猫を飼いたいと思ったのだけど…

kaoru

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『カチャッ』

 ドアを開ける音で目が覚め、慌てて起き上がった。
 
 さっき、支えてくれた女性だ。

 ちょっと横になるだけだと思っていたのに寝てしまって…ハズカシイ…

「あっ、起こしちゃったわね。ごめんなさい」

「い、いえ、もう大丈夫なので…」

 女性は、本当に?という感じの視線を向けてきた後、頷いて横に腰かけた。

「関くんに聞いたんだけど、あなた、猫の里親希望なの?」

「あっ、はい、出来れば飼いたいと思っているんですが、一緒に生活できるのか、不安で…」

「そうねぇ、飼ってみないと分からないわよね。でも、可愛いと言って直ぐに買ってきて、直ぐに手放してしまうような人より、いろいろ考えるのは、良い事だと思うわよ」

「そ、そうでしょうか?」

「私は、そう思っているわよ。考えずに購入して、手に終えなくなって、虐待したり、捨てたりするよりいいわよ。でも、気になるのは、あなたが、犬を嫌いになった理由を話せるかしら?」

「え?」

「昔、噛まれたことがあるとか、引っ掛かれたりして嫌いになったの?」

「い、いえ、昔、野犬に追いかけられたことがあって…大型犬二匹と中型犬、三匹に…」

「野犬がいたの?三匹も?」

「あ、いえ、六匹って聞きました。実家が山の方なんですけど、捨て犬が群れをつくっていたことがあって…私は、逃げ切れたんですが、別の日、同級生が襲われ、噛まれたりして大変な騒ぎになりました」

「そう、下手をすれば、死人が出てもおかしくない事だものね。それは、怖かったでしょう」

 え?納得してもらえた?

 いつも『追いかけられたぐらいで大袈裟だ。怪我や噛まれた子はもっと怖い思いした』と言われてばかりだったのに…

「そういう事なら、大丈夫かしらね?猫の方が小さいけど、犬と同じように、爪も牙も持っているのは、分かっているわよね?」 

「それは…はい。分かってます。爪切りが嫌いな猫が多いとか、噛み癖もちゃんとしつけないと危険だとか、聞いてます」

「それなら、先ずは慣れる事から始めないといけないわね。猫を見に行きましょう。この後の予定は?」

「は?」
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