異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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冒険の始まり

ハバー大陸一周の旅 63

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 最短距離を通って来たので、なんとか日が落ちる前にトガレーの集落に戻ってこれたが、赤く染まった夕日の中、眺める景色に、違和感が…

「あれ?土砂崩れは?ここは崩れてなかったっけ?」

「いえ、崩れていたハズです。えっ、もう修復したということですか?」

「はやっ!成長促進とか使える人がいるのかな?」

「違うわよ!」

 夕焼けで細部までは分からないが、土砂崩れがあったハズの場所が、崩れる前の林の様になっていて、バレンと驚いていると、聞き覚えのある声で突っ込みが聞こえた。

「シス!何でここに?」

「なんでって…災害の処理の事後報告ついでに、落ち込んでいるであろう、曾孫を慰めに来たのに、本人居ないってどういうことよ!」

「どういうって言われても、じいちゃんに頼まれて、エンプ大陸まで行ってきたよ」

「…そう。現実を受け止められずに、もっと沈んでると思っていたのに…私達の血の所為?」

「あ、そういうことか…いや、ショックは受けてるよ。一部だけど大陸の被害も観てきたしね。でも、リョウに言われたんだ。起こったことの話をしても、無かったことには出来ないんだから、前に進んだ方が良いって」

「リョウくんが?思っていた以上にしっかりした子ね」

「そうだよ。俺より大人の部分がある」

「人族は、成長が早いものね。今回のことであなたも、成長してしまって…血縁者わたしでも、考えが読めなくなっちゃったわ…残念ね」

「え?マジで?」

「何で、そんなに嬉しそうなのかしら?」

「いや、それより、ここの事だよ。土砂崩れは?誰が直したの?」

「リョウくん達よ」

「え?じいちゃんが言っていたリョウ達に頼みたいことってこの事だったの?」

「ふふ、全部含めてよ」

「全部?どういうこと?」

「ふふふ、今、ユピロー様が面白いことになっているから、一緒に、見学しに行きましょう」

 そう言って、シスに腕をとられ集落の中へ、集落の中では、俺達が借りた部屋の前に人だかりが出来ていた。

「どういうこと?」

「あ、ディルさん!おかえりなさい」

 俺の呟きを聞き取ったアランさんが振り向き、声をかけてくれた。

「皆さん集まって何をやっているんです?」

「いやね。今朝、復旧作業の相談中に、ユピロー様が現れて説明してくだっさったんですが…私達では、理解出来なかったんです。で、困っているところに、リョウくん達が戻ってきて、ユピロー様の説明を聞くと、直ぐに理解して、集落周りの修復作業を始めたので、私達も手伝っていたんです。そして、日が傾いてきたので戻ってきて、直ぐに、ユピロー様と何やら相談し出して…」

 説明途中で部屋の方に振り向き言葉を濁す。

「ほらほら、見た方が早いわよ。ふふふ」

 シスは、面白がって、人をかき分け…なくても、サスガ神!シスの歩みに合わせて人が左右に別れた…
 そして、部屋の床を埋め尽くすぷよぷよしたゼリー状のモノに足をとられ危うく転びそうに…

「どわっ!な、なんだ?」

「あっ、ディル、おかえりなさい」

 部屋の中は異常事態だと思うのだが、部屋の中央に置かれたテーブルにいるリョウは、普通に迎えてくれた。

「えーと、どういうことなのか説明してくれるか?」

 リョウは、テーブルに広げてあった何枚かの紙を持ち、上手くぷよぷよの物体を避けながら俺の前に来ると嬉しそうに話し出した。

「ユピロー様達、神々がスゴいことを考えてくれたんだ。でね、その手伝いを僕達にしてほしいって言うから、手伝っているんだよ」

「スゴいことって?」

「ふふふ、前に話した僕がいた世界のゲームに出てくるダンジョンを造るんだって!」

「は?それは、魔族がやってるんじゃないのか?」

 俺の言葉で、リョウが動きを止めてしまった。そして、振り向きじいちゃんを見る。

 あ、マズったな…ここは、驚くところだったか…

「む?アガトーの奴め、ディルに漏らしよったか」

「あ、いや、話の流れで、なんとなく感じ取っただけだったけど…」

「うむ、転異者の話を聞いて興味を持った冒険者が、魔族に話を持ち込んだのだ。で、その話に食いついた魔族の者達が、転異者の言うダンジョンを再現させるような魔道具を幾つか作り出したのだ。しかし、実現するには幾つか問題があっての、空に相談が寄せられたのだ」

「ああ、それで、天上の神々が知ることになったのか」

「そうじゃ、そして、我々の抱えている問題の解決にも、大いに役立ちそうだったので、力を貸すことにしたのだ。そのダンジョンの一つを、リョウに任せる事にしたのだ」

「え?ちょっ、ちょっと、待った。リョウが話していたダンジョンって、魔物が出てきたり、その魔物達が宝を持っていたり…いや、その前に、迷宮になっていて、罠とかもスゴいんじゃなかったか?」

「そうじゃ。面白いではないか」

「それを、リョウが創るのか?」

「そうじゃ。リョウが考えたことを、ワシが形にし、ここにダンジョンを創るのだ。この地は新たな観光地として賑わうだろうな」

「は?観光地?」

「そうじゃ。ここのダンジョンは、未成年や未熟な冒険者の訓練場になる予定なのだ」



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