異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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新たな旅立ち

ダンジョン創り 3

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「そうなんだ…、この世界では、ゴブリンとかでも、悪いことしてる訳じゃないんだねって、いうか、ゴブリンとか、魔物じゃないんだ」

「そうじゃな、地上人として生活しておるな。それに、ゴブリンは小妖精…妖精属なので、他人に興味を持つことが少ないから、揉め事は少ないな。リザードマンは人属の獣人だが、狩り場争いはするが、他の悪さはしとらんぞ」

「そうなんだ。マンガやアニメだと魔物の設定で、悪役が多いからなぁ…もしかして、オークとかも?」

「ん?オークも人属の獣人だが…もしかして、オークも悪者扱いなのか?」

「うん、しかも、作品によっては、食肉用の魔物としてるのがあるよ。でも、そういうのは動物よりの姿をしてるけどね…」

「それは…」

 かなり、抵抗があるな…こちらの世界では、魔獣の血が薄れ動物に近いモノか、普通の動物しか食さないからな…
 本当に、いろんな世界があるのだな。あ、いや、作り話だっけ?

「うーん、まぁ、ゲトーでも、オーク達は、あまり好かれておらんからのう…嫌われ役がまわってしまうのかのう?」

「そうなの?」

「ふむ、全員とは言わんが、オーク達は、噂好きな者が多いのじゃ。しかも、話を膨らますのがうまくてのう。面白いモノもあるにはあるのだが、笑えないものもあり、他種族から嫌われておるのじゃよ」

 へぇ、オークって、そうなのか…畑作業が上手な種族という認識しかなかったなぁ。

「ああ、何となく分かる。どうでもいいことだと思うのに、他人の事ばかり話す人いるよね。しかも、本当の事とかよく知らないのに、変に決めつけたりして話す人」

「そうなのか?」

「エルフは、職人さん多いし、皆、容姿にも恵まれてるから、分からないんだよ。人は、容姿が気にくわないってだけで、仲間はずれにしたりする人がいるんだから」

 おっと、リョウの反応がスゴい…何かあったのか?

「仲間はずれね…あっ、昨日会った精霊の呼び名もその辺からなのか?」

「精霊の呼び名って?」

「空の精霊達は、使者とか天使って言われているんだが、転異者の中には、闇の精霊を『堕天使』と言うものがいて、闇の精霊を不快にさせてるんだ」

「ああ、黒い翼だからってことだね…天使が悪いことをすれば翼が黒くなるという話があったからね。後、突然変異で黒い翼の天使が生まれて迫害されるようなのもあったなぁ…」

「はぁ?容姿が少し違うだけで迫害?」

「うん、だから、人間同士でも、人種差別とかあったよ。あと、天使と同じで、エルフが悪に染まるとダークエルフになるみたいな話もあったし、エルフとダークエルフの仲が悪くて戦争してるようなのとか…タリクさんみたいな他種族とのハーフだと、仲間ハズレにされたりとか…」

 リョウがぶつぶつと、元居た世界の話をしている。しかも、リョウの居た世界には、俺達、エルフや天使なんかは居なかったのに、そんなにも、多くの話が語られている事に、衝撃を受けた。

「転異者が凄いのか…それとも、種族的なモノなのか?」

「ワシは、種族だと思うておるぞ。この世界でも、魔術の苦手な人属の方が発想力があるのでな、噂好きのオークも、魔術が苦手だからのう」

「でも、転異者は魔術が得意だよね?」

「ああ、元居た世界では、魔術は使えなんだが、想像でいろいろ考えられておったようだから、すんなり使える者が多いな。特に、リョウの様な未成年者は得意だな。大人の方は、未知のモノに抵抗があるのか、馴染めずにおる者もおるがな」

「そうなんだ」

 俺とじいさんで、そんな話をしていたが、クラリーちゃんは、リョウの話を聞き、ダークエルフの設定にショックを受けていたが、エルフと他種族のハーフは、何故仲間ハズレにされるのか気になったようで、きいている…が、リョウは、困ったように、うんうん唸っている。

「リョウ、どうした?思い出せないのか?」

「ううん…えーとね。ちょっと、言いにくいんだ…多くの場合、エルフって気ぐらいが高くて、他種族を蔑んでるような設定が多かったんだよ…だから、エルフ以外と結婚とかすると、エルフの里から追い出されたり…酷いのは、罪人の様な扱いされたり…」

「え?」

 リョウの話を聞き、皆、驚きを隠せない。

 エルフって、そんな種族だと思われてるのか?ショックだ…

「作り話だから…もちろん、違う設定もあるんだけどね…エルフ自体が他種族を嫌って孤立してるような話が多いかな…でも、でも、前に、ここの世界で、ハーフが増えているって、話してなかった?ここでは、そういう差別的なことはないの?」

「うむ、他者が外見などで差別することは、少ないな…無いと言い切れんのが、ちと悲しいがな。ただ、こちらの世界では、見た目よりも、能力の問題で両親と離れなければならなくて、幼い頃から試練を強いられる場合があるな」

「試練を強いられるって…神々がそうしてるんじゃないのか?」

「いくらワシらでも、自然発生した地上人の能力をどうこう出来んわい。遺伝というものは、ワシらでも変えられん、よくない能力が出た場合、対抗出来る者が加護を与え生きやすいようにしてやるのが、せいぜいじゃ」

「タリクさんは?加護は持ってないみたいだったけど?」

「タリクは、特に困った能力は所持してなかったのではなかったか?」

「え?」

「な、なんじゃ?何か、違ったか?」

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