ライバーな俺が大好きな声優アイドルと一緒に異世界へ召喚されてしまったので新しい世界で生きる方法を作りました。(改題しました

ryuu

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第2章 最初の開拓

ボランティア活動

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 路上ライブを終えて、俺はアイドル声優の種村さんに頼まれごとをされて断り切れず、まずは王女のことを探しに王城へ戻っていた。
 だが、王城で真っ先に言われたのは――

「あれ、勇者様何もお聞きになっていないのですか?」

 まるで知らされたかのような当たり前の事実を王国騎士の人に伝えられる。
 王女は職務のために外出中であると伝わされ、さらには――
 
「会議の際にお伝えしていないはずはないと思うんですが……」

 自分が会議の内容に聞き耳すら立ててないことが露呈するのは非常にまずくそそくさとその場を適当にごまかして退散した。
 退散した後に行く場所など検討もなく、俺は元の場所に戻っていた。
 そこでは騎士たちの復興作業が永遠と行われ続けている光景だった。
 その彼らの表情はライブの時は輝いていたのに今はロボットにまたなったかのように感情さえ見えない瞳でもくもくと建築作業をしているだけ。
 さらに配給活動も行っていた。
 この闇ギルド一体だけに被害が及んだわけでもなく他の個所でもドラゴンのジルの攻撃の被害はあったようでその被害を被った住宅の住民たちが配給食をもらいに来ているという状況。
 

「しかし、数が多くないか?」

 路上ライブの時も感じていたことだったが配給をもらいに来ている列は一向に止まることはなかった。
 その光景を見ていると無性に申し訳ない感情が膨れ上がり、配給を行っている基地テントの中に入った。
 すると、騎士と民間人の視線が集まってくる。

「これは勇者様、いかがしましたか?」
「手伝うよ」
「勇者様、それはなりません、勇者様にそのような手を煩わせる行いを……」
「やらせてくれないかな。ここの住民たちをこんな風にしたのは俺にも責任があるわけだし」
「しかし、それは仕方なかったことで……」

 具材の入ったスープっぽいものが鍋の中にあった。それを器によそって配っている挙動をまねて、同じように彼らに配給する。
 俺はスープを見て不思議に思った。


「これ、スープか?」
「すーぷとはなんですか? これは『フォルチャ』です」
「ふぉるちゃ?」

 ここの専門用語が出てきて、一瞬戸惑う。
 それがこの食べ物の名称だというのは理解した。

「気になるなら食してみますか?」
「えっと、俺が頂いても大丈夫なの?」
「はい」

 民間人に配給を一度停止し、隣の騎士がよそってくれた『フォルチャ』なるものを食した。
 唖然とした。
 うまくない。
 ただの塩水に具材を入れただけのものだった。

「い、いかがですか?」
「ど、独特な味だね」

 そうとしか答えられなかった。
 もはや、こんなものしか今はないのかと疑問に思った。

「民間人には今、これしか配給できないの?」
「えっと、そうですね。現在は魔道路が壊れていますので水や火、電気などの使用魔具が動いていないので他の食べ物を提供するのは難しいですね」

 魔道路なるものが如何なるものかは聞いただけで大体の予想はできた。
 この世界における電波塔や水道、ガス管などの役割を果たすために重要な魔法の機械のことなのだろう。
 
「でも、この食べ物だけでも十分に民は満足してくれてますので」
「そうか……」

 俺はもはや何も言えないままに配給をつづけた。

「でも、本日に魔道路の修理に王女殿下が向かっていますので明日には他の物を配給できるとは思います」
「他の物か……」

 なんとなく俺にはそのもの自体も『フォルチャ』のように味気のないようなものが出てくる気がした。
 周囲の人たちはまるで食に関してはその動作をするしかないから無心で食す行為をしているだけでしか見えない。

「食事にも楽しみってあるんだけどな」
「何か言いましたか?」
「いや、なんでもないよ」

 この光景を見ているのもつらい。
 何か自分にもっと他にすることを目指す道が徐々に見えてきた。

「そうだな。それも一つとして打ち出すほかないよな」
「何か言いましたか?」
「いや、一々反応しなくていいから」

 俺のツッコミに首をひねられても困る。
 配給活動の最中に民間人がまたざわつき始めた。
 ある一人の騎士がテントに入ってくる。

「王女殿下が戻られたぞい!」
「おお! では!」
「それが魔道路の修理にまだかかるらしい」

 なんとも悲しくも沈んだ空気が流れ始めた時、テントにまた一人入ってきた。
 それは種村雪菜さん。
 俺と共にこの世界へ勇者召喚されたアイドル声優。

「た、種村さん!?」
「ちょっと、来て王女殿下と話し合うから」
「え、え、ちょっと! まだ配給が途中で」
「そんなのはあと!」

 俺は強引に手を惹かれてそのまま連れてかれるのだった。 
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