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Chapter.2 ラットヴィル編
Episode.14 正解のない答え
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次の日の朝、俺は昨日出した答えについて悩んでいた。
本当にあれで良かったのか、俺が出した結論が正解である保証はない。
ルドルフさんの話では、今日でこの村を発つはずだ。
コニーに何て言えば良いのだろう、その事を考えるだけで憂鬱になるのだった。
Episode.14 正解のない答え
「帰るって、どうしてですかっ!」
考え事をしていたせいで寝坊してしまい、コニーのその怒鳴り声で目が覚めた。
「…………」
本人から事情を聞かずとも何故怒っているのか、大体予想できてしまう。
布団から這い出て声のする場所へ向かうと俺以外の全員が集まり、話し合いをしている真っ最中だった。
「おはよう、寝坊助」
起きてきた俺に気付き、フィオが寝坊した事をからかってくる。
「すみません、寝坊してしまいました」
「ほっほっ、旅の疲れがでたんじゃろ? 仕方あるまい」
寝坊した俺をルドルフさんは笑って許してくれた。
「ロストさん、ロストさんも賢者様を説得して下さいっ!」
俺の寝坊のせいで話が逸れたが、コニーが興奮冷めやらぬといった様子で事の経緯を説明してくれる。
説明してくれた内容は、案の定この村を去る事についてだった。
「コニー、賢者様にだって事情があるのよ?」
「でも、まだお父さん見つかってないっ!」
興奮しているコニーをダリアさんが説得してくれるが、焼き石に水という状態だ。
「ロストさん、ロストさんは分かってくれますよね? お父さんを探すって」
「…………」
そのコニーの問いに俺は何も答える事が出来ない、もうブレットさんは帰って来ないと知っているからである。
「何で黙ってるんですか? ロストさん、大丈夫だって言ってくれたじゃないですかっ!」
その俺の反応にコニーは涙を溜め、泣くのを必死で我慢しながら叫ぶ。
「お父さんは――」
「コニーっ! いい加減にしなさいっ!」
叫ぶ事を止めないコニーを黙らせる為、ダリアさんがそうきつく注意する。
「っ!」
そのダリアさんの言葉を聞き、耐えきれなくなったコニーは一人で外へ飛び出して行ってしまった。
コニーが飛び出した後、皆の間に暫く沈黙が訪れる。
「仕方がないんです、あの子に話してもまだ理解できないでしょうし」
ダリアさんが沈黙を破り、立ち去ってしまったコニーについて言及する。
確かに昨日の事をコニーに話してもショックを受けてしまうだけだろう。
俺だってまだ引きずっているし、6歳の子にそれを理解しろなんて無理な話だ。
「あの子にはすまないが、儂らには何も出来ん」
ルドルフさんもそれを理解しているからこそ、村を出る選択をしたのだろう。
「あの子が大人になったら、分かる様になるはずよ」
フィオも悔しそうに顔を歪めているが、その言葉しか口にする事が出来ないでいる。
俺も同じ気持ちだ、この問題は元凶を何とかしておしまいっという訳にはいかない。
ただ、おしまいではないからこそコニーとはこのまま別れるべきではないと俺は思った。
「すみません、ルドルフさん出発は何時ですか?」
「お主が起きたら、発つつもりじゃったが……」
俺が出発する時間を尋ねるとルドルフさんは此方の表情を伺い、言葉を選ぶ様に続ける。
「気が変わった、ロストが戻るまで待つとしよう」
恐らく俺の表情が暫く待っていてほしいと訴えていたからだろう、ルドルフさんは発つ時間を遅らせてくれた。
「ありがとうございます」
俺は気を回してくれたルドルフさんに感謝し、頭を下げた後にコニーの元へと向かった。
「っと、やって来たけど何処にいるんだ?」
が、飛び出してから時間が経っていたのでコニーが何処にいるのか分からない。
「ん?」
村の人に聞こうか悩んでいた所、不意に横から肩を叩かれた。
「お゛ぉー……」
立っていたのは、心做しか元気のないゴーレムだった。
「あんたか、何か用か?」
ゴーレムは俺のその言葉に答えるかの様について来いとジェスチャーをする。
「もしかして、コニーの場所が分かるのか?」
それに頷くとゴーレムは先を歩き始めたので、俺も一緒について行く事にした。
案内されたのは村のはずれ、森には入らないが人通りのない空き地だった。
そこの中央の切り株に座り、泣いているコニーを発見する。
「案内、ありがとう」
「お゛ぉー……」
俺が礼を言うと用は済んだとでも言う様にゴーレムは立ち去ろうとする。
「あんたも行かなくていいのか?」
俺は何故か立ち去ろうとするゴーレムを呼び止め、一緒にコニーの元へ行こうと誘う。
ウォレスさんに聞いてはいないが、ゴーレムがブレットさんの生命力で動いているとしたらそこに意思は存在するじゃないかと思ったからである。
自分でも馬鹿げてるとは思っている。
でも、やりきれない想いからそんな言葉が口から出てしまったのだ。
しかし、俺のその言葉にゴーレムは一度立ち止まりはしたものの、振り返らず再び動き出して去って行った。
「……やっぱり、やりきれねぇわ」
ゴーレムが去った後、暫くそのまま動けずにそう呟く事しか出来なかった。
本当にあれで良かったのか、俺が出した結論が正解である保証はない。
ルドルフさんの話では、今日でこの村を発つはずだ。
コニーに何て言えば良いのだろう、その事を考えるだけで憂鬱になるのだった。
Episode.14 正解のない答え
「帰るって、どうしてですかっ!」
考え事をしていたせいで寝坊してしまい、コニーのその怒鳴り声で目が覚めた。
「…………」
本人から事情を聞かずとも何故怒っているのか、大体予想できてしまう。
布団から這い出て声のする場所へ向かうと俺以外の全員が集まり、話し合いをしている真っ最中だった。
「おはよう、寝坊助」
起きてきた俺に気付き、フィオが寝坊した事をからかってくる。
「すみません、寝坊してしまいました」
「ほっほっ、旅の疲れがでたんじゃろ? 仕方あるまい」
寝坊した俺をルドルフさんは笑って許してくれた。
「ロストさん、ロストさんも賢者様を説得して下さいっ!」
俺の寝坊のせいで話が逸れたが、コニーが興奮冷めやらぬといった様子で事の経緯を説明してくれる。
説明してくれた内容は、案の定この村を去る事についてだった。
「コニー、賢者様にだって事情があるのよ?」
「でも、まだお父さん見つかってないっ!」
興奮しているコニーをダリアさんが説得してくれるが、焼き石に水という状態だ。
「ロストさん、ロストさんは分かってくれますよね? お父さんを探すって」
「…………」
そのコニーの問いに俺は何も答える事が出来ない、もうブレットさんは帰って来ないと知っているからである。
「何で黙ってるんですか? ロストさん、大丈夫だって言ってくれたじゃないですかっ!」
その俺の反応にコニーは涙を溜め、泣くのを必死で我慢しながら叫ぶ。
「お父さんは――」
「コニーっ! いい加減にしなさいっ!」
叫ぶ事を止めないコニーを黙らせる為、ダリアさんがそうきつく注意する。
「っ!」
そのダリアさんの言葉を聞き、耐えきれなくなったコニーは一人で外へ飛び出して行ってしまった。
コニーが飛び出した後、皆の間に暫く沈黙が訪れる。
「仕方がないんです、あの子に話してもまだ理解できないでしょうし」
ダリアさんが沈黙を破り、立ち去ってしまったコニーについて言及する。
確かに昨日の事をコニーに話してもショックを受けてしまうだけだろう。
俺だってまだ引きずっているし、6歳の子にそれを理解しろなんて無理な話だ。
「あの子にはすまないが、儂らには何も出来ん」
ルドルフさんもそれを理解しているからこそ、村を出る選択をしたのだろう。
「あの子が大人になったら、分かる様になるはずよ」
フィオも悔しそうに顔を歪めているが、その言葉しか口にする事が出来ないでいる。
俺も同じ気持ちだ、この問題は元凶を何とかしておしまいっという訳にはいかない。
ただ、おしまいではないからこそコニーとはこのまま別れるべきではないと俺は思った。
「すみません、ルドルフさん出発は何時ですか?」
「お主が起きたら、発つつもりじゃったが……」
俺が出発する時間を尋ねるとルドルフさんは此方の表情を伺い、言葉を選ぶ様に続ける。
「気が変わった、ロストが戻るまで待つとしよう」
恐らく俺の表情が暫く待っていてほしいと訴えていたからだろう、ルドルフさんは発つ時間を遅らせてくれた。
「ありがとうございます」
俺は気を回してくれたルドルフさんに感謝し、頭を下げた後にコニーの元へと向かった。
「っと、やって来たけど何処にいるんだ?」
が、飛び出してから時間が経っていたのでコニーが何処にいるのか分からない。
「ん?」
村の人に聞こうか悩んでいた所、不意に横から肩を叩かれた。
「お゛ぉー……」
立っていたのは、心做しか元気のないゴーレムだった。
「あんたか、何か用か?」
ゴーレムは俺のその言葉に答えるかの様について来いとジェスチャーをする。
「もしかして、コニーの場所が分かるのか?」
それに頷くとゴーレムは先を歩き始めたので、俺も一緒について行く事にした。
案内されたのは村のはずれ、森には入らないが人通りのない空き地だった。
そこの中央の切り株に座り、泣いているコニーを発見する。
「案内、ありがとう」
「お゛ぉー……」
俺が礼を言うと用は済んだとでも言う様にゴーレムは立ち去ろうとする。
「あんたも行かなくていいのか?」
俺は何故か立ち去ろうとするゴーレムを呼び止め、一緒にコニーの元へ行こうと誘う。
ウォレスさんに聞いてはいないが、ゴーレムがブレットさんの生命力で動いているとしたらそこに意思は存在するじゃないかと思ったからである。
自分でも馬鹿げてるとは思っている。
でも、やりきれない想いからそんな言葉が口から出てしまったのだ。
しかし、俺のその言葉にゴーレムは一度立ち止まりはしたものの、振り返らず再び動き出して去って行った。
「……やっぱり、やりきれねぇわ」
ゴーレムが去った後、暫くそのまま動けずにそう呟く事しか出来なかった。
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