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新たな旅立ち
ダンジョン創り 4
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「虚無とか虚心とか…」
「ん?どちらも、変なものじゃないじゃろ?」
「いやいやいや、地上じゃ、ちょっと、特殊だと思うよ」
「しかし、そのお陰で、タリクは鑑定士と成功しておるのじゃぞ」
「まぁ、虚心は、分かるけど、虚無は?それこそ、他者に興味持たずに孤立していたんじゃないの?それに、いろいろな知識を増やした方が鑑定の質が上がるとか聞いたけど?」
「んー、ま、まぁ、友人は少なかったことは確かじゃが…鑑定の方は、確かに知識が大切なモノもあるが、虚無所有者特有の鑑定があっての、それのお陰で役所勤めが決まり、今に至るのじゃ。悪いことではなかろ?」
確か、モンディールの説明でもそんなようなことを聞いたような…
「『虚無』所有者特有って?」
「リョウが言っていた様に、大抵場合、外見などで、好き嫌いがあったりするであろう?」
「まぁ、第一印象で、気が合うか会わないか考えることはあるかな」
「外見的差別がない、お前でもそうであるように、見た目だけでイメージを固めて、鑑定すると正しく鑑定されない事があるのじゃ」
「え?そんなことあるのか?」
「うむ、魔術は、精霊の力を借りておるからな、精霊達が、術者の気持ちを敏感に感じ取りすぎると、術者のイメージに添った表示にしてしまうことがあるのじゃ」
「それは、鑑定の意味がないのでは?」
「ま、まぁ、鑑定は秘密を暴くようなものだからな、高性能過ぎるのも、考えものなのだ…だから、生き物に対しての鑑定は、項目が決められておるし、知られたくないことに関しては拒否出来るようになっておるし、考え方や、育った環境で微妙に解釈が変わったりしてしまうのだ。だから、鑑定に出たからといって信用し過ぎてはいかんのじゃよ」
「あ、だから、生まれて直ぐに鑑定するのか、正確な情報を得るために」
「そういうことじゃな。成長してしまうと、考え方によっては、リョウの様に、食べられる物も毒表示になってしまう恐れもあるでな」
「成る程。で、『虚無』の鑑定は何が違うんだ?」
「それは、鑑定する側の問題なのだが、相手のイメージをつくらんので、精霊達も素の状態を素直に教えてくれるのじゃ。だから、入国時の身体検査で素行の悪い者を見分けるのに役立っておったのだ」
「へぇ、そういうモノもあるのか、だから、タリクさんは、加護がなくても大丈夫と判断されたんだ」
「そうじゃ」
「そうやって加護を与えたりしてるってことは、ハーフが増えている事に、じいちゃん達が関与してるの?」
「関与はしとらんが…期待しとるのだよ」
「期待?どういう事?」
「以前、話したであろう?種族毎に生活環境を別けていた所為で、子供が減っていると」
「ああ、そういえば、言ってたね。血が濃くなりすぎて、悪い方に作用しているんだっけ?」
「そうじゃ、だからの、他種族と交われば、丈夫な子が出来ると思うとるのだ。環境の統一化が進めば更に増え、新たな種族も生まれでるのではと期待しとるのじゃ」
「そういうことか、でも、食べ物とかの関係で、両親と暮らせない子供が居るっていうのがなぁ」
「それと、母体に負荷がかかりすぎるのを何とかしたいのじゃ」
「え、まさか、皆、雪の女王みたいなの?加護とかでなんとかならないの?」
「いや、皆ではないが…加護を与えても、三割以上が、産後直ぐにな…だから、父親と暮らせない、ハーフの孤児が増えているのだ。今回の初級者用のダンジョンは、そういう子供達の教育の場としても役立てたいと考えておるのじゃよ」
「環境の統一が進んで、食べ物とかも統一されて、改善されるといいね」
「そうじゃな。だいぶ、話がそれてしまったが、ダンジョンの話に戻ろうかのう」
うん、まぁ、ハーフについても少し分かったし、メリロットに報告も出来るな。神々が、何かして、増えているわけではなさそうだし、後は、冒険して、どんな感じなのか観れればいいか…
「はい、今の話に出てきた話をダンジョン創りに取り入れてもいい?」
俺が、ボケッと脱線した話の事を考えていると、リョウが、元気に手をあげて発言した。
「ん?今の何を取り入れるのじゃ?」
「ダンジョン内で、僕の居た世界のアニメとかマンガのゴブリンとか、オーク、リザードマン的な、悪役を登場させて、弱い魔物をいじめてるのを助ける様なイベントを発生させるの」
「ふむ、ダンジョン内の魔物は、全て討伐対象ではないのか?」
「そうなんだけど、ちょっと、ストーリーがあった方が楽しめると思って、無理ならなくてもいいけど…」
「ストーリーとな…」
また、じいちゃんが、考えだした…
「ん?どちらも、変なものじゃないじゃろ?」
「いやいやいや、地上じゃ、ちょっと、特殊だと思うよ」
「しかし、そのお陰で、タリクは鑑定士と成功しておるのじゃぞ」
「まぁ、虚心は、分かるけど、虚無は?それこそ、他者に興味持たずに孤立していたんじゃないの?それに、いろいろな知識を増やした方が鑑定の質が上がるとか聞いたけど?」
「んー、ま、まぁ、友人は少なかったことは確かじゃが…鑑定の方は、確かに知識が大切なモノもあるが、虚無所有者特有の鑑定があっての、それのお陰で役所勤めが決まり、今に至るのじゃ。悪いことではなかろ?」
確か、モンディールの説明でもそんなようなことを聞いたような…
「『虚無』所有者特有って?」
「リョウが言っていた様に、大抵場合、外見などで、好き嫌いがあったりするであろう?」
「まぁ、第一印象で、気が合うか会わないか考えることはあるかな」
「外見的差別がない、お前でもそうであるように、見た目だけでイメージを固めて、鑑定すると正しく鑑定されない事があるのじゃ」
「え?そんなことあるのか?」
「うむ、魔術は、精霊の力を借りておるからな、精霊達が、術者の気持ちを敏感に感じ取りすぎると、術者のイメージに添った表示にしてしまうことがあるのじゃ」
「それは、鑑定の意味がないのでは?」
「ま、まぁ、鑑定は秘密を暴くようなものだからな、高性能過ぎるのも、考えものなのだ…だから、生き物に対しての鑑定は、項目が決められておるし、知られたくないことに関しては拒否出来るようになっておるし、考え方や、育った環境で微妙に解釈が変わったりしてしまうのだ。だから、鑑定に出たからといって信用し過ぎてはいかんのじゃよ」
「あ、だから、生まれて直ぐに鑑定するのか、正確な情報を得るために」
「そういうことじゃな。成長してしまうと、考え方によっては、リョウの様に、食べられる物も毒表示になってしまう恐れもあるでな」
「成る程。で、『虚無』の鑑定は何が違うんだ?」
「それは、鑑定する側の問題なのだが、相手のイメージをつくらんので、精霊達も素の状態を素直に教えてくれるのじゃ。だから、入国時の身体検査で素行の悪い者を見分けるのに役立っておったのだ」
「へぇ、そういうモノもあるのか、だから、タリクさんは、加護がなくても大丈夫と判断されたんだ」
「そうじゃ」
「そうやって加護を与えたりしてるってことは、ハーフが増えている事に、じいちゃん達が関与してるの?」
「関与はしとらんが…期待しとるのだよ」
「期待?どういう事?」
「以前、話したであろう?種族毎に生活環境を別けていた所為で、子供が減っていると」
「ああ、そういえば、言ってたね。血が濃くなりすぎて、悪い方に作用しているんだっけ?」
「そうじゃ、だからの、他種族と交われば、丈夫な子が出来ると思うとるのだ。環境の統一化が進めば更に増え、新たな種族も生まれでるのではと期待しとるのじゃ」
「そういうことか、でも、食べ物とかの関係で、両親と暮らせない子供が居るっていうのがなぁ」
「それと、母体に負荷がかかりすぎるのを何とかしたいのじゃ」
「え、まさか、皆、雪の女王みたいなの?加護とかでなんとかならないの?」
「いや、皆ではないが…加護を与えても、三割以上が、産後直ぐにな…だから、父親と暮らせない、ハーフの孤児が増えているのだ。今回の初級者用のダンジョンは、そういう子供達の教育の場としても役立てたいと考えておるのじゃよ」
「環境の統一が進んで、食べ物とかも統一されて、改善されるといいね」
「そうじゃな。だいぶ、話がそれてしまったが、ダンジョンの話に戻ろうかのう」
うん、まぁ、ハーフについても少し分かったし、メリロットに報告も出来るな。神々が、何かして、増えているわけではなさそうだし、後は、冒険して、どんな感じなのか観れればいいか…
「はい、今の話に出てきた話をダンジョン創りに取り入れてもいい?」
俺が、ボケッと脱線した話の事を考えていると、リョウが、元気に手をあげて発言した。
「ん?今の何を取り入れるのじゃ?」
「ダンジョン内で、僕の居た世界のアニメとかマンガのゴブリンとか、オーク、リザードマン的な、悪役を登場させて、弱い魔物をいじめてるのを助ける様なイベントを発生させるの」
「ふむ、ダンジョン内の魔物は、全て討伐対象ではないのか?」
「そうなんだけど、ちょっと、ストーリーがあった方が楽しめると思って、無理ならなくてもいいけど…」
「ストーリーとな…」
また、じいちゃんが、考えだした…
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