宝玉チャージ!溜まるとキュイン♪〜スケベ勇者アッシュの冒険2〜

葉雲屋

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勇者編

第三章

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異世界ミフラ。
ここは、「魔法」「発現」等、"想い"が具現化する世界──。


”元勇者”エルガーデ「やあ」

エルガーデ「帰って来るか……アッシュ」



ドコカ村──

アッシュ「まあ、ここが俺達の故郷です」

アリサ「何もない所ですけどね」

アリサ母「何もないド田舎だって?」

アリサ父「ジジババしかいない腐れ村だって?」

アリサ「言ってない!!」

アリサ母(エヴァー)「冗談だよ。……お帰り、アリサ。アッシュ」





アリサ父(ルカース)「帰って来ると報せを聞いて、まあ、そんなに待たなかったが」

アッシュ「魔法がありますから」

アリサ父「娘はやらんぞ」

アッシュ「言ってません」

アリサ母「あら、それで帰って来たんじゃないの?」

アリサ「ちょ、ちょっとお父さん、お母さん!」

ドロシー「修羅場です」

アリサ(既成事実あるけど)





アッシュ父「おう、アッシュ!仲間たちも一緒かい」

アッシュ母「あらまあ。女の子たちに囲まれちゃって」

アッシュ父(アモレ)「俺に似てモテ男なんだから、まったく!」

アッシュ母(カルラ)「スケベ男の間違いでしょ、おほほ!」

アリサ父「だから困るのですよ!」

アリサ父「いいかね、アッシュ君!アリサを貰いたければそのフラフラチャラチャラした性格、改めて貰わなきゃならんぞ!」

アッシュ父「あげる前提という事で」

アリサ父「アモレ君!君もだ!息子にちゃんと言い給え!」

アッシュ母「おほほ!」

アリサ母「うふふ!」

アリサ「はあ……話聞いてよ、みんな」

ドロシー「バチバチです」

セレナ「政略的ね」





五分後。

アリサ父「ふむ、ドロシー君は知っているが、君はセレナ君というのだね」

セレナ「はい。縁あって、三人と旅をする事になりました」

アリサ父「なあるほど、聖職者さんか」

アリサ父「じゃあ、そこのスケベ少年によく言ってくだされ」

アッシュ「まだ言う」

アリサ「ウチ、宿屋やってるから。セレナさんとドロシーは、ウチに泊まればいいよ」

アリサ母「ご馳走作りますね」

セレナ「お世話になります」

アッシュ「その前に……」

アッシュ「四人で、エルじっちゃんに挨拶してきてもいいかな、父さんたち」

アッシュ父「……」

アッシュ父「おう、エルガーデさんも喜ぶだろうさ」





セレナ「”邪龍”サラマンデスを倒した、最強の勇者エルガーデ」

ドロシー「ドロシーと同じ、雷魔法の使い手でもあるです!」

アリサ「本人は謙遜してるのよ。”足をやられたからまだまだじゃ”って」

アッシュ「俺と、アリサの師匠でもあるんだ。……俺が勇者になるのは、予想外だったみたいだけど」

アッシュ「ん?あ!エルじっちゃん!」

エルガーデ「ほほ。良く帰って来たな、アッシュ。アリサ、そしてドロシー」

エルガーデ「更に、新たな仲間……か」

セレナ「会えてうれしく思いますわ、エルガーデ様」

エルガーデ(聖職者、か)

エルガーデ(これもまた、導きかもしれんのう)

エルガーデ「まあ、立ち話も何だ。入りなされ。茶でも入れよう」





エルガーデの家──

アッシュ「じっちゃん!剣見せてよ、剣!」

エルガーデ「全く。いつもそれじゃのう」

アッシュ「じっちゃんの剣にも”帰って来たぜ!って言いたいんだよ!」

セレナ「勇者の剣……」

エルガーデ「ほれ」

ゴトリと、テーブルの上に宝剣が置かれる。

アッシュ「へへ!相変わらずだな。……ただいま。元気にしてたか?」

エルガーデ「元気じゃよ。そうなるようにしておる」

セレナ「宝玉が、虹色……」

セレナ「エルガーデ様。”エルガーデの虹は、絶える事がない”と噂されているのですが、本当ですか?」

アッシュ「お!本当だぜ!じっちゃんの宝玉はいつも虹色!最大チャージなんだ!」

アッシュ「使ってないって話じゃないぜ?じっちゃんの宝玉は、じっちゃんが持ってるだけでどんどんチャージされていくんだ!」

セレナ「ええ!?それは……すごいですね……」

セレナ(エルガーデ……”勇気の勇者”……)

エルガーデ「……」

エルガーデ「剣は、勇者に試練を与える」

エルガーデ「儂は臆病じゃったからな。”勇気”のチャージに苦労したよ。しかし今は剣が認めてくれて……持つだけでチャージ、という境地に至った」

セレナ「そんな……”邪龍”サラマンデス討伐。貴方様以上の勇気の持ち主はいませんわ。エルガーデ様」

エルガーデ「ほっほ。そう言ってくれるか」





アッシュ「じっちゃん、ずっと言ってるよな。”剣は試練だ”……って。俺も、そう思って、ハデスを倒した後もこうやって旅してるけどさ」

アッシュ「やっぱ、分かんないんだ。良い方ならいいぜ?でも、悪い方にも」

エルガーデ「ふむ」

エルガーデ「今思っているのは、死の勇者……ゼフガッドの事かの?」

アッシュ「……当たり。知ってんだ」

エルガーデ「情報は入って来るからのう」

エルガーデ「お主のスケベもな」





エルガーデ「アッシュ。憶測で語るな。それは物を見誤るぞ」

アッシュ「……」

エルガーデ「それと。……ゼフガッドは、友達か?」

アッシュ「……」

アッシュ「……友達。仲間さ」

エルガーデ「ならば、信じてやることだ。お主や儂と同じ、彼も、試練を受けている真っ最中なのじゃよ」

アッシュ「じっちゃん」

アッシュ「!」

──ピリッとした、頭痛。

アッシュ「何だ?これ……」

エルガーデ「ふむ」

セレナ「……魔力?」

ドロシー「魔力です!」





……ッシュ。

アッシュ。

来い……決着をつけよう。

アッシュ「……ッ!」

アッシュ「居るのかよ……ゼフ!!」

アリサ「え。ゼフ?」

アッシュ「上等だ、俺も話したいと思っていた所だ!」

アリサ「アッシュ!」

セレナ「あ、アッシュ君!」

セレナ「行っちゃった……」





アリサ「……」

エルガーデ「座っておれ、アリサ」

アリサ「でも!」

エルガーデ「勇敢なる戦士よ。ここは、勇者に任せてくれんかね」

エルガーデ「なに。若者を導くのは大人の役目じゃ」





ドコカ村近郊・西に3㎞──

アッシュ「どういうつもりだよ」

アッシュ「ゼフ」

ゼフ「……言った通りだ」

ゼフ「ここなら迷惑はかけないだろう?俺たちは一応、勇者だからな」

アッシュ「……決着って、何だよ」

ゼフ「そのままだ」

ゼフ「俺とお前は、分かり合えない。どっちが正しいのか、ハッキリさせようと思ってな」

アッシュ(剣がない!?)

ゼフ「はあッ!!」

アッシュ「ぐうっ!?」





アッシュ「鎧……」

アッシュ「危ねえ……」

ゼフ「フン。チャージは足りてなかったと思うが……相変わらず、よく分からない剣だな」

アッシュ「お前のだって」

ゼフ「だが……」

ゼフ「はあっ!!」

アッシュ「ぐあっ!!」

アッシュ(つ、強い、死の波動……)

ゼフ「どうした、アッシュ!!その程度か!!」

アッシュ「な、舐めんなよ!!」

アッシュ「”ラブレード”!!」

ゼフ「効かん!!」

ゼフ「そんなものかアッシュ!!やはり、虚仮おどしだな」

ゼフ「ふッ!!」

アッシュ「”ラブ・シールド”!!」

アッシュ「ッ!!」





ゼフ「どうした、ご自慢の愛はそんなものか!!」

アッシュ「うるせえ!!」

アッシュ「そもそも何だ、お前!!勇者同士で戦う必要なんかないだろ!!」

ゼフ「……戦う必要?」

ゼフ「あるさ。互いの……存在理由だ!!」

アッシュ「!!」

ドォン!!

アッシュ「ぐお……」

ゼフ「勇者が、悪と戦う」

ゼフ「それよりも根本的、根源的。戦う理由とはつまり、脅かし、脅かされる事!」

ゼフ「奪い、奪われる事!奪いたいと、奪わなければならないという事!甘えた事を抜かすな!アッシュ!!!」

ドォン!!ドォン!!

アッシュ「くそ、”ラブレー”……」

アッシュ「あ、ヤベ……」

ドォォォォン!!





アッシュ「……」

アッシュ「……ッ?」

アッシュ「じ、じっちゃん?」

エルガーデ「少しは、学べたかの?アッシュ」

ゼフ「……」

ゼフ「

エルガーデ「よく見よ、アッシュ。剣も、技も持たぬあの男を」

エルガーデ「精巧にできているかも知れんが、魔力によってできた紛い物。お主を惑わせる、ゼフガッドの偽者じゃ」

アッシュ「偽者……?」

ゼフ?「……」





シュン!

アッシュ「あ、鎧が……」

エルガーデ「剣が、危機は去った、と判断したのじゃろう」

エルガーデ「まあ、そこで見ておれ。久々に戦ってやるわい」

ゼフ?「貴様……」

エルガーデ「かかってこい、悪しき者」

エルガーデ「儂は、逃げも隠れもしない」

エルガーデ「チャージ・解放!”真・勇者の鎧”」

カッ!!

ゼフ?「邪魔、するなッ!!!」

エルガーデ「ふん」

パシュッ!

アッシュ「は、波動を、掴んで……」

アッシュ(すげぇ、やっぱすげぇや、じっちゃん!)

エルガーデ「”ブレイブ・ソード”!」





エルガーデ「ふん。口ほどにもないのう」

エルガーデ「まだまだじゃな、アッシュ。あんなものに惑わされるとは」

アッシュ「め、面目ないぜ」

エルガーデ「……」

エルガーデ「しかし、あの偽者は何のために?ゼフガッド自身ならば、本人がくれば良いじゃろう」

エルガーデ「何かが、動いておるのやもしれぬな。アッシュ」

アッシュ「何か……?」





言われた敵意、偽りなれど。
後引く影の、居所は。

第三章・完



【tips】

勇者①

勇者の剣のチャージ方法

”勇気の勇者”エルガーデ
チャージ方法:勇気を示す
(※長年の修練により、もはや持っているだけでチャージされる)

技:ブレイブ・ソード
エルガーデの「勇者の鎧」以上装備時の必殺技。勇気の斬撃が、敵を斬りつける。



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