宝玉チャージ!溜まるとキュイン♪〜スケベ勇者アッシュの冒険2〜

葉雲屋

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勇者編

第二章

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異世界ミフラ。
ここは、「魔法」「発現」等、"想い"が具現化する世界──。



魔法都市カルバラ・魔法院本部・院長室──

ルメッド「失礼します」

ルメッド「お初にお目にかかります。院長……ローカイ様」

”院長”ローカイ「やあ、こちらこそ初めまして、だね。ルメッド君」

お互い、初対面であった。
助長では会うに値しない──そういうものだ。「院長」というものは。
ちなみに、無論、元老院本部にも院長室はある。

ルメッド「元老二名、魔法長二名のご承認を得てきました」

ルメッド「院長様のご承認があれば、私は正式に、魔法長となります。……お願いできますか?」

ローカイ「そりゃ、勿論」

ローカイが、引き出しから羊皮紙を取り出して、何やら書く。
印を押すと、ルメッドが、畏まってそれを受け取った。

ローカイ「史上最年少での魔法長就任、おめでとう。……いや、無論、イザベル君がそんな理由で君を推薦したんじゃない事は分かっているよ。これからよろしく頼む」

ルメッド「はい。よろしくお願いします」

ルメッドが二歩下がり、スカートの端をそれぞれ摘んで、頭を下げる。

ルメッド「……時に、ローカイ様。父がお世話になっております」

ローカイ「ベルデット王。ああ、こちらこそね」

ルメッド「そんな父に言ったそうですね。”両院なんか、無い方がいい。国家すら、無い方が良いのかもしれない”と」

ルメッド「その言葉の、真意は如何に?」

ローカイ「……」

ローカイ「それは、切り抜きだね」

続きがあるんだ、と、ローカイ。

ローカイ「”と、僕が思い続ける事が大事なんだ”と」

ルメッド「バランス、ですか」

ローカイ「赤と青を混ぜると、紫になる」

ローカイ「両院のバランスというのは、赤と青の供給さ。君も、青を貫きたまえ」

ルメッド「……ローカイ様の役割は?」

ローカイ「紫のキープだよ」

理解しました、と、ルメッド。
少女が去り、ローカイだけが残る。

ローカイ「フフ……願わくば、ただの紫であってくれん事を」



魔法都市カルバラ・某所──

アッシュ「ま、そんなわけで、俺達みんなルメッドに怒られたというか」

アリサ「チャージ?」

アッシュ「お前な……流石に俺にも分別はあるって」

アッシュ「つか、絶対無理だぞ。チャージ以前に、滅茶苦茶厳しそうというかさ」

ルナ「あら」

ガルド「お」

ジーク「やあ、君達」

アリサ「あ……えっと、勇者様達!」

ルナ「どーも、アリサちゃん。そこの色ボケと違う、ぼっち勇者たちの寄せ集めでーす」

ガルド「卑下しすぎだろ」

ジーク「ん?二人程足りないようだが」

アッシュ「セレナさんとドロシーは買い物してるよ」

アッシュ「……お前ら、ゼフは?」

ルナ「ああ、ゼフ」

ガルド「……」

ルナ「知らない。どっかいっちゃった。ま、別に仲良くもなかったからねー。……っと、アイツは思ってんでしょ」

アッシュ「……」

ルナ「ゼフといえば、すごかったわよー。昨日の」

ルナ「一発だったもの。堕ち者も、それ使役してた奴も。一瞬で、死んじゃった」

アリサ「死……」

アッシュ「どんな様子だったんだ?ゼフの奴」





ガルド「俺達が、連絡を聞いて駆けつけて」

ルナ「みんなで戦おうとしたときに、あいつがさ」

ジーク「麗しき鎧召喚さ。まあ、僕のには負けるけど!」

ガルド「”ライフ・ハリケーン”さ。だが、あれは、俺達が知ってる威力じゃなかった」

ガルド「クロエルの戦いから、修行?いや、短期間であれは無理だろ……怒りか?なんかあいつ、お前に怒ってたしな、アッシュ」

アッシュ「……」

ジーク「そして、信じられないけどね」

ジーク「ゼフの剣のチャージ、二段階目だったんだ」

アッシュ「……は?」

アッシュ「待てよ、それじゃ鎧は」

ガルド「出せない、よな。見間違いだって思いたいが。……ゼフに直接聞きたかったんだが、取り付く島もなくてよ」

アッシュ(どういう事だ……?)





アリサ「──あ」

セレナ「お待たせ、二人とも」

ドロシー「師匠!と、勇者様達です!」

ガルド「買い物は終わったのか」

ルナ「じゃ、ちょっとツラ貸してよ。勇者パーティさんたち」

アッシュ「何の話だ?」

ジーク「人数が多い方が楽しいからね!」





魔法都市カルバラ・温泉宿『ヒコミ・ジアン』──

アッシュ「おわ!リニューアルされてるじゃん!」

ルナ「ま、全員知ってるよねえ」

ルナ「魔力装置によるバラエティ豊か、効能豊かな名物温泉。更に”魔法泉”を活かしてリニューアル、追加アップデートされたのさ」

ルナ「丁度良かった。女湯でぼっちになっちゃうからさ」

アッシュ「アップデート・混浴って」

ガルド「ないぜ」

ジーク「僕たちは僕たちで、裸の付き合いをしようじゃないか!」





ドロシー「紫色のお風呂があるです!」

ルナ「新しく増えたやつよお。毒……っていっても微毒だけど。お肌の角質とか取ってくれるの」

ルナ「って言うかあ。皆けっこう利用してるの?慣れてるけど」

セレナ「まあ、名所ですし」

アリサ「アッシュが毎回入りたがるのよね」

ルナ「アッシュは……」

アリサ「そうです」




パァン!

ガルド「お、ありゃルナの宝剣の音だな」

ジーク「休んでるからチャージされてるんだね!」

ガルド「もっと休めば、キュイン!て鳴るはずさ。なんつーかズルいな」

アッシュ「休むことが仕事だからなー」

ガルド「アッシュのは、単純なんだか複雑なのか」

アッシュ「難しいよ。やる気はあるんだけど」

ガルド「俺やジークも難しいぜ。何つーか、判定があるからな。……やばい!チャージしなきゃ!って時に全然反応してくれなかったりする」

ジーク「”敵を認める”、”カッコよくキメる”。そこのラインに頭を悩ませているのさ。まあ、カッコよさを追求するのは楽しいけどね」

アッシュ「と、考えれば、最低限チャージできるものが分かってる俺のが簡単……」

アッシュ「いや、でもさ。それが女性の【自主規制】だぜ?分かってても簡単にはいかないよ」

ジーク「嫌なのかい?」

アッシュ「むしろ好き」

ガルド「即答だな」

ガルド「……」

ガルド「ゼフも、アッシュぐらい分かりやすかった、けど。分からなくなっちまったな」

アッシュ「……」

アッシュ「俺達の宝剣には、まだまだ秘密がある」

アッシュ「それを解き明かしていくことも、勇者としての使命なんじゃないかな」





ガルド「よし」

アッシュ「おし」

ジーク「ん?何だい?」

ガルド「真面目タイムは終わりだ」

アッシュ「ああ。この温泉はお約束とばかりに、男湯と女湯の壁の上が空いてる」

アッシュ「よじ登れば覗ける!!」

ジーク「な……止めたまえ!覗きなんかカッコよくないよ!」

アッシュ「そういう問題じゃない!」

アッシュ「見慣れてる裸があるとか、そういう問題でもない!!」

アッシュ「風呂といえば覗き!!男のロマンだ!!」

ガルド(すまん、アッシュ。俺はそこまでじゃない)

アッシュ「どりゃああああああ!!!」

アッシュ「!」





ルナ「”ヘルペジオ・バブル”」

アッシュ「へあ!?……ば、馬鹿な!思ったより!!アリサがボイン……」

ガルド「う、嘘だろ!?ドロシーちゃんがあんな……」

ドロシー「?」

アリサ「だいぶ失礼な事言ってますけど、何ですか?あれ」

セレナ「魔法、ね。それも水魔法」

ルナ「そりゃあ、勇者だって魔法は使えるわよ」

ルナ「私は、戦闘中じゃチャージできないからね。水魔法でも磨いとかないと大変なわけ」

アリサ「ルナさん……」





魔法院士官「ルメッド様。勇者アッシュブレイブと、ガルドが、温泉で覗きを」

ルメッド「愚劣ですね」





アッシュ「は、はらりほはは」

ガルド「へ、へへらへろほほ」

ルナ「ま、そのうち治るわよ」

アリサ「馬鹿な奴……」

セレナ「勇者様がたは、まだしばらくここに?」

ジーク「ん?君達はどこかへ行くのかい?」

アリサ「はい」

アリサ「ドコカ村。セレナさんとドロシーも一緒に、私達の故郷に帰ろうかと」





某所──

ゼフ「ぐ、ぐっ……」

ゼフ「やめろ、俺に、俺に、囁くな……!!」





旅の始まり、ドコカ村。
それは”勇者”が、ひそむ場所。

第二章・終わり



【tips】

魔法①

ヘルペジオ・バブル【水】
水属性魔法。泡に触れた相手に幻覚を見せる。




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