様は、何故、あなたをお創りになったのですか?」
いつの間にか、クラリーちゃんが、雪ん子(仮)を抱っこしていて、本人に直接聞いている。
「アガトー様が、閉じ籠ってしまった女王様に、魔法の鏡をプレゼントしたの、鏡の小妖精は、世界の精霊様から聞いた話を鏡に映し出し、女王様を楽しませていたの、最近のお気に入りは、エルフの冒険者、リッジの話でそれはもう毎日楽しみにしてらっしゃるのだけど、だんだん、自分の目でも世界を見て回りたいと思い始めて、私を創ったの」
んん?なんか、凄いこと言ったよな?
「自分の目でって、え?それって、女王様の分身体ってことか?」
「ぶんしんたい?分からないけど、私が見て触れば、女王様も体験している様に感じられると聞いたの」
「聞いた?誰に?」
「モンディールおじ様なの」
『おい、おっさん!見ているなら、教えてくれ、この子は、雪の女王の分身体なのか?』
『いや、分身体ではないぞ。なんせ、魔力はあるが、使い方を知らん子だから、そんなことは出来ん、鏡の精と、光と闇の精霊達の力を合わせあの子の魔力の一部を制御しつつその者を創ったのだ。冒険をしたいというあの子に芽生えた意思を尊重したいとアガトー殿に頼まれて手を貸したのだ。リッジのパーティーでは、面倒見切れないが、お前のところなら良いだろ』
『いやいやいや、ちょっと待て、そもそも、リッジの冒険譚のファンなのだろ?』
『いや、最近はお前達の話も楽しみにしておるそうだ。だから、お前達と一緒にと言ったら…すっ飛んで行ってしまってな…探しておったのだ。まぁ、無事に合流できて良かった。後は、頼んだぞ』
『頼んだぞじゃねーよ。何、勝手な事、してるんだよ!』
また一人、子供が増えた…成人したら、冒険者になって、世界中で集めた素材を使い、将来住む家を作るのが俺の夢だったんだけどなぁ…自分の気に入ったものだけで造った家。
だから、始めはソロでいて、気の合う職人仲間を増やしたり、素材重視の冒険仲間と思っていたのに…気がつけば、子供達の引率者の立ち位置になってしまった…
「はぁ…」
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