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1巻 3章~エレノールと凍りオオカミと導術と
共闘の申し出~Leuchtpilze
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「カンサイベン? 何を言ってるの。キミは……」
金髪のエルフ娘に、話している言葉についてそれとなく聞いて見た結果がコレだ。そうだよな。そういう答えが返ってくるのは分かっていた。
『萌炎充電60パーセント。回復傾向にあります。グリューン具現化発動』
お、この機械音が聞こえたという事は……
いきなり煙と共に、黒いサングラスを掛けた燕尾服姿のトカゲ、グリューンが姿を現す。
ピクッとエルフ娘の尖った耳が反応したのを俺は感じた。あれ? もしかして包丁から発せられた機械音がこの娘にも聞こえたのか? マジで……
しかしそれ以上の反応をエルフ娘が示さなかったので、俺もこの点についてはツッコミを避けた。どちらにせよ、フィオナやガルムに聞こえていないのは確かだ。それは二人が無反応ということで分かる。
「やぁやぁやぁ! 呼ばれて飛び出て、ででででーん! パーティーの要、レンジの相棒のグリューンが戻ってきたぜぃ!」
そのフレーズって使っていいのか? 誰かに怒られないか? をい。
「このトカゲもどき……それにさっき感じた大きな魔力。キミは一体何者なの」
金髪のエルフ娘、確かヴェルドワイヤン族って言っていたよな。その彼女が至極当然の疑問を投げかける。俺はガルムと目を合わせる。さてどうやって話したらいいものか。
「わたしはフィオナ・ルーセント。聖アルベルト教会の神官をしています。あなたは? そのローブは王都の魔導教会のβ級導術士の証かと認識しています。よろしければ旅の目的と、わたし達を助けて頂いた経緯をお話し願えますか」
丁寧な口調で話を進めるフィオナ。
有難い。俺ではフランクすぎて役不足だし、ガルムはどうしても第一印象が悪くなってしまう。その点フィオナなら。
格闘術という交渉事といい、フィオナがこのパーティーの要なのかもしれないな。
ふっと小さく金髪のエルフ娘が笑う。
「そうね、かなり言葉が過ぎてしまったわ。ごめんなさい」
彼女は丁寧に頭を下げる。肩に乗っている猫が「ミヤァ」といって頬ずりをするのが見えた。
ヴェルドワイヤン族の娘は黒色の杖を左手に持ち、深くお辞儀をする。右手を自分の胸辺りに払い挨拶をするように動かした。
その瞬間めくれたローブの隙間から、下着や肌が見えそうな派手な際どい衣装が目に飛び込んできた。セパレートタイプの水着を着ているとでも表現すればいいのか……大きな二つの胸の膨らみも見え、俺の目が一瞬釘付けになってしまった。
「やばっ…胸でっか…」
感想を思いっきり言葉に出してしまった。いや、今のは男として仕方ないだろ……
「聞こえてますよ。レンジさん……」
フィオナの軽蔑の眼差しが痛い。
小さなため息をついてフィオナは金髪の娘に向き直った。
「失礼しました。続けてください」
彼女は自分の容貌に対するやり取りを慣れているようで、恥ずかしがっている様子は全く見られなかった。
「あたしは王都魔法協会所属のβ級導術士、ヴェルドワイヤン族のエレノール・アストリア。お見知りおきを」
丁寧に自己紹介をするヴェルドワイヤン族の導術士を名乗る、エレノール。
王都魔導協会? β級導術士? またもや分からない単語だらけだ。俺はガルムに視線を向ける。ガルムはその視線の意味を理解したようで、「あとで話すから今は黙ってろ」という目配せをした。
「ここから少し先にいった洞窟の中から、あたしの探求対象である特異な魔力反応が出ているのよ。あなた達の目的は、この洞窟の主である白いドラゴンのようね。お互いの目的達成のため、協力しない? 」
つまりはあれか。俺達の行こうとしている聖なる山の洞窟。その中にエレノールの目的としている物があって、それを探しに来たというわけか。それで俺たちに出会い、助太刀をしたというわけだな。
「お前の目的は分かった。しかし……」
ガルムが話に割って入る。まだ何か引っかかっているようなそんな言い方だ。尻尾の先が緊張するかのように力が入っているのがわかる。
「ワシたちを村からずっとつけていただろう。この二人は気づいていないが、ワシの目はごまかせんぞ。他の思惑があるんじゃないのか」
そういえばガルムがさっき言っていたな。エレノールもそうだと認めていたはず。
「そうか。どこかで見たことがあると思っていたんだ。やっと思い出した」
ガルムがやっと思い当たったという表情を浮かべる。あれだ。閃きのアイコンが見えたような感じだ。
「一時期、王都の冒険者ギルド内を出入りしていただろう。あの時噂になっていた導術士の名前が、確かエレノールというヴェルド族だったはずだ!その時は真紅ではなく、一つ下のγ級の緑のローブを着ていたから、今の今まで思い出せんかった! 」
アルファ、ベータ、ガンマってやつか。それが導術士の階級を現すという事だな。なんとなく理解したぞ。
「えぇ。あなたの事ももちろん知っているわ。王国騎士団の3番隊隊長、通称『粉砕のガルム』さん」
フフッと小さく笑うエレノール。そうなのか。ガルムとエレノールは王都では割と有名人なんだな。そういえばフィオナの所属している教会も王都にあるって言っていたよな。
王都か……この冒険が終わったら行ってみたいな……
「洞窟の中に特殊な魔力を放つキノコ『ロイヒテン・ピルツェ』が生えている可能性があるの。かなり特徴的な魔力の波動だし、洞窟の前まで行ければ更に詳しく場所を特定できるわ。でもあたしだけではこの先心許無いのは正直認める。洞窟の中がどうなっているか見当もつかないし、導術士の一人歩きはちょっと無謀すぎるのよね。それで協力関係が気づけるヒトたちを探していたの。そうしたら偶然、村であなたたちを見つけたってわけ」
魔法のキノコを探していたという事か。でもあれだけ強いんだから、一人でも充分なんじゃないのか?
「そういう事だったのですね、エレノールさん。わたし達を助けてくれましたし、恩を感じています。そして……あなたの魔力がとても強い事も分かります」
フィオナが話を続ける。
「わたし達もホワイトドラゴンと、更にもっと厄介な何かがいる可能性もあって、3人では心細かったというのは確かです。協力関係を結べるのであれば、それに越したことはないと思います。どうでしょうか」
フィオナ凄いな……交渉事がこんなにうまいなんて! 俺は目を丸くした。
金髪のエルフ娘に、話している言葉についてそれとなく聞いて見た結果がコレだ。そうだよな。そういう答えが返ってくるのは分かっていた。
『萌炎充電60パーセント。回復傾向にあります。グリューン具現化発動』
お、この機械音が聞こえたという事は……
いきなり煙と共に、黒いサングラスを掛けた燕尾服姿のトカゲ、グリューンが姿を現す。
ピクッとエルフ娘の尖った耳が反応したのを俺は感じた。あれ? もしかして包丁から発せられた機械音がこの娘にも聞こえたのか? マジで……
しかしそれ以上の反応をエルフ娘が示さなかったので、俺もこの点についてはツッコミを避けた。どちらにせよ、フィオナやガルムに聞こえていないのは確かだ。それは二人が無反応ということで分かる。
「やぁやぁやぁ! 呼ばれて飛び出て、ででででーん! パーティーの要、レンジの相棒のグリューンが戻ってきたぜぃ!」
そのフレーズって使っていいのか? 誰かに怒られないか? をい。
「このトカゲもどき……それにさっき感じた大きな魔力。キミは一体何者なの」
金髪のエルフ娘、確かヴェルドワイヤン族って言っていたよな。その彼女が至極当然の疑問を投げかける。俺はガルムと目を合わせる。さてどうやって話したらいいものか。
「わたしはフィオナ・ルーセント。聖アルベルト教会の神官をしています。あなたは? そのローブは王都の魔導教会のβ級導術士の証かと認識しています。よろしければ旅の目的と、わたし達を助けて頂いた経緯をお話し願えますか」
丁寧な口調で話を進めるフィオナ。
有難い。俺ではフランクすぎて役不足だし、ガルムはどうしても第一印象が悪くなってしまう。その点フィオナなら。
格闘術という交渉事といい、フィオナがこのパーティーの要なのかもしれないな。
ふっと小さく金髪のエルフ娘が笑う。
「そうね、かなり言葉が過ぎてしまったわ。ごめんなさい」
彼女は丁寧に頭を下げる。肩に乗っている猫が「ミヤァ」といって頬ずりをするのが見えた。
ヴェルドワイヤン族の娘は黒色の杖を左手に持ち、深くお辞儀をする。右手を自分の胸辺りに払い挨拶をするように動かした。
その瞬間めくれたローブの隙間から、下着や肌が見えそうな派手な際どい衣装が目に飛び込んできた。セパレートタイプの水着を着ているとでも表現すればいいのか……大きな二つの胸の膨らみも見え、俺の目が一瞬釘付けになってしまった。
「やばっ…胸でっか…」
感想を思いっきり言葉に出してしまった。いや、今のは男として仕方ないだろ……
「聞こえてますよ。レンジさん……」
フィオナの軽蔑の眼差しが痛い。
小さなため息をついてフィオナは金髪の娘に向き直った。
「失礼しました。続けてください」
彼女は自分の容貌に対するやり取りを慣れているようで、恥ずかしがっている様子は全く見られなかった。
「あたしは王都魔法協会所属のβ級導術士、ヴェルドワイヤン族のエレノール・アストリア。お見知りおきを」
丁寧に自己紹介をするヴェルドワイヤン族の導術士を名乗る、エレノール。
王都魔導協会? β級導術士? またもや分からない単語だらけだ。俺はガルムに視線を向ける。ガルムはその視線の意味を理解したようで、「あとで話すから今は黙ってろ」という目配せをした。
「ここから少し先にいった洞窟の中から、あたしの探求対象である特異な魔力反応が出ているのよ。あなた達の目的は、この洞窟の主である白いドラゴンのようね。お互いの目的達成のため、協力しない? 」
つまりはあれか。俺達の行こうとしている聖なる山の洞窟。その中にエレノールの目的としている物があって、それを探しに来たというわけか。それで俺たちに出会い、助太刀をしたというわけだな。
「お前の目的は分かった。しかし……」
ガルムが話に割って入る。まだ何か引っかかっているようなそんな言い方だ。尻尾の先が緊張するかのように力が入っているのがわかる。
「ワシたちを村からずっとつけていただろう。この二人は気づいていないが、ワシの目はごまかせんぞ。他の思惑があるんじゃないのか」
そういえばガルムがさっき言っていたな。エレノールもそうだと認めていたはず。
「そうか。どこかで見たことがあると思っていたんだ。やっと思い出した」
ガルムがやっと思い当たったという表情を浮かべる。あれだ。閃きのアイコンが見えたような感じだ。
「一時期、王都の冒険者ギルド内を出入りしていただろう。あの時噂になっていた導術士の名前が、確かエレノールというヴェルド族だったはずだ!その時は真紅ではなく、一つ下のγ級の緑のローブを着ていたから、今の今まで思い出せんかった! 」
アルファ、ベータ、ガンマってやつか。それが導術士の階級を現すという事だな。なんとなく理解したぞ。
「えぇ。あなたの事ももちろん知っているわ。王国騎士団の3番隊隊長、通称『粉砕のガルム』さん」
フフッと小さく笑うエレノール。そうなのか。ガルムとエレノールは王都では割と有名人なんだな。そういえばフィオナの所属している教会も王都にあるって言っていたよな。
王都か……この冒険が終わったら行ってみたいな……
「洞窟の中に特殊な魔力を放つキノコ『ロイヒテン・ピルツェ』が生えている可能性があるの。かなり特徴的な魔力の波動だし、洞窟の前まで行ければ更に詳しく場所を特定できるわ。でもあたしだけではこの先心許無いのは正直認める。洞窟の中がどうなっているか見当もつかないし、導術士の一人歩きはちょっと無謀すぎるのよね。それで協力関係が気づけるヒトたちを探していたの。そうしたら偶然、村であなたたちを見つけたってわけ」
魔法のキノコを探していたという事か。でもあれだけ強いんだから、一人でも充分なんじゃないのか?
「そういう事だったのですね、エレノールさん。わたし達を助けてくれましたし、恩を感じています。そして……あなたの魔力がとても強い事も分かります」
フィオナが話を続ける。
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