オラクル

kaoru

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第二章 青玉

五話

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「おぅ、始めはクーリィ様のパーティの荷物持ちとして旅に同行し、いろいろな場所で、いろいろなモノを見せてもらった。いろんな人にも会ったが、本当にいろいろあって面白いんだ」

「いろいろ?」

「そう、姿形しろ、思考の仕方にしろ納得出来るモノに、出来ないもの、特に納得いかないモノの事を考えると頭が痛くなるが、疑問も尽きなくてもっと知りたくなってしまう」

 ???

「分からんか?まぁ、周りの者にも、納得出来ないのならほっとけ、と言われるが、ワシの性分だからしょうがない、それこそワシの事は、ほっとけだ。ワッハッハッ」

「自分でそれを言いますかねぇ•••」

 先生が呆れたように呟いてるけど•••

「船長さん、納得出来ないモノってなんですか?」

「そうさなぁ•••ワシの好きなもので、酒と言うのがある。神子様は知ってるかな?」

「知ってる。父さんが時々飲んでました」

「ハッハッ、確かに、クーリィ様もお好きでしたな。その酒を造るのには時間が掛かります。その時間を短く出来んかと思って、いろいろ試しましたが、上手く行きませんでした。それこそ酒の神であるゼッカ様の力を借りても最短で十日程」

「ん~~?」

「どうしました?」

「十日なら早いんじゃないんですか?」

「まぁ、早いですわな。しかし、もっと早く出来ないかと思うわけですよ。ですが、それ以上早めようとすると美味いものが出来んのです」

「そうなんですか?でも、その待ってる間が楽しいと思いますけど?」

「フッ、おお、やはりクーリィ様の子ですな。クーリィ様と同じことを仰る。しかしですなぁ、その待ってる間も気になって気になって、他の事が出来んのですわ」

「えーと、じぁゃ、同じ物を造り続ける?」

「ワシも、そう思って酒造場で働こうとしたんですがね。そういうところは、仕込みだけじゃないですか、それが嫌でしてねぇ」

「仕込み以外?」

「フー、この船長はね。お酒を造るのに必要な道具の手入れや、仕込んだあとの管理、出来上がった後の処理、更に、場所によっては、原料から作っている酒造場もある。そういう事はしたくないという。とてもワガママな考えの持ち主なんだよ。それに、さっきの話で分かる通り、とてもせっかちで、いい加減なところがあるんだ」

 ちょっと呆れたような感じに、先生が教えてくれたけど―

「えーー、父さんも、母さんも何かを作り上げる道具は、大切にしなさいって言ってましたよ。だから、父さんたちは、丁寧に使って、使った時間と同じぐらい手入れもちゃんとして綺麗にしてたのに•••」

 思わずジト目で見てしまうと、船長さんが、突然胸を押さえた。

「うぐっ。周りのもんにいろいろ言われてきたが、こんな小さい子供から、そんな目で見られると一番応えるな」

「新人で入って、仕込みだけがしたいなんて、ワガママ何処に行っても通りませんよ。個人で楽しむだけにすれば良いのに、それだと待ってられない。続けて作るには、資金がないし、それこそ、道具や出来上がるまでの管理もいい加減、早く出来ればいいなんて考えより、その他の事も納得行くよう状況を整えてからやれば、誰もうるさく言いませんよ」

「それが出来るようなら、仕込んでから出来上がるまでの期間に文句なんて出やしませんよ」

 •••な、なんだろう?昨日から、わからないことだらけで、この船長さんの言うこともよく分からない。

「えーと、道具の手入れとか、管理が苦手なのに船長は出来るの?」

「うん。フー、いい質問だ。この船長、かなり駄目な大人に成長したが、一つだけ、凄い特技を持っているんだよ」

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