14 / 45
第1章 異世界の勇者
ジルとの戦1 改稿版
しおりを挟む
ペンライトから放出される青い光の輝きがジルの身体を弾き倒した。
それはイスア国民が全員目の当たりにした衝撃的な光景として目にしていた。
王女もまた、その光の根源を放った存在に目を奪われており、歓喜に震える。
「ああっ、勇者の降臨ですわ! 勇者がきたんですわ!」
それは全軍の士気力を高める行動へとつながった。
瀕死に追いやられていた騎士たちが最後の一滴の体力を振り絞って立ち上がって剣を構えてドラゴンに攻撃を仕掛けに行った。
ドラゴンは弾き倒されてもいたが、それは別に殺されたわけではない。
一瞬驚いた程度のかすり傷を受けた程度のダメージでしかなかった。
向かい来る騎士たちを一瞥して巨体を振るう。
風が舞い、巨体によって突き飛ばされる騎士たちと勇者の男。
ドラゴンと化したジルは初めて言葉を喋りはじめる。
「くくっ、哀れなイスア国民が魔王の直属の部下であるアタシに勝てると思ってるのかい。アンタらの相手はアタシには及ばぬさ。そうさう、アタシの相手はアンタだけさね勇者」
ジルの目が突き刺さるのは瓦礫の山に立つ青年ただ一人。
*******
騎士たちがなぎ倒される光景を目にして俺は震える手を力強く奮い立たせ、ペンライトを構えた。
戦いなんてド素人のはずの俺の脳内にはまるで歴戦の猛者たちが味わってきたとされる戦闘技術と経験が膨大な量として流れていた。
それは何が原因とされて起こっているのかは謎だった。
しかし、その結果における減少として吐き気や頭痛に悩まされる自分がいた。
目の前の敵はそんな休憩を許してはくれない。
今まさに敵は俺の存在を脅威として捕えて攻撃を仕掛ける準備に入っている。
大きなかぎづめが鬼気迫った。
瞬時に飛んで後退し回避。
右サイドからの尾が迫っている。
ペンライトでガードするようにして防ぎの挙動をとる。
勢いが強く盛大に吹き飛ばされる。
「勇者様ぁ!」
王女の悲痛な声が耳に聞こえた。
その声もそうだったが、俺には大事なもう一人の声も聞こえた。
「頑張って!」
それは歌詞のフレーズの一つだったのかはわからないが、ある建物の上を眺めた。
そこには一人の少女が歌を歌い続けている。
今はライバー冥利に尽きる種村雪菜の特別コンサート中。
「ハハッ、うれしいよ。大好きな声優が俺のために歌ってるんだ。何を弱気になってるんだよ。さっきまでの威勢のよさがどこ行ったんだ俺ってば……」
最初の一撃目はただの偶然で出来たことでしかない。
感情になげうって出た攻撃だった。
だけど、あの時にできた感覚は先ほど打ち出した攻撃よりも明らかに強さがあった。
その感覚さえ取り戻せれば勝てる。
「俺の女神が歌ってるんだ。弱気になってられるかよ」
カチッとペンライトの色を変えてオレンジに変更する。
ライバーがサビにおいて盛り上げるために、好きなフレーズの時に盛り上げをつくるための色。
元来はサイリウムなどが望ましいが今はペンライトしか持ち合わせがない。
そこは仕方なく思いながら一呼吸ついて構える。
「申し訳ないけど、ちょっと準備をさせてもらうぞ」
着こんでいた法被を本来は来ているべきなのだろうが俺は脱ぎ捨てた。
それが俺のスタイルだった。
上半身裸になり、下半身は短パン姿へと変わる。
「何のつもりだぁあゆうしゃぁ勇者ぁ?」
「これは戦闘モードってやつだよ」
全イスア国民が凍り付くかのような彼の珍妙な行動が始まった。
それはーーオタ芸だった。
それはイスア国民が全員目の当たりにした衝撃的な光景として目にしていた。
王女もまた、その光の根源を放った存在に目を奪われており、歓喜に震える。
「ああっ、勇者の降臨ですわ! 勇者がきたんですわ!」
それは全軍の士気力を高める行動へとつながった。
瀕死に追いやられていた騎士たちが最後の一滴の体力を振り絞って立ち上がって剣を構えてドラゴンに攻撃を仕掛けに行った。
ドラゴンは弾き倒されてもいたが、それは別に殺されたわけではない。
一瞬驚いた程度のかすり傷を受けた程度のダメージでしかなかった。
向かい来る騎士たちを一瞥して巨体を振るう。
風が舞い、巨体によって突き飛ばされる騎士たちと勇者の男。
ドラゴンと化したジルは初めて言葉を喋りはじめる。
「くくっ、哀れなイスア国民が魔王の直属の部下であるアタシに勝てると思ってるのかい。アンタらの相手はアタシには及ばぬさ。そうさう、アタシの相手はアンタだけさね勇者」
ジルの目が突き刺さるのは瓦礫の山に立つ青年ただ一人。
*******
騎士たちがなぎ倒される光景を目にして俺は震える手を力強く奮い立たせ、ペンライトを構えた。
戦いなんてド素人のはずの俺の脳内にはまるで歴戦の猛者たちが味わってきたとされる戦闘技術と経験が膨大な量として流れていた。
それは何が原因とされて起こっているのかは謎だった。
しかし、その結果における減少として吐き気や頭痛に悩まされる自分がいた。
目の前の敵はそんな休憩を許してはくれない。
今まさに敵は俺の存在を脅威として捕えて攻撃を仕掛ける準備に入っている。
大きなかぎづめが鬼気迫った。
瞬時に飛んで後退し回避。
右サイドからの尾が迫っている。
ペンライトでガードするようにして防ぎの挙動をとる。
勢いが強く盛大に吹き飛ばされる。
「勇者様ぁ!」
王女の悲痛な声が耳に聞こえた。
その声もそうだったが、俺には大事なもう一人の声も聞こえた。
「頑張って!」
それは歌詞のフレーズの一つだったのかはわからないが、ある建物の上を眺めた。
そこには一人の少女が歌を歌い続けている。
今はライバー冥利に尽きる種村雪菜の特別コンサート中。
「ハハッ、うれしいよ。大好きな声優が俺のために歌ってるんだ。何を弱気になってるんだよ。さっきまでの威勢のよさがどこ行ったんだ俺ってば……」
最初の一撃目はただの偶然で出来たことでしかない。
感情になげうって出た攻撃だった。
だけど、あの時にできた感覚は先ほど打ち出した攻撃よりも明らかに強さがあった。
その感覚さえ取り戻せれば勝てる。
「俺の女神が歌ってるんだ。弱気になってられるかよ」
カチッとペンライトの色を変えてオレンジに変更する。
ライバーがサビにおいて盛り上げるために、好きなフレーズの時に盛り上げをつくるための色。
元来はサイリウムなどが望ましいが今はペンライトしか持ち合わせがない。
そこは仕方なく思いながら一呼吸ついて構える。
「申し訳ないけど、ちょっと準備をさせてもらうぞ」
着こんでいた法被を本来は来ているべきなのだろうが俺は脱ぎ捨てた。
それが俺のスタイルだった。
上半身裸になり、下半身は短パン姿へと変わる。
「何のつもりだぁあゆうしゃぁ勇者ぁ?」
「これは戦闘モードってやつだよ」
全イスア国民が凍り付くかのような彼の珍妙な行動が始まった。
それはーーオタ芸だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる