119 / 149
冒険の始まり
ハバー大陸一周の旅 64
しおりを挟む
「で、この床のぷよぷよしたものは?」
「リョウに教えてもらった新たな魔獣、スライムじゃよ」
「これが?」
「うむ、まだ、魂は与えておらん、なんでも、初心者から、上級者まで対応出来るほど種類も多いらしくての、転異者や話を聞いた魔族の者達からも、創ってほしいと言われていたのだ」
「これが、そんなにスゴい魔獣なのか?」
新たに、リョウに向かって聞いてみる。
すると、気を取り直したリョウが、手に持っていた紙を見せてきた。
「そうだよ。こんな感じのスライムは、戦い慣れてない最初に出て来るモンスターで、倒すと薬草とか落としてくれるから、余計に初心者向けなんだ」
「これに目がつくのか?」
リョウが描いたらしい絵を見て更に驚く、雫型のぷよぷよしたものに大きなパッチリとした目が描かれてる。
「うん、これはゲームのデザインそのままのを描いたからね。設定にやよっては、目がなかったりするよ」
「へぇー、これの種類が多くいる?色が違うだけか?」
「違うよ。精霊みたいに属性毎に色々出来るモノや、他のモンスターと融合したようなのがいて、戦闘力が高いものや、特殊なスキルを持っていて、とんでもないモノに進化しちゃうのがいたりするんだよ」
「とんでもないモノ?」
「そう竜王とか、神みたいな存在にも勝っちゃうような…」
「うぎゃ?」
「作り話で、いろんな風に設定されているんだよ」
「ギャーゥ」
「本当だよぉ」
途中でスライムに乗り何やら楽しんでる烈震の横やりが入った。
しかし、そんなに、種類が多く書かれるということは、このぷよぷよとしたスライムという魔獣は、リョウの世界では人気があるらしい。
「これが、そんなにスゴい魔獣になるのか…」
足元にある透き通った青色の一つを持ち上げてみた大きさは三十センチ程だが、持ち上げるとでろーんと伸びるので慌てて掬い上げるようにして抱き抱えた。
「これぐらいのも良いけど、もっと固くて普段は伸びなくて、ポヨンって弾む感じのも欲しいなぁ」
俺の様子を見てリョウが紙に何か書き加えている。
「まぁ、そういった動作関連は魂を与えた時に設定すればよいぞ」
「そうなんだ。じゃぁ、もっとでろーんと溶けた様な感じのも作れるって事?」
「う、うむ、まぁ、お主のイメージがしっかりしておれば、創れないこともないと思うが…」
「じゃぁ、海にいるクラゲみたいな感じで、宙に浮かんだりしてるモノは?」
「なぬ?宙に浮く…重力操作か、ガランの奴に頼むか…」
「後はねー」
次々と、提案してくるリョウに対して、じいちゃんが、目を白黒させながら対応している。
「ふふふ、ユピロー様のこんな姿が見れるなんて、リョウくん凄いわね」
いつの間にか部屋の隅にスライム達を集め椅子のようにして寛ぎながら、じいちゃんの慌てぶりを面白そうに観ているシスがいた…
よくよく考えてみれば、神としての格や年齢はじいちゃんが上でも、地上では、シスが義母で、じいちゃんが入婿という感じで…
ああ、もうややこしい、神なんて親族に持つもんじゃないな…
「ディル?何か失礼な事考えてない?」
ん?考えは読まれなくなったと言っていたよな?
「顔に出てるわよ。まだまだ、子供ね」
うう、そんな良い笑顔で…凹むなぁ…
「な、なんか、長くかかりそうだから、俺は、夕飯の準備してくるよ」
『手伝います!』
シスから逃げる為に提案すると、ココが飛び付いてきた。
『ワレも、食べ物の方が良いッス』
地竜の剣の良く通る声を聞き、スライムで遊んでいたユキとクラリーちゃんもこちらに来て、手伝ってくれるという。
どうやらスライムが、気に入った烈震とミンテは残り、リョウの話を興味深く聞いている。
バレンは、朝から頑張ってくれたので、シスに預け、俺達は夕飯の準備の為に外へ…って、まだ、皆が覗いていた。
「ディルさん、理解出来ました?ここが、観光地になるとかなんとか、訳が分からないのですが…」
「まぁ、少しは…夕飯の準備しながらで良いですか?それと、部屋がこんな状態なので、外で食べても良いですか?」
「では、皆で用意して、食事中に詳しく聞いても良いですか?」
「ああ、それならじいちゃん達に、更に、詳しく説明してもらえますね。そうしましょう」
急遽、集落全体の食事会となった。
「リョウに教えてもらった新たな魔獣、スライムじゃよ」
「これが?」
「うむ、まだ、魂は与えておらん、なんでも、初心者から、上級者まで対応出来るほど種類も多いらしくての、転異者や話を聞いた魔族の者達からも、創ってほしいと言われていたのだ」
「これが、そんなにスゴい魔獣なのか?」
新たに、リョウに向かって聞いてみる。
すると、気を取り直したリョウが、手に持っていた紙を見せてきた。
「そうだよ。こんな感じのスライムは、戦い慣れてない最初に出て来るモンスターで、倒すと薬草とか落としてくれるから、余計に初心者向けなんだ」
「これに目がつくのか?」
リョウが描いたらしい絵を見て更に驚く、雫型のぷよぷよしたものに大きなパッチリとした目が描かれてる。
「うん、これはゲームのデザインそのままのを描いたからね。設定にやよっては、目がなかったりするよ」
「へぇー、これの種類が多くいる?色が違うだけか?」
「違うよ。精霊みたいに属性毎に色々出来るモノや、他のモンスターと融合したようなのがいて、戦闘力が高いものや、特殊なスキルを持っていて、とんでもないモノに進化しちゃうのがいたりするんだよ」
「とんでもないモノ?」
「そう竜王とか、神みたいな存在にも勝っちゃうような…」
「うぎゃ?」
「作り話で、いろんな風に設定されているんだよ」
「ギャーゥ」
「本当だよぉ」
途中でスライムに乗り何やら楽しんでる烈震の横やりが入った。
しかし、そんなに、種類が多く書かれるということは、このぷよぷよとしたスライムという魔獣は、リョウの世界では人気があるらしい。
「これが、そんなにスゴい魔獣になるのか…」
足元にある透き通った青色の一つを持ち上げてみた大きさは三十センチ程だが、持ち上げるとでろーんと伸びるので慌てて掬い上げるようにして抱き抱えた。
「これぐらいのも良いけど、もっと固くて普段は伸びなくて、ポヨンって弾む感じのも欲しいなぁ」
俺の様子を見てリョウが紙に何か書き加えている。
「まぁ、そういった動作関連は魂を与えた時に設定すればよいぞ」
「そうなんだ。じゃぁ、もっとでろーんと溶けた様な感じのも作れるって事?」
「う、うむ、まぁ、お主のイメージがしっかりしておれば、創れないこともないと思うが…」
「じゃぁ、海にいるクラゲみたいな感じで、宙に浮かんだりしてるモノは?」
「なぬ?宙に浮く…重力操作か、ガランの奴に頼むか…」
「後はねー」
次々と、提案してくるリョウに対して、じいちゃんが、目を白黒させながら対応している。
「ふふふ、ユピロー様のこんな姿が見れるなんて、リョウくん凄いわね」
いつの間にか部屋の隅にスライム達を集め椅子のようにして寛ぎながら、じいちゃんの慌てぶりを面白そうに観ているシスがいた…
よくよく考えてみれば、神としての格や年齢はじいちゃんが上でも、地上では、シスが義母で、じいちゃんが入婿という感じで…
ああ、もうややこしい、神なんて親族に持つもんじゃないな…
「ディル?何か失礼な事考えてない?」
ん?考えは読まれなくなったと言っていたよな?
「顔に出てるわよ。まだまだ、子供ね」
うう、そんな良い笑顔で…凹むなぁ…
「な、なんか、長くかかりそうだから、俺は、夕飯の準備してくるよ」
『手伝います!』
シスから逃げる為に提案すると、ココが飛び付いてきた。
『ワレも、食べ物の方が良いッス』
地竜の剣の良く通る声を聞き、スライムで遊んでいたユキとクラリーちゃんもこちらに来て、手伝ってくれるという。
どうやらスライムが、気に入った烈震とミンテは残り、リョウの話を興味深く聞いている。
バレンは、朝から頑張ってくれたので、シスに預け、俺達は夕飯の準備の為に外へ…って、まだ、皆が覗いていた。
「ディルさん、理解出来ました?ここが、観光地になるとかなんとか、訳が分からないのですが…」
「まぁ、少しは…夕飯の準備しながらで良いですか?それと、部屋がこんな状態なので、外で食べても良いですか?」
「では、皆で用意して、食事中に詳しく聞いても良いですか?」
「ああ、それならじいちゃん達に、更に、詳しく説明してもらえますね。そうしましょう」
急遽、集落全体の食事会となった。
0
あなたにおすすめの小説
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる