44 / 45
44
しおりを挟む
池にキャトルが飛び込んだ。浮いてくるどころか、透明なはずの水中にキャトルの姿が見えなくなる。
「キャトル!!?」
池に飛び込もうとした途端、大きな水しぶきが上がり、そこに透明な人が浮かんでいた。
よく見ると、どうやら水で出来ているらしく、時たま表面が波打っている。人の周りにも水滴が浮遊してとても幻想的な光景だ。
「じゃなくて!キャトル!!あだっ!!」
一瞬呆けてしまったが、本来の目的を思い出し池に飛び込もうとするが、見えない壁の様な物が出来ていて跳ね返されてしまった。
現れた人型の何かは、俺の事など気にする事なく、静かに言葉を発する。
『そなたが落としたのは【金のエンジェルムッカ】か?それとも【銀のエンジェルムッカ】か?』
そう言って差し出されたのは、キャトルの形をした金と銀の像。
「違う!キャトルを返してくれ!」
冷静になれば、これが童話を元にしたクエストであるだろうと予想できたかもしれないが、キャトルが水に飛び込み浮いてこない事や姿が見えない事でパニックになった俺は、見えない壁をひたすら叩き訴え続けた。
『そうか。ではこれを。』
水中に消えてしまい更に焦ったが、すぐキャトルを持って戻ってきた。
手に乗せられたキャトルは自力で飛び、見えない壁をすり抜けこちらへと戻ってきた。
「あぁ、キャトル!!」
「キュゥキュゥ!」
慌てて抱きしめる。キャトルの体は不思議と濡れていなかった。
本人は楽しかったのか、とてもはしゃいでいる。そんな姿に体を離し、顔の高さまで持ち上げる。
「だめだろ!危ない事しちゃ!」
「キュゥ!?キュゥ~…。」
反省したのか声に驚いたのか、しょんぼりと落ち込むキャトル。
『主、気持ちは分かるがその位に。』
「うぅ~、無事でよかったぁ。」
ハティに止められ少し落ち着いたところでもう一度抱きしめる。ぎゅーっとキャトルも抱きついてきた。
『そなたの心を認め、これを授けよう。』
人型の何かは、一枚の金のメダルを残し消えていった。
その後、キャトルはみんなに囲まれてお説教タイム。一連の騒ぎでリスは側には居なかった。
俺は貰ったメダルを見る。
硬貨よりもかなり大きい掌サイズのそれは、表には月と太陽、裏には魚と水が象られている。
【ウンディーネのメダル】
水の精霊ウンディーネの力が宿ったメダル。
説明もこれだけ。
達成クエストリストに【ウンディーネの試行】とあるので、クエスト報酬か何かだろうが分からん。
そもそも、あの人型の何かがウンディーネだったのだろうか。
状況について行けず、全く考える余裕は無かったんだよなぁ。
「まぁ、終わった事だし考えても仕方ないか。」
そう結論づけて立ち上がる。
「みんな、そろそろ行こうか!」
俺の声に反応してみんなが集まる。
さっきから落ち込みっぱなしのキャトルを撫で、森を後にした。
そして、4日の冒険を終えて、隣の街【ネックス】へと到着した。
「着いたー!」
道中、新しいモンスターや植物を見つけたが、お目当の【ナトラシェパリー】には出会えなかった。
もっとゆっくり探す予定だったんだけど、手に入れたアイテムが多すぎて鞄に入りきらず、仕方がなく街へと急いだのである。
ここに来て、まさかの風呂敷再び!!
風呂敷と言っても、麻布はキャトル用のショルダーになってしまっているので無い。
じゃぁ、何を背負ってるのかって?
……葉っぱです。
いやぁ、凄く大きくて丈夫な葉っぱがあってさ!ツタも見つけたから、荷物をぐるぐる巻きにして背負ってる訳よ!
最初上手く包めなくて、試行錯誤してたら【工作】なんてスキルをゲットしましたよ!!
いやー、得したな!!!!
退化したとか言わないでねorz
「キャトル!!?」
池に飛び込もうとした途端、大きな水しぶきが上がり、そこに透明な人が浮かんでいた。
よく見ると、どうやら水で出来ているらしく、時たま表面が波打っている。人の周りにも水滴が浮遊してとても幻想的な光景だ。
「じゃなくて!キャトル!!あだっ!!」
一瞬呆けてしまったが、本来の目的を思い出し池に飛び込もうとするが、見えない壁の様な物が出来ていて跳ね返されてしまった。
現れた人型の何かは、俺の事など気にする事なく、静かに言葉を発する。
『そなたが落としたのは【金のエンジェルムッカ】か?それとも【銀のエンジェルムッカ】か?』
そう言って差し出されたのは、キャトルの形をした金と銀の像。
「違う!キャトルを返してくれ!」
冷静になれば、これが童話を元にしたクエストであるだろうと予想できたかもしれないが、キャトルが水に飛び込み浮いてこない事や姿が見えない事でパニックになった俺は、見えない壁をひたすら叩き訴え続けた。
『そうか。ではこれを。』
水中に消えてしまい更に焦ったが、すぐキャトルを持って戻ってきた。
手に乗せられたキャトルは自力で飛び、見えない壁をすり抜けこちらへと戻ってきた。
「あぁ、キャトル!!」
「キュゥキュゥ!」
慌てて抱きしめる。キャトルの体は不思議と濡れていなかった。
本人は楽しかったのか、とてもはしゃいでいる。そんな姿に体を離し、顔の高さまで持ち上げる。
「だめだろ!危ない事しちゃ!」
「キュゥ!?キュゥ~…。」
反省したのか声に驚いたのか、しょんぼりと落ち込むキャトル。
『主、気持ちは分かるがその位に。』
「うぅ~、無事でよかったぁ。」
ハティに止められ少し落ち着いたところでもう一度抱きしめる。ぎゅーっとキャトルも抱きついてきた。
『そなたの心を認め、これを授けよう。』
人型の何かは、一枚の金のメダルを残し消えていった。
その後、キャトルはみんなに囲まれてお説教タイム。一連の騒ぎでリスは側には居なかった。
俺は貰ったメダルを見る。
硬貨よりもかなり大きい掌サイズのそれは、表には月と太陽、裏には魚と水が象られている。
【ウンディーネのメダル】
水の精霊ウンディーネの力が宿ったメダル。
説明もこれだけ。
達成クエストリストに【ウンディーネの試行】とあるので、クエスト報酬か何かだろうが分からん。
そもそも、あの人型の何かがウンディーネだったのだろうか。
状況について行けず、全く考える余裕は無かったんだよなぁ。
「まぁ、終わった事だし考えても仕方ないか。」
そう結論づけて立ち上がる。
「みんな、そろそろ行こうか!」
俺の声に反応してみんなが集まる。
さっきから落ち込みっぱなしのキャトルを撫で、森を後にした。
そして、4日の冒険を終えて、隣の街【ネックス】へと到着した。
「着いたー!」
道中、新しいモンスターや植物を見つけたが、お目当の【ナトラシェパリー】には出会えなかった。
もっとゆっくり探す予定だったんだけど、手に入れたアイテムが多すぎて鞄に入りきらず、仕方がなく街へと急いだのである。
ここに来て、まさかの風呂敷再び!!
風呂敷と言っても、麻布はキャトル用のショルダーになってしまっているので無い。
じゃぁ、何を背負ってるのかって?
……葉っぱです。
いやぁ、凄く大きくて丈夫な葉っぱがあってさ!ツタも見つけたから、荷物をぐるぐる巻きにして背負ってる訳よ!
最初上手く包めなくて、試行錯誤してたら【工作】なんてスキルをゲットしましたよ!!
いやー、得したな!!!!
退化したとか言わないでねorz
0
あなたにおすすめの小説
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します
miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。
そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。
軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。
誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。
毎日22時投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる