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83 帝都
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アースガルド宮殿は、いつもとは違う空気に満ちていた。
宮廷の中枢は動いている。だが、その動きは表面には現れていない。表向きは、いつもと変わらぬ日常。ただし、微妙に何かが欠けている。
執務室。カイは机の上に広げられた書類に目を通していた。レオの代理として、通常の政務をこなしている。侍従たちが出入りし、報告が次々と上げられ、決裁が下される。表面的には、何の異常もない。
「アンドレウス小公爵閣下は、北方への出発が予定通りということで、よろしいでしょうか」
侍従の質問に、カイは静かに頷く。
「そうですね。北方へのご移動は、予定通りです。他言無用で」
その返答は、十分に説得力を持っていた。カイの水色の瞳は、書類から一度も逸れない。だが、その内面では、情報を整理し、また新たな情報を待ち続けていた。
同時に、心のどこかで、祈るような想いが灯っていた。
(姫様は、無事に辿り着かれたであろうか)
ジュノが暗殺未遂事件で記憶を失ってから、彼女の安全は、すべての者の最優先事項となっていた。特に、レオの護送による移動は、最大限の警戒態勢で行われている。アレンがついている。リュシアンがついている。加えてアンドレウス直属の騎士も。だが、その道中が完全に安全であるかどうかは、誰にも保証できない。
カイは、書類に目を落としたまま、ジュノの姿を心の中で重ねていた。
(どうかご無事で……)
☆
一方、皇女宮。
限られた侍女とメイド数名だけが、皇女宮への出入りを許されていた。彼女たちには、ジュノが「ここにいる」かのように振舞うよう、厳しく指示が出されている。
侍女長が部屋を巡回していた。ジュノがいるはずの部屋。だが、その部屋は静かだ。護衛の騎士たちが配置されているが、彼らの目は、この部屋の「内側」には向いていない。外からの侵入を防ぐためだけに、立っている。
その演技は、完璧に機能していた。誰も、ジュノがここにいないことに気づかない。あたかも、静養中であるかのように、その存在は保たれていた。
☆
教会では。ゼノアは祭壇の前で、長く祈りの姿勢を保っていた。白銀の髪が、燭火に照らされて輝く。その傍には、数人の司祭たちが慎ましくついている。だが、彼らはゼノアの祈りを邪魔しない。ただ、その側に在る。
祈りの中身は、誰にも知られない。その想いは、一人の女性に向けられていた。
(姫様。どうか、ご無事で。そして貴方の歩まれます道が、穏やかであられますよう)
白銀の髪が、燭火に揺れる。琥珀色の瞳は、祭壇の女神像を見つめたまま、動かない。ジュノを失うことは、自分にとって何を意味するのか。祭司としての職務ではなく、もっと深い、名のつけられない想いがそこにはあった。
祈りの後、ゼノアは立ち上がり、書庫へ向かった。そこには、古い書物が積み重ねられている。禁術に関する記述。セリアが使う術の、古い名残。それらを追跡し、対抗策を探り続けている。
「大教皇猊下」
一人の司祭が、書物の一冊を差し出した。
「この巻に、『惑わし』の術についての記述があります」
ゼノアが受け取り、ページをめくる。琥珀色の瞳が、文字を追っていく。その表情は、静かだが、確実に何かを探している。
「結界の強度は、いつまで保つ?」
ゼノアの問いに、司祭は躊躇した。
「現在のペースでは、三週間。最大でも一ヶ月」
ゼノアは、本を閉じた。その音は、廊下に小さく響く。
「根本的な対抗策が必要だ。この術は、扇動と組み合わせて使われている。単に結界で防ぐだけでは、長持ちしない。セリア・デ・リカルドが、この術を使っているという証拠を固める必要がある。それまで、結界を保たせるんだ。ジュノ皇太女殿下の身の安全のために」
「畏まりました。神の御心のままに」
☆
宮廷の回廊。
セリアは、貴婦人たちに囲まれているはずだった。だが、今日は違う。周囲に人がいない。いるのは、公務をこなす官吏たちだけ。彼らは、セリアの存在に気づくことはあっても、話しかけることはない。
セリアは、窓辺に立ち、外の庭園を眺めていた。いつもは、花に舞う蝶のように、庭園を彩るドレスの数々を纏った貴婦人たちがいるはずなのに、そこには蝶すら舞っていない。セリアの表情も、いつもの淑女のそれではない。眉が少し寄っている。
「変だわ」
小さく呟いた言葉は、誰にも聞こえない。ただ、セリアの心の中だけに落ちる。
術を使う。その中で噂を追い、人々の声を聴く。だが、聞こえてくるのは、どうでもいい情報ばかり。帝都の劇場の演目が素晴らしいとか、南の商人が何か珍しい品物を持ってきたとか、そんなもの。
肝心な噂が、ない。
「記憶を失った皇太女」という噂は、予定よりも広がりを見せない。なぜなのか。挙句の果てに、人もいない。
セリアの指先が、無意識に爪を噛み始める。その仕草には、焦りが滲んでいた。
廊下の角から、カイが現れた。セリアは一瞬、顔を上げる。
「カイ様」
セリアの声は、相変わらず甘く、柔らかい。だが、その奥には、わずかな緊張が隠されている。
「セリア嬢、ごきげんよう」
カイの返答は、いつもの通り。感情を一切交えない、ただの返礼。
「今日は、お忙しそうですね。レオ様のご不在で、大変なのではありませんか?」
セリアが近づく。いつもの、男を魅了する仕草。だが、カイは一歩も退かず、一歩も近づかない。その距離を保ったまま、セリアを見つめている。
「問題ありません。お気遣いありがとうございます」
「そうなのですね。では、皇太女殿下は? ご様子はいかがですか?」
セリアの質問は、自然に見える。だが、その瞳には、確認欲があることは、もう、カイには透けて見えた。
「皇太女殿下は、静養中で、静かにお過ごしかと」
カイの返答は、正確だが曖昧だ。その中身は、何も言っていない。
セリアの眉が、わずかに動く。
「そうなのですか。では、いつ頃には、ご公務にお戻りになられるのでしょう?」
「私のような者には、そのようなご裁決は知らされまぜん。皇帝陛下のご判断になるかと、では、失礼します」
カイは、その言葉で会話を打ち切るかのように一礼すると、セリアを視野の隅に置いたまま、歩き始めた。セリアは、その背を見送りながら、心の中で何かを計算していた。
ジュノは、本当に皇女宮にいるのか。
その確認をするには、どうすればいいか。
だが一方では、別の懸念が浮かぶ。もし、仮に、ジュノが皇女宮にいなければ、自分の術は何に作用しているのか。術の効果がないわけではない。何かしら、人々の心に波紋を起こしているはずだ。だが、その波紋が、思った通りの形になっていない。
セリアは、唇を噛んだ。
「まぁいいわ。次の手を」
☆
同日の夜。
ヴォルフは、自分の部屋で情報を整理していた。見張りからの報告を、心の中で組み立てていく。
リュシアン王子は、東の沿岸部、港町へ移動している。理由は不明だが、確かな筋からの情報だ。
レオは北方へ向かった。秘密裡に掴んだ情報では、極秘任務のためだという。アレンの姿は見えないが、レオと同行しているものと推測。
ゼノアは教会に入り浸っている。司祭たちと密に連絡を取り合っている。何か調査中か。
カイは宮廷に残留。通常通り、政務をこなしている。
そして、最も不穏な点。
ライネル皇弟が、一度だけ宮廷に現れ、その後また消えた。
「不自然だ」
ヴォルフは、その事実に強い疑念を抱く。ライネルが宮廷に来る理由がない。皇弟とはいえ、彼は常に各地を巡視している。なぜ、今のこの時期にここにきて現れたのか。
そして、なぜ、また消えたのか。これは偶然なのか。
一つの可能性が浮かぶ。ライネルが誰かを迎えに来た。あるいは、誰かを連れ出すために。
「ジュノ皇太女」
ヴォルフは、静かに名前を呟いた。
暗殺未遂事件の後、彼女は記憶を失った。宮廷内では、彼女が『静療養中』だとされている。だが、その詳細は明かされていない。
ライネルが宮廷に現れたのは、ジュノを連れ出すためではないか。だが、その先がどこなのか。ヴォルフには推測できない。
そして。
セリアには、この懸念を与えるつもりはない。
なぜなら、セリアが知れば、必ず何かを企図するだろう。そして、その企図を止めさせるために、自分は動かなければならなくなる。暗殺未遂の件。あれは完全に、セリア側の策謀だ。一歩違えば間違いなく、こちらの罪になったであろう。あの件で、完全にあの女の信頼は失墜したのだ。
ヴォルフは、紙を丸め、暖炉に投げ入れた。炎が紙を舐め、黒く焦げていく。
「ジュノ様。いったいどこにおられるのですか」
暖炉に小さく灯る火を見ながら、崩れて行く灰をヴォルフは見つめ続けた。
宮廷の中枢は動いている。だが、その動きは表面には現れていない。表向きは、いつもと変わらぬ日常。ただし、微妙に何かが欠けている。
執務室。カイは机の上に広げられた書類に目を通していた。レオの代理として、通常の政務をこなしている。侍従たちが出入りし、報告が次々と上げられ、決裁が下される。表面的には、何の異常もない。
「アンドレウス小公爵閣下は、北方への出発が予定通りということで、よろしいでしょうか」
侍従の質問に、カイは静かに頷く。
「そうですね。北方へのご移動は、予定通りです。他言無用で」
その返答は、十分に説得力を持っていた。カイの水色の瞳は、書類から一度も逸れない。だが、その内面では、情報を整理し、また新たな情報を待ち続けていた。
同時に、心のどこかで、祈るような想いが灯っていた。
(姫様は、無事に辿り着かれたであろうか)
ジュノが暗殺未遂事件で記憶を失ってから、彼女の安全は、すべての者の最優先事項となっていた。特に、レオの護送による移動は、最大限の警戒態勢で行われている。アレンがついている。リュシアンがついている。加えてアンドレウス直属の騎士も。だが、その道中が完全に安全であるかどうかは、誰にも保証できない。
カイは、書類に目を落としたまま、ジュノの姿を心の中で重ねていた。
(どうかご無事で……)
☆
一方、皇女宮。
限られた侍女とメイド数名だけが、皇女宮への出入りを許されていた。彼女たちには、ジュノが「ここにいる」かのように振舞うよう、厳しく指示が出されている。
侍女長が部屋を巡回していた。ジュノがいるはずの部屋。だが、その部屋は静かだ。護衛の騎士たちが配置されているが、彼らの目は、この部屋の「内側」には向いていない。外からの侵入を防ぐためだけに、立っている。
その演技は、完璧に機能していた。誰も、ジュノがここにいないことに気づかない。あたかも、静養中であるかのように、その存在は保たれていた。
☆
教会では。ゼノアは祭壇の前で、長く祈りの姿勢を保っていた。白銀の髪が、燭火に照らされて輝く。その傍には、数人の司祭たちが慎ましくついている。だが、彼らはゼノアの祈りを邪魔しない。ただ、その側に在る。
祈りの中身は、誰にも知られない。その想いは、一人の女性に向けられていた。
(姫様。どうか、ご無事で。そして貴方の歩まれます道が、穏やかであられますよう)
白銀の髪が、燭火に揺れる。琥珀色の瞳は、祭壇の女神像を見つめたまま、動かない。ジュノを失うことは、自分にとって何を意味するのか。祭司としての職務ではなく、もっと深い、名のつけられない想いがそこにはあった。
祈りの後、ゼノアは立ち上がり、書庫へ向かった。そこには、古い書物が積み重ねられている。禁術に関する記述。セリアが使う術の、古い名残。それらを追跡し、対抗策を探り続けている。
「大教皇猊下」
一人の司祭が、書物の一冊を差し出した。
「この巻に、『惑わし』の術についての記述があります」
ゼノアが受け取り、ページをめくる。琥珀色の瞳が、文字を追っていく。その表情は、静かだが、確実に何かを探している。
「結界の強度は、いつまで保つ?」
ゼノアの問いに、司祭は躊躇した。
「現在のペースでは、三週間。最大でも一ヶ月」
ゼノアは、本を閉じた。その音は、廊下に小さく響く。
「根本的な対抗策が必要だ。この術は、扇動と組み合わせて使われている。単に結界で防ぐだけでは、長持ちしない。セリア・デ・リカルドが、この術を使っているという証拠を固める必要がある。それまで、結界を保たせるんだ。ジュノ皇太女殿下の身の安全のために」
「畏まりました。神の御心のままに」
☆
宮廷の回廊。
セリアは、貴婦人たちに囲まれているはずだった。だが、今日は違う。周囲に人がいない。いるのは、公務をこなす官吏たちだけ。彼らは、セリアの存在に気づくことはあっても、話しかけることはない。
セリアは、窓辺に立ち、外の庭園を眺めていた。いつもは、花に舞う蝶のように、庭園を彩るドレスの数々を纏った貴婦人たちがいるはずなのに、そこには蝶すら舞っていない。セリアの表情も、いつもの淑女のそれではない。眉が少し寄っている。
「変だわ」
小さく呟いた言葉は、誰にも聞こえない。ただ、セリアの心の中だけに落ちる。
術を使う。その中で噂を追い、人々の声を聴く。だが、聞こえてくるのは、どうでもいい情報ばかり。帝都の劇場の演目が素晴らしいとか、南の商人が何か珍しい品物を持ってきたとか、そんなもの。
肝心な噂が、ない。
「記憶を失った皇太女」という噂は、予定よりも広がりを見せない。なぜなのか。挙句の果てに、人もいない。
セリアの指先が、無意識に爪を噛み始める。その仕草には、焦りが滲んでいた。
廊下の角から、カイが現れた。セリアは一瞬、顔を上げる。
「カイ様」
セリアの声は、相変わらず甘く、柔らかい。だが、その奥には、わずかな緊張が隠されている。
「セリア嬢、ごきげんよう」
カイの返答は、いつもの通り。感情を一切交えない、ただの返礼。
「今日は、お忙しそうですね。レオ様のご不在で、大変なのではありませんか?」
セリアが近づく。いつもの、男を魅了する仕草。だが、カイは一歩も退かず、一歩も近づかない。その距離を保ったまま、セリアを見つめている。
「問題ありません。お気遣いありがとうございます」
「そうなのですね。では、皇太女殿下は? ご様子はいかがですか?」
セリアの質問は、自然に見える。だが、その瞳には、確認欲があることは、もう、カイには透けて見えた。
「皇太女殿下は、静養中で、静かにお過ごしかと」
カイの返答は、正確だが曖昧だ。その中身は、何も言っていない。
セリアの眉が、わずかに動く。
「そうなのですか。では、いつ頃には、ご公務にお戻りになられるのでしょう?」
「私のような者には、そのようなご裁決は知らされまぜん。皇帝陛下のご判断になるかと、では、失礼します」
カイは、その言葉で会話を打ち切るかのように一礼すると、セリアを視野の隅に置いたまま、歩き始めた。セリアは、その背を見送りながら、心の中で何かを計算していた。
ジュノは、本当に皇女宮にいるのか。
その確認をするには、どうすればいいか。
だが一方では、別の懸念が浮かぶ。もし、仮に、ジュノが皇女宮にいなければ、自分の術は何に作用しているのか。術の効果がないわけではない。何かしら、人々の心に波紋を起こしているはずだ。だが、その波紋が、思った通りの形になっていない。
セリアは、唇を噛んだ。
「まぁいいわ。次の手を」
☆
同日の夜。
ヴォルフは、自分の部屋で情報を整理していた。見張りからの報告を、心の中で組み立てていく。
リュシアン王子は、東の沿岸部、港町へ移動している。理由は不明だが、確かな筋からの情報だ。
レオは北方へ向かった。秘密裡に掴んだ情報では、極秘任務のためだという。アレンの姿は見えないが、レオと同行しているものと推測。
ゼノアは教会に入り浸っている。司祭たちと密に連絡を取り合っている。何か調査中か。
カイは宮廷に残留。通常通り、政務をこなしている。
そして、最も不穏な点。
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「不自然だ」
ヴォルフは、その事実に強い疑念を抱く。ライネルが宮廷に来る理由がない。皇弟とはいえ、彼は常に各地を巡視している。なぜ、今のこの時期にここにきて現れたのか。
そして、なぜ、また消えたのか。これは偶然なのか。
一つの可能性が浮かぶ。ライネルが誰かを迎えに来た。あるいは、誰かを連れ出すために。
「ジュノ皇太女」
ヴォルフは、静かに名前を呟いた。
暗殺未遂事件の後、彼女は記憶を失った。宮廷内では、彼女が『静療養中』だとされている。だが、その詳細は明かされていない。
ライネルが宮廷に現れたのは、ジュノを連れ出すためではないか。だが、その先がどこなのか。ヴォルフには推測できない。
そして。
セリアには、この懸念を与えるつもりはない。
なぜなら、セリアが知れば、必ず何かを企図するだろう。そして、その企図を止めさせるために、自分は動かなければならなくなる。暗殺未遂の件。あれは完全に、セリア側の策謀だ。一歩違えば間違いなく、こちらの罪になったであろう。あの件で、完全にあの女の信頼は失墜したのだ。
ヴォルフは、紙を丸め、暖炉に投げ入れた。炎が紙を舐め、黒く焦げていく。
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