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新たな旅立ち
ダンジョン創り 6
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じいちゃんをほっときながら、リョウがテーブルに紙を広げだす。
紙には、ダンジョンの全体図だと思われる森が描かれていた。
「これが今創ってるダンジョンの図面か?」
「そうだよ。初級だから、そんなに複雑じゃないけど、行き止まりが多くある、ちょっと、めんどくさい迷路にしてみたんだ」
だな。しかも、見たところ主要道路かと思う様なのが、行き止まりや、怪しい広場に繋がっている…
「この広い所に、ボスの魔物が出るようにするのか?」
「あ、うん。一番奥のここに、ちょっと強めの魔物が出る様にするよ。一番良い宝も手に入るんだ。その途中のは、罠や群れた魔物とかにする予定。森型だから、もちろん道だけじゃなくて、林の中にもいろいろ、仕掛けをするしね」
リョウは、ふふーんと、鼻唄を歌いながら、更に、何かを書き加えていく…身体を動かすのが好きとか言っていたが、何気に絵も上手いんだよな…今も、トレントに似た魔物の絵を描いている。
そこに、烈震親子とユキが加わり、意見を言い出した。が、三人が気になっているのは、魔物が落とすアイテムや宝箱の中身らしい。
「クラリーちゃんは?ダンジョン創り、参加しないの?」
ちょっと、距離をとってる感じで見ているクラリーちゃんに、声をかけてみた。
「私は、創る方より、体験する方に興味があります。魔物と戦ってみたいです」
そ、そうなんだ…外見は、おとなしそうな少女なのに…、一時期とはいえ、凶戦士の職がついていたからか?
「では、リョウがダンジョン創りをしている間、ワシと修行でもするか?」
突然、声がした方に振り向くと、ココを送ってきたのか、モンディールが立っていた。
「おっさん、呼んでもないのに現れるのか?って、火山の方はいいのかよ?」
「問題ない、新たに出来た土地も、冷めるまで待たんといかんし、シーズの者達も皆落ち着きを取り戻したからな。モン族も帰り仕度を始めておる」
「モンディール様、修行して下さるというのは本当ですか?」
「本当だとも、ダンジョンを楽しむ為にも強くなっていた方が良いのだろ?」
「では、お願いします」
いや、今の状態でも十分強いんだけど…と、思ったけれど、とても良い笑顔のクラリーちゃんには言えず。モンディールとの修行に行くのを見送った。
ちなみに、帰ってきたばかりのココも、ダンジョン創りより、クラリーちゃんの修行の方が興味があるというのでついていった。
「ダンジョンが出来てから、ダンジョンで修行しても良いんだけどな…」
俺と一緒にクラリーちゃん達を見送っていたリョウがポツリと呟いた。
「そういう場としてのダンジョン創りなんじゃがな…」
じいちゃんも、モンディールの行動にちょっと、呆れたように呟いている。
気を取り直した二人が図面を見ながら、話し合いを始め、しばらくそれを見ていたが、昼近くになってきたので、部屋を出て、食事の支度をすることにした。
午後は、俺は別行動で、バレンと一緒に、ニーツにカエルを運ぶ予定が入っている。災害があったけど、神々や精霊のおかげで、落ち着くのが早かったからね。逃げてないようなら、送って欲しいと連絡が来たそうだ。しかし、道がまだ復旧してないので、俺が運ぶ事にしたのだ。
道の方も、じいちゃんと烈震で直ぐに復旧させると言ったのだが、そこまで甘えられませんと、集落と蜘蛛絹の里の者が作業している。
その人達の昼食の差し入れもしないとな。
紙には、ダンジョンの全体図だと思われる森が描かれていた。
「これが今創ってるダンジョンの図面か?」
「そうだよ。初級だから、そんなに複雑じゃないけど、行き止まりが多くある、ちょっと、めんどくさい迷路にしてみたんだ」
だな。しかも、見たところ主要道路かと思う様なのが、行き止まりや、怪しい広場に繋がっている…
「この広い所に、ボスの魔物が出るようにするのか?」
「あ、うん。一番奥のここに、ちょっと強めの魔物が出る様にするよ。一番良い宝も手に入るんだ。その途中のは、罠や群れた魔物とかにする予定。森型だから、もちろん道だけじゃなくて、林の中にもいろいろ、仕掛けをするしね」
リョウは、ふふーんと、鼻唄を歌いながら、更に、何かを書き加えていく…身体を動かすのが好きとか言っていたが、何気に絵も上手いんだよな…今も、トレントに似た魔物の絵を描いている。
そこに、烈震親子とユキが加わり、意見を言い出した。が、三人が気になっているのは、魔物が落とすアイテムや宝箱の中身らしい。
「クラリーちゃんは?ダンジョン創り、参加しないの?」
ちょっと、距離をとってる感じで見ているクラリーちゃんに、声をかけてみた。
「私は、創る方より、体験する方に興味があります。魔物と戦ってみたいです」
そ、そうなんだ…外見は、おとなしそうな少女なのに…、一時期とはいえ、凶戦士の職がついていたからか?
「では、リョウがダンジョン創りをしている間、ワシと修行でもするか?」
突然、声がした方に振り向くと、ココを送ってきたのか、モンディールが立っていた。
「おっさん、呼んでもないのに現れるのか?って、火山の方はいいのかよ?」
「問題ない、新たに出来た土地も、冷めるまで待たんといかんし、シーズの者達も皆落ち着きを取り戻したからな。モン族も帰り仕度を始めておる」
「モンディール様、修行して下さるというのは本当ですか?」
「本当だとも、ダンジョンを楽しむ為にも強くなっていた方が良いのだろ?」
「では、お願いします」
いや、今の状態でも十分強いんだけど…と、思ったけれど、とても良い笑顔のクラリーちゃんには言えず。モンディールとの修行に行くのを見送った。
ちなみに、帰ってきたばかりのココも、ダンジョン創りより、クラリーちゃんの修行の方が興味があるというのでついていった。
「ダンジョンが出来てから、ダンジョンで修行しても良いんだけどな…」
俺と一緒にクラリーちゃん達を見送っていたリョウがポツリと呟いた。
「そういう場としてのダンジョン創りなんじゃがな…」
じいちゃんも、モンディールの行動にちょっと、呆れたように呟いている。
気を取り直した二人が図面を見ながら、話し合いを始め、しばらくそれを見ていたが、昼近くになってきたので、部屋を出て、食事の支度をすることにした。
午後は、俺は別行動で、バレンと一緒に、ニーツにカエルを運ぶ予定が入っている。災害があったけど、神々や精霊のおかげで、落ち着くのが早かったからね。逃げてないようなら、送って欲しいと連絡が来たそうだ。しかし、道がまだ復旧してないので、俺が運ぶ事にしたのだ。
道の方も、じいちゃんと烈震で直ぐに復旧させると言ったのだが、そこまで甘えられませんと、集落と蜘蛛絹の里の者が作業している。
その人達の昼食の差し入れもしないとな。
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