異世界人拾っちゃいました…

kaoru

文字の大きさ
140 / 149
新たな旅立ち

ダンジョン創り 13

しおりを挟む
 リョウ達がダンジョン内の設定を考えてる間、空の使者に渡されたダンジョンの予定案を見てみることにした。

 先ずは、ここの初級ダンジョンで、人々の様子を観ることになっているんだな。それを元に他のダンジョンを創り始めるらしい…大まかな設定は、それぞれの担当する神の能力で決まっていて、場合によって、他の神々も協力するらしい。
 この大陸の上級者用は、モンディールおっさんが担当者で、火属性の魔物の出没地帯予定となっている。管理者は…管理者もモンディールになっている但し(竜体形)って、竜王達の棲みかみたいな感じになるのかな?もしかすると、ラスボスというのもおっさんがやったりして…ハハ、まさかね。
 
 マクーの初級は、ルーという太陽神の一柱が担当するのか、俺は面識がないからどんな神様か分からないが…乾燥に強い魔物や鉱物関係の魔物予定になっている。
 乾燥地帯となると水の確保が重要になるのかな?それと、暑さとかかな?
 管理者は…
 
 どうなるんだ?

 上級は、ガランが担当で、地属性の魔物達。
管理者が、烈震になってるんだけど…烈震は、知っているのか?俺が教えたらヤバイのかな?

『じいちゃん、ちょっといい?』

『なんじゃ?同じ部屋に居るのに念話なんぞ使いおって』

『マクーの上級者用の管理者が烈震になっているんだけど、烈震は知ってるの?』

『ああ、その事か。まだ、話してはないから、内緒にしておいてくれ。このダンジョンの様子を見てから話す予定じゃ』

『分かった。ありがとう』

 おっと、危なかったな。マクー大陸のは、ミンテに預け直し、暫く出さずにおこう。

 続いては、ゲトー大陸。ゲトーの初級は…あっ…シスが担当になってる。ま、まぁ、神獣達の贔屓の場所だが、あの大陸の植物を育てたのはシスだからな…魔物も、風属性に、植物関係となっている。管理者はドライアド、木の妖精か、ドライアドは人形ひとがただから、適任かも知れないな。
 上級者は、うわっ、担当者が神獣達になってる。大丈夫なのか?
 神獣のほとんどは、好戦的で、挨拶代わりに戦うと聞いてるんだけど…烈震達が楽しめるダンジョンになるのかな?
 管理者は、リザードマン族になっている。
 これも、大丈夫なのか?転異者と揉めるんじゃないのか?
 まぁ、予定案だし、何か、対策があるのかも知れないな。

 次は、エンプ大陸。
 エンプの初級は…お、ここは神が担当者じゃないんだ。魔王が担当者になっていて、魔族が管理者。
 どうやら転異者の意見が反映されたダンジョンで、魔道具多用の何やら面白いモノになりそうな感じに書かれている。
 上級者の方が、アガトー様と雪の女王で、管理者が氷の乙女達(助手:雪ん子)となっている。
 まぁ、妥当だね。魔物も氷や雪よりの水属性のモノになる予定。

 スーン大陸は…予想していた通り、初級は、パルカ三姉妹(主にタルティーヌ)と、豊穣の神であるタケミナカタが担当で、魔物の系統は書いてないが、入手アイテムが食材となっている。

 …食べ物に関して、貪欲過ぎる。大丈夫なのか?

 管理者が、小人族となっているが…小人族の殆どは、家妖精がほとんどで、家事手伝いが主な仕事になっているハズなのだが、大丈夫なのか?
 平和そうなダンジョンだけど…なんだろう、神獣ダンジョンと同じぐらい不安な気持ちになるのは、何故だろうか?
 上級者用は、アマテラスとツキヨミとスサノオの姉弟神で…て、アマテラスとスサノオの姉弟喧嘩の神話があったよな…大丈夫なのか?
 スーン大陸を守護している神々は、馴染みがないからなぁ…
 んー、どうなんだ…あ、このダンジョンには、近づかないでおこう。
 魔物の系統が蟲系だからな。
 管理者は…ん?貧乏神?

 …え?

「はぁ?」

「な、何?ディルどうしたの?急に変な声出して」

「あ、スマン。使者に渡されたダンジョン予定案を読んでいたんだが、スーン大陸の上級ダンジョンの管理者が『貧乏神』になっているんだ」

「え?貧乏神がいるの?」

「じいちゃん、どういうこと?」

「…この世界にも居ったんじゃな。い、言ったであろう?沢山居て覚えとらんと…」

「へぇ、知識の神なのに?」

「う、スーン贔屓の神々は、呼び名も色々でなよく分からんのだ…しかも、天上でもワシらとは、違う区間に居を構えておるしのう…あ、ああ、そう言えば、精霊達の様に地上人によって神格化した者達の中に、変わった者達がおったなぁ…」

「でも、貧乏神が管理するダンジョンって、どうなるの?」

「予定案では、ダンジョン創りは、アマテラス、ツキヨミ、スサノオの三姉弟がするみたいだ」

「え?天照大神がいるの?」

「ん?オオミカミ?リョウは、アマテラス神の事を知ってるのか?」

「うん、太陽神で、日本の最高神だよ。ツクヨミノ命とスサノオ尊と姉弟っていうのも一緒だよ」

「魔獣とかと一緒で、名前が同じ神が居るんだな。もしかして神話もあるのか?」

「もちろん!…天照大神とスサノオ尊のケンカの話があったけど?天岩戸に隠れるの」

「アマノイワト?姉弟喧嘩して、スサノオ神が天上から追い出され、地上に落とされるだけじゃないのか?」

「こっちでは、それだけなんだ。日本では、その時に、天照大神が岩屋に隠れて地上が暗黒になり、悪霊が溢れて災いが起こって大変なことになったから、宴会を開いて岩屋から誘い出した話が有名だよ」

「そ、そうなのか?」

 宴会で誘い出す?なんだかよく分からんが、日本に居る姉弟神も喧嘩をしてたんだな…今度、タクマさんに詳しく教えてもらおう。

「スーン大陸って、もしかして日本みたいなのかな?お米もあるとか言ってたよね」

「ん?リョウは、米が食べたいのか?確かに、スーンでは、米が主食じゃぞ」

「うん、異世界モノだと、米が無くて、似た植物を探すところから始めたり、家畜の餌で、人は食べてなかったりしたけど、この世界は、ちゃんと人の食べ物なんだね」

「…米を育てるにはかなりの労力が必要であるのに、家畜の餌とは随分手の掛かる家畜を飼っておる世界があるのだな。それほど人口が多いのかのう?それとも、こちらの世界とは異なる品種で、牧草の様に育てられるのかのう?」

「そういえば…そうだよね。どういう設定の植物だったんだろう?」

 スーン…日本に似ているというので、食べ物の話になるんだ。タルティーヌが、贔屓している理由がこれか?
 それより俺は、貧乏神が気になっているんだけどなぁ…







 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...