猫を飼いたいと思ったのだけど…

kaoru

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審査?

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 席に座り膝の上に乗った茶トラの猫を改めてよく見てみる。お腹部分は白く、背中から尻尾の方は全体的に茶色の縞模様、顔はハチワレで鼻の上から白くなっている。ちょっと、柴犬に似ている、日本猫の顔つきってことだよね。
 目茶苦茶かわいい。
 この子なら、直ぐに里親が見つかりそうなのに、何でだろう?

「この子は、保護してどれぐらいなんですか?」

「この子が、さっき話した十歳の子よ」

「えっ?」

 抱っこした子を見て、店内のあちこちに居る猫を見てみる。明らかにこの子より大きな猫が何匹か居るんだけど…

「ああ、あの子達は、メイクイーンの血が混じっているって言われた子達なの、四ヶ月前にウチに来た子達よ。生まれて半年ぐらいのね。あの日向ぼっこしてる黒い子が一番大きくて今四キロあるわね。まだまだ、育ち盛りの子猫よ」

「そ、そうなんですね。外見だけだと、こっちの子の方が子猫だと思ってました」

 その瞬間、膝の上の子が、眉間にシワを寄せギロリと睨んで来たような感じがした。

「え?」

 一瞬だったから、確かめようがないけど、今のは何?どういうこと?嫌われた?この子に、嫌われると里親になれないんだっけ?

「どうしたの?」

 井之上さんが、不思議そうに聞いてきた。

「この子に、嫌われると里親になれないんですよね?今の状況って、どういう意味があるんですか?」

 ワタシの質問に、今度は、困ったように首を傾げて膝の上の猫を見ている。

「それがね。実は、初めてなのよ」

「初めて?」

「そう、この子が自分から人に寄って来たことがなかったのよ。すごく賢い子でね。私達の言葉を理解しているんじゃないかってぐらい、聞き分けがよくて、お店が開いてる間は、ほぼあの上から動かないし、問題があるお客様がお越しになった時だけしか降りてきた事がないのよ」

 あ、さっきこの子が近づいて来た時のざわめきは、そういう事だったんだ。問題のある人間だと思われた。でも…

「えーと、これは、嫌われている訳ではないんですよね?」

「嫌いな人に抱っこされに行く猫は見たことないわね。普通は、逃げるハズよ」

 そうなんだ。この子がこうして抱っこされてるんだから、猫を飼ってもいいんだよね。
 良かった~

「この子の里親になれるんですか?」

 十年もここに居るんだから、完全に主だよね。こんなに直ぐに寄ってきてくれたけど、飼うのは別の猫にした方がいいかな?
 井之上さんも、なんか戸惑っていて、さっきまでとは違い、少し考えこんでしまった。

「…一応、そういうことになっては居るのだけど…この子が、懐く人が居るとは、思ってなかったから、どうするか、スタッフ達にも相談してみてから、返事をしていいかしら?」

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