16 / 155
マクー大陸で家造り
伝説の…
しおりを挟む
「むかし、良質の金剛石が出るとされる採掘場があった。しかし、一時を境に、採掘量が減り、魔物が多く発生するようになった。元からいた採掘者は、新参者の中に魔物を呼ぶ者が居るとして、一人の男に白羽の矢を当て、吊し上げた。しかし、その男は、ドワーフ族ではなく、テルキネス…ヘパイトス様の元で働く『たたく妖精』の一人であった。テルキネスは、ヘパイトスの使者として、その採掘場の寿命を教えに来たのだが、聞いてもらえなかった上に、吊し上げられた事に腹を立て、採掘場の寿命を教えず姿を消すことにした。そして、それから直ぐに、採掘場に多くの魔物が発生して大暴れし多くの採掘者が命を落とすことになった。そもそも、魔物が増えた原因は、採掘量が減った事に苛立ち、短気になって、暴力を振るっていた元々いた採掘者の所為であった。そして、長い月日が立ち、その採掘場があったところに、泉が出来た。更に、月日が立ち、一人の鍛冶師がその泉の岸に立ち、自分の鍛冶の腕が上がらないことを嘆いた。すると、泉から一本の鎚が現れた。不思議に思ったが鍛冶師は、その鎚で一振りの刀を鍛えた。すると、今までにない、最高の一振りが出来たと言う。そして、その鍛冶師は、国一番の鍛冶師になったそうだ」
久々に聞く、この世界の物語だ。
「その鍛冶師が、伝説の鍛冶師と言うこと?」
「…話には続きがあって、その鍛冶師の兄弟子が急に腕を上げた事に疑問を持ち、見慣れぬ鎚を怪しみ、腕の良い鑑定士を雇って鑑定したそうだ」
「それで?」
「魔物を呼び寄せていた採掘者の魂は、黄泉の国の番人の指示に抗って、番人を怒らせた。番人は、採掘者の魂を鎚に変え地上に戻したと…」
わ、呪いの鎚ってこと?
「その鎚で、千の神器を造り出したなら、魂は浄化され輪廻の輪に戻れる事になっていたそうだ」
「…どうしたの?その鎚」
「鑑定士と兄弟子は、しばらく様子を見ることにした。すると、国一番となった弟弟子に異変が生じ…徐々に、魔物の様な姿になり、刀を打ち続けるようになった。その姿に怯え、国王に報告すると、討伐されることになったが、それを、察知した鍛冶師は何処かに消えてしまった。国王は、大陸全土におふれを出し探索したが見つけることは出来なかった。ただ、不思議なことに、その時に、依頼を出していた矛と盾が、鎚が現れ出たという泉の岸辺で発見された。そして、それからは、その泉に欲しい物を言うと、それが泉から涌き出る様になり、中には、神器に並ぶ物も出る事があるそうだ」
「んん?どういう事?伝説の鍛冶師って、旅に出てたんだよね?それと、その泉は関係あるの?」
僕が訳がわからず唸っていると、獣人族の冒険者二人が何やら、感心し出した。
「へぇー、あの泉の話ってそういうモノだったんだ」
「俺達の知ってるのは、採掘場の寿命を教えなかったテルキネスが、後から悔いて、一人の鍛冶師に鎚を与えたけど、それを妬んだ兄弟子に殺され、泉に沈められた鍛冶師の魂が、願いを叶えてくれるというものだけどな」
「ああ、それは、改正版ですね」
獣人さん達の話を聞き、さらっと、ディルが教えてくれる。
はぁ…、またか、なんで、神様達って、回りくどい話が好きなんだろう?
「……それって、本当は、どういう話だったの?」
「元々、テルキネス達が住んでいた鉱山に、ドワーフ達が来て、荒らすようになったから、テルキネスとドワーフの争いが起こったんだ。で、テルキネスは、ヘパイトス様の下働きをしていたから、ドワーフ達は、ヘパイトス様により退けられその鉱山に入山することを禁止された。そして、この争いから地上を嫌ったテルキネスは鉱山に潜り、注文窓口として泉が出来たんだ」
注文窓口…
「なんで、神様達は、ややこしい話考えるんだろ?」
「まぁまぁ、娯楽のひとつだ。元居た世界にもあったのだろ?『ふぃくしょん』とか言うやつだ」
「へ?何?どういうこと?」
「五大陸物語って、嘘だったってこと?」
ほら、獣人さん達戸惑ってるよ。
「五大陸物語は、三分の二は、作り話なんですよ」
「そうなんだ。流石、エルフだね。神に一番近い種族で仲が良いと聞くもんな」
あ、すんなり受け入れちゃうだ。
「じゃ、伝説の鍛冶師っていうのは、そのテルキネスって妖精なのかい?」
「そうなんですよ。で、お二人は、どこに、泉があるかご存知ですか?」
ん?
「いや、俺達も、さっき、ギルドで聞いただけで、詳しくは聞いてないんだ」
「まぁ、しばらく定住するのは、ダンジョンの近くじゃないかって、皆、噂してたけどな」
定住?
「ディル、質問」
「なんだ?」
「泉の場所が分からないってどういうこと?」
「ああ、移動するんだよ。長い時は三年程、定住するようだけど、大抵は、一年毎に、受付場所を変えるんだ」
「えーと、それを、旅と言ってるの?」
「いや、大抵は…いや、最近は『てんきん』とか言ってたかな?で、今回は『旅に出ます』と書き置きがあったから、旅と言っていたんだ」
…てんきんって、転勤ってことだよね。うわ、ヘパイトス様も、僕達に影響されてるってこと?…ん、書き置き?まぁ、それは、いいか…
「えーと、じゃぁ、僕はその泉を探して、防具を頼めば良いの?」
「そうだな、先ずは、泉で聞いてみるのが良いかもな」
あ、造る人が決められている訳ではないのか?何人か、候補がいて、僕に合った防具を造ってくれる人を探せばいいということか。
久々に聞く、この世界の物語だ。
「その鍛冶師が、伝説の鍛冶師と言うこと?」
「…話には続きがあって、その鍛冶師の兄弟子が急に腕を上げた事に疑問を持ち、見慣れぬ鎚を怪しみ、腕の良い鑑定士を雇って鑑定したそうだ」
「それで?」
「魔物を呼び寄せていた採掘者の魂は、黄泉の国の番人の指示に抗って、番人を怒らせた。番人は、採掘者の魂を鎚に変え地上に戻したと…」
わ、呪いの鎚ってこと?
「その鎚で、千の神器を造り出したなら、魂は浄化され輪廻の輪に戻れる事になっていたそうだ」
「…どうしたの?その鎚」
「鑑定士と兄弟子は、しばらく様子を見ることにした。すると、国一番となった弟弟子に異変が生じ…徐々に、魔物の様な姿になり、刀を打ち続けるようになった。その姿に怯え、国王に報告すると、討伐されることになったが、それを、察知した鍛冶師は何処かに消えてしまった。国王は、大陸全土におふれを出し探索したが見つけることは出来なかった。ただ、不思議なことに、その時に、依頼を出していた矛と盾が、鎚が現れ出たという泉の岸辺で発見された。そして、それからは、その泉に欲しい物を言うと、それが泉から涌き出る様になり、中には、神器に並ぶ物も出る事があるそうだ」
「んん?どういう事?伝説の鍛冶師って、旅に出てたんだよね?それと、その泉は関係あるの?」
僕が訳がわからず唸っていると、獣人族の冒険者二人が何やら、感心し出した。
「へぇー、あの泉の話ってそういうモノだったんだ」
「俺達の知ってるのは、採掘場の寿命を教えなかったテルキネスが、後から悔いて、一人の鍛冶師に鎚を与えたけど、それを妬んだ兄弟子に殺され、泉に沈められた鍛冶師の魂が、願いを叶えてくれるというものだけどな」
「ああ、それは、改正版ですね」
獣人さん達の話を聞き、さらっと、ディルが教えてくれる。
はぁ…、またか、なんで、神様達って、回りくどい話が好きなんだろう?
「……それって、本当は、どういう話だったの?」
「元々、テルキネス達が住んでいた鉱山に、ドワーフ達が来て、荒らすようになったから、テルキネスとドワーフの争いが起こったんだ。で、テルキネスは、ヘパイトス様の下働きをしていたから、ドワーフ達は、ヘパイトス様により退けられその鉱山に入山することを禁止された。そして、この争いから地上を嫌ったテルキネスは鉱山に潜り、注文窓口として泉が出来たんだ」
注文窓口…
「なんで、神様達は、ややこしい話考えるんだろ?」
「まぁまぁ、娯楽のひとつだ。元居た世界にもあったのだろ?『ふぃくしょん』とか言うやつだ」
「へ?何?どういうこと?」
「五大陸物語って、嘘だったってこと?」
ほら、獣人さん達戸惑ってるよ。
「五大陸物語は、三分の二は、作り話なんですよ」
「そうなんだ。流石、エルフだね。神に一番近い種族で仲が良いと聞くもんな」
あ、すんなり受け入れちゃうだ。
「じゃ、伝説の鍛冶師っていうのは、そのテルキネスって妖精なのかい?」
「そうなんですよ。で、お二人は、どこに、泉があるかご存知ですか?」
ん?
「いや、俺達も、さっき、ギルドで聞いただけで、詳しくは聞いてないんだ」
「まぁ、しばらく定住するのは、ダンジョンの近くじゃないかって、皆、噂してたけどな」
定住?
「ディル、質問」
「なんだ?」
「泉の場所が分からないってどういうこと?」
「ああ、移動するんだよ。長い時は三年程、定住するようだけど、大抵は、一年毎に、受付場所を変えるんだ」
「えーと、それを、旅と言ってるの?」
「いや、大抵は…いや、最近は『てんきん』とか言ってたかな?で、今回は『旅に出ます』と書き置きがあったから、旅と言っていたんだ」
…てんきんって、転勤ってことだよね。うわ、ヘパイトス様も、僕達に影響されてるってこと?…ん、書き置き?まぁ、それは、いいか…
「えーと、じゃぁ、僕はその泉を探して、防具を頼めば良いの?」
「そうだな、先ずは、泉で聞いてみるのが良いかもな」
あ、造る人が決められている訳ではないのか?何人か、候補がいて、僕に合った防具を造ってくれる人を探せばいいということか。
0
あなたにおすすめの小説
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~
存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?!
はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?!
火・金・日、投稿予定
投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる