逆召喚したらエルフ本当に呼び出せちゃったよｗｗｗｗｗ

ryuu

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第１章

鬼頭雀の怒り

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　校舎内ではいつものように授業が行われ続けていた。
　だが、どの教室でも例の昼休みの騒ぎが話のタネとなって集中を欠いた光景が続いている。
　それほどに昼休みに現れた美女が魅力的であったであろうことが物語っていた。
　その一教室でその美女とは別に話のタネにされ続けている存在がいた。
　それはその彼が美女と関係者であり教室にいるからだともいえる。
　さらにはその彼と美女を擁護するように現れた二人の学園のアイドルもまた話のタネの標的とされ授業中であるにもかかわらず同級生たちに何度も何度も声を掛けられては授業に身のはいらない態度の悪い絵面となる。

「だからさ、あの子は誰なのか少しくらい教えてくれてもいいでしょ？　ね？」
「だから、親戚だって」
「うっそだぁー、あんなかわいい子がダメユウの親戚なわけないっしょ」
「もう、ひどいなぁー。本当に雄馬の親戚だよ」

　当の本人をいる前にして女性陣がぼろくそ言ってるのを雄馬本人は聞かぬふりをながら黒板に書かれた図式をノートにとっていく。
　馬鹿ならばかなりに授業態度だけは良くしなくてはならない。
　それが雄馬のモットーである。
　だけれど、今日だけは周囲が騒がしくてそうはさせてくれない。

「なぁ、雄馬。あの子って誰よ。教えるっしょ」
「俺たちダチだろ」
「そうそう。教えるのは当たり前だと思うさ」
「教えるドン」

　雄馬の馬鹿な悪友たちも例に漏れず、昼休みの騒動に触発されて気になっている。
　しつこいほどに聞いてくる友人たちに雄馬も頭を抱えてしまう。

「親戚だって。それ以外何もねぇよ」
「うっそだー」

　授業でがやがやの空気は止まらず、目の前の教師の背中が次第に小刻みに震えだしたのを見た。
　雄馬は嫌な予感がして、グイッと明石の襟首を引き寄せた。

「ちょっ、急に顔近づけてなんだよ。オレはノンケっしょ。いくらダチがそっちに目覚めても受け入れられないって――ぼぁ！」

　肉壁ガード。
　明石の後頭部に着弾したチョークが砕け散って破片が雄馬の身体や友人たちのほうに散った。

「いってぇ！　急になんっ――」
「おい、馬鹿ども！　今は授業中だってわからんのか！」
「っ」
　
　明石の怒鳴りは授業の講義の担任の怒声で一気にかき消される。
　クラス一同がシーンと静まり返る。
　今目の前で講義をしている担任が今この時になってようやく全員が思い出したように口を閉ざしている。
　生徒に対して体罰上等、ゆとり教育の無視。自らの教育理念を貫く女番長。
　我がクラス担任にして数学の教師、鬼頭雀おにがしらすずめ先生であるのを。

「雀ちゃん、いや、俺らも授業を聞くはあるっしょ。だけど、ほらさ、昼休みの一件があっちゃ集中なんかできないっしょ」
「そうそう。これは学校側が不審者を容易に招いた学校側の怠慢がいけないと思うんだね」
「怠慢、怠慢！」
「学校側に問題があるドン！」

　友人たちは馬鹿正直に教師を煽りだすが、それに便乗する形で同級生たちも各々文句を口にしだす。
　だが、鬼頭先生相手にそれが通用するわけもなく、彼女が黒板を思い切り殴りつけた。
　力強い振動と音が教室に響く。黒板はひび割れて拳の痕がついていた。
　どんだけ、腕力あるんだよ。
　その一撃は生徒を再び沈黙に追い込むには力強いインパクトだ。

「いいたいことはそれだけかガキ共」
『……』
「昼休みの一件はアタシだって聞いてる。だからってなぁ、授業を蔑ろにしていい理由にはならんだろうが！　てめぇらは社会に出ても何かが気になったから仕事を放棄するのか？　ちげぇだろ！　それこそが怠慢だ。てめぇらの言動は全部がブーメランなんだよ。わかってんのか！　いつまでたっても成長できねぇ！　わかったら、おとなしく私の授業を聞いておけ！　聞くきねぇならこの教室から出ていきな！　成績表には欠席と乗せてやっからよぉ！」

　容赦のない教師の一言は生徒一同をビビらせて授業へ切り替わらせるにはたる気迫であった。
　生徒たちはそれぞれ机に向かいだした。
　雄馬もほっと安堵の吐息を吐きながらノートに目を向ける一瞬、窓の外に奇怪なものを見た。

「は？」

　一人の少女が空を飛ぶ光景があった。
　その少女は優雅な飛行を行って体育館を目指していく。
　その好奇心に満ちたきらきらした瞳。
　あの流れるような金髪。
　見間違えようもないし、この世界で空を飛べる人など雄馬には一人しか心当たりはない。

「ユウマぁ？」
「え」

　いつの間にか雄馬は自らの前に鬼頭先生がいたのに気付いた。

「てめぇ、今教師に対して喧嘩売ったのか？　
『は？』とはいい度胸だなぁ。挑発か？　え？　その挑発買うぞ」
「あ、いや、先生に言ったのではなく今のは驚きと言いますかなんといいますか、ほら、窓の外に奇怪な空飛ぶ魔女が見えた見たいなぁー、あははは」
「おい」
「は、はいぃ」
「馬鹿にしてんのか？」
「い、いえ」
「馬鹿にしてんだろ？」
「ば、馬鹿にしていませんよ」

　耳に強く響く粉砕音。
　目の前で教師が手刀を振り下ろし机を粉砕した音である。
　雄馬の額からは冷や汗がすごい速さで流れていく。
　彼女はにっこりした笑顔で胸ぐらをつかむと。

「よし、その根性いい度胸だ。より、恐怖に陥れたくなる」
「へ」

　次の時、先生は平然と窓を開けて雄馬の胸ぐらをつかんで宙づりにして外へと放り投げた。
　クラス一同が唖然と硬直。
　雄馬だけは悲鳴を上げて地上へと落下していった。
　
「うそだろぉおおおおおお！」

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