異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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冒険の始まり

ハバー大陸一周の旅 56

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「それは大丈夫です。我々は、大量の魔力により消化、吸収も行いますので、人属とは、身体が異なります。今回の事も、人属の様に、活動するためのエネルギー補給というよりは、食べる行為を楽しみにしているのです」

 まぁ、働くためのエネルギー補給という他に、確かに、気分転換に美味しいもの食べたくなるし、凝り固まった身体を解す為に、お茶を飲んだりするしな…うん、ここの住人達もそういうモノが必要なのだろう。

「そうなんだ。じゃ、串焼きとかでもいいのか」

「でも、リョウが言った様に、身体を労るために、いきなり重たいものより、軽いものから食べ始めた方が良いだろうな」

 という感じで、皆でメニューを決めていく、スープは、野菜を煮込んだ後、攪拌しポタージュに、パンも発酵させる柔らかいものを用意し、サラダも蒸し野菜を中心にし、メインは、雷鳥と、アガトー様が用意してくれた水牛の串焼き。
 一通り、下準備をしてから、寝室に案内されて、就寝。

 次日の朝、パタパタという音で、目が覚めた。
 
 昨夜は、氷の部屋に案内されるかと思ったが、雪を固めた壁の部屋で、家具類は木製の物が置かれていた。寝具も良い羽毛布団で、とても気持ちよく寝られた。
 
 音の正体を確かめるために、ベッドから降り、部屋のドアを開けてみると、雪ん子達が、パタパタと走り回っていた。

「朝です。朝です。みんな起きるです」

「今日は、お客さまが来てます。お客さまも起こしますか?」

「どうするですか?」

「どうしましょう?」

 首を傾げている雪ん子と目があった。

「あっ、お客さま、起きたです」

「おはよう」

「おはようです。他のお客さまも起こしていいですか?」

「お願いしようかな」

「ハイです!」

 元気に返事をした雪ん子を先頭に部屋の中に五人程入ってくると、ベッドの上で丸まっていたミンテに飛びかかった。

『な、な、何ですか?』

「起きるです。朝ですよ」

『び、びっくりしたの、もっと、優しく起こしてほしいの』

 ミンテは、毛を逆立てて、雪ん子達から逃げ出して、俺の足に尻尾を巻き付かせ抗議する。バレンは、起きていたらしく、いつの間にか俺の頭の上にいた。

 隣の部屋では、ユキと雪ん子が何やら騒いでいる。その向こうでは、リョウと地竜の剣の悲鳴が聞こえた。

 皆、ちゃんと起きたな。

 さっさっと、身支度をし、子供達に声をかけ、厨房に向かう。俺達の直ぐ後から、クラリーちゃんとココが来て、竈に火を入れてくれた。
 俺は、寝かせておいたパン生地を、成型してからもう一度休ませる。
 根野菜を中心に蒸し器にかけたところで、リョウと地竜親子が来たので、昨夜火を通しておいたスープの撹拌をお願いする。
 厨房の入り口には、大勢の雪ん子が集まり、中の様子を見ている。その中から、ユキがトコトコ歩いてきた。

「ユキも手伝います」

 そう言って両手を伸ばしてくる。

 しかし、串焼きの肉もクラリーちゃん達が用意し、焼き始めてるし、スープも撹拌が終わりサラシでこして、温めにはいっている。

「予定になかったけど、デザートも作ろうか?」

「やったぁー、何作るの?」

 ポツリと呟けば、リョウを先頭に賛成の声が上がる。

「そうだなぁ、アガトー様が用意された水牛のミルクがあるし、それで何か出来ないかなぁ」

「甘みを加えて、乾燥ベリーを入れて凍らせて、アイスキャンディーとかですかね?」

「良いね。卵を入れてバニラアイスとかも作れるんじゃない?」

「「バニラアイス?」」

 珍しく俺とクラリーちゃんの声が揃った。

「あれ?バニラアイスは、なかったけ?ああ、そう言えば、リノ牧場でも、ミルクとか、ベリー類のシャーベットぽいアイスだったね」

「それは、どのように作るアイスなのですか?」

「ミルクに砂糖とバニラを入れて温めて、砂糖が溶けたら、あら熱をとって、そこに卵を入れて混ぜて凍らせるんだけど、出来れば混ぜながらクリームぽい感じに凍らせると美味しいよ」

「バニラが分からないな、なくても出来るか?でも、バニラが入らないと、バニラアイスとは言えなくなるか…」

「皆さん、おはようございます。バニラなら、私が知っていますよ」

 おっと、雪ん子に混じり、アガトー様も見ていたらしい。機嫌がいいようで、テンション高く入ってきた。

「アガトー様、おはようございます」

 俺を先頭に、皆、挨拶をする。

「アガトー様、バニラ知ってるの?もしかして、この大陸にあるの?」

「いや、残念ながら、この大陸では育てられないのだ。ゲトー大陸の密林の中で取れるんだよ。そして、近年、転異者の起こした町で、需要が多くて、ゲトーの者達の良い収入源になっているそうだよ」

「ああ、分かる。アイスもだけど、プリンとか、カスタードクリームとか、ケーキとかも、バニラの香りすると嬉しいもんなぁ」

「そんなに良い香りなのですか?」

「僕は好きだよ。でも、女の子の方が好きな子多い気がする。甘みを感じる香りだから」

「そうなんだよ。だから、女王も興味を持ってね。ほら」

 そう言って、アガトー様が、バニラと思われるモノを出現させて手にもっているのだが…

「えーと、バニラというのは、そもそもなんですか?」

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