神体

いせうい

文字の大きさ
1 / 2

神体(壱)

しおりを挟む
僕は昨日、なかなか寝付けなくて少し町を散歩した。散歩をしている最中に丁度神社があったので、寄ってみることにした。ここの神社はたまに来るのだが、神社の裏手には行った事がなかった。少し怖かったのだけれどちょっと子供心をくすぐられたので、初めて神社の裏手に行ってみた。神社の裏手は想像以上に広くて少し驚いた。周りを見渡して見ると、30メートル先ぐらいに一本の樹があった。興味本位で近づいてみると、

その樹にはなんと、人の形が彫られてあったのだ。

しかも、鮮明に。


子供心をくすぐられ興味本位で近づいたとしてもこんな物を見てしまうと流石に恐ろしく感じる。僕は極度のビビリだったので「うわぁぁぁ!」と叫びながらその場を去ったのををよく覚えている。その後はすぐに家に帰った、しかし帰ってもあんな事があったので、眠ることができずに今に至る。
現在の時刻は、午前6時43分だ。このくらいの時間になると僕のお母さんがフライパンとおたまを叩きながら階段を上がってくる。実に昭和生まれらしいことをする。僕は朝食を食べた後、もちろん学生なのでちゃんと学校に行く。ちなみに高校生である。
僕の家からだと僕の通っている高校、県立江南高等学校には、自転車で行って良い距離なのだが、僕はあえて歩いて行っている。何故かと言うと、ここの通りはなかなか車が通らないのでのんびり静かに学校に行きたいからだ。とは思いつつも、いつもは静かなこの道を歩いているだけでテンションが上がるというのに今日は違う。何故だか嫌な予感しかしない。正直学校にも行きたくなかったが、ズル休みをすると親にとことん叱られるので、いつもの調子で登校している。
親に叱られるのは嫌だ。

そんなことを思いつつも学校に到着した。
僕は今3年生だ。ちなみに出席番号は18番である。
学校に着いた僕はいつも通り下駄箱に靴を入れ、上履きに履き替え教室に向かった。ちなみに、僕に友達と呼べる人間は一人もいない。つまりボッチだ。だが家で飼っている猫とは異常なほどに仲が良い。
どれほど寂しい人間なんだ....。僕は...。
そんなことを感じながら、いつも通りのドアをいつも通りに開けて教室に入った僕は驚愕した。


昨日見た樹に彫られていた顔と完全に一致する人間がいたからだ。




その人間の名前は....。「乍魅 飛熹」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

処理中です...