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戦場の歌姫
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塹壕で少年兵の柊奏良と大人の兵士達が待機していた。
睨み合いになってから、もう5日過ぎている。
両軍何となく戦争なんかない物と気を楽にしていた。
そんな筈は無いのに。
「もしかして、和平したのかも」
と、奏良。
「そうならいいが、なんかうなじの毛が震えてやがる」
と、隊長。
「こういう時は、良い事あんまねーんだ、
嫁さんと所帯を持った時にもあったけどな」
「なら、何かが起こるとだけで、いい事も起こるんじゃないか」
と、奏良。
「嫁さんと所帯持つことがいい事かい?お前は純情だな」
軽口をたたいてるまさにその時、ステルス機が多数やって来て空対地ミサイルをぼかすか打ち込んできた。
隊長「あーあ、悪い目、引いちまったな。」
「うわあああぁ、もう駄目だ~」少年は頭を抱えて隊長にしがみついた。
誰もが駄目だと思った時、
飛行する少女が戦術核ミサイルを撃って、敵とこれは味方も少なくない人数を殲滅し降りて来た。
「あなた、私と姿形が似てるわね」
少年は何処がだろうと思った。
「顔に皺が無いし、髭も生えてないわ」
まぁ、いいか。
「弾薬が尽きたので補充していくわ」
なにか頭の中に心地よい歌が流れた。
***
少年の部隊は30kmばかり後ろに下がった。また塹壕を掘る。
食事よりも寝るよりも戦闘するよりも塹壕掘りの時間が長い。
おそらく、ずっと過去から兵士はそうなんだろう。
「隊長、もう穴掘るのは飽きたっすよ。敵は空からばっかりなんだから、
掘る意味ないんじゃないですかね?」
「それで陸から来たらどうするんだい?後悔して死ぬのかね?
戦争ははったりのかましあいだよ。
掘れと言われれば掘る、掘るなと言われたら掘らないのさ」
そうこうしていると、索敵部隊が多数のステルス機の接近を探知した。
少女が敵部隊をハッキングして、戦術データリンクで索敵部隊に知らせているらしい。
司令部から飽和攻撃の命令が発せられた。
塹壕の兵士達はありったけの地対空ミサイルを発射した。
今気づいたが少女は空を飛ぶとき、フォーンというような音がする。
少女はありったけの空対空ミサイルを発射した。
敵の護衛戦闘機からも空対空ミサイルが発射される。
少女はP90でミサイルを落としていく。
ああ、駄目だ。一発当たった。
落ちて来る。
ヘリコプターのローターが自然に回って比較的ゆっくり落ちるように、
少女もゆっくり落ちる。
少女は気を失っていた。
***
歳が近いということで柊奏良が看病することを命令され、
とりあえず濡らしたタオルで顔を拭いてやっていた。
そして、やることもないので、子守歌をくちずさんでいた。
しばらくすると、少女は目を覚まし
「お母さんがそうしてくれてる夢を見たわ。記憶なんて消えてる筈なのに」
「そっか、良かったね」
その言葉で安堵したように少女は少し泣いた。
「ねぇ、逃げ出さない?」と、少年。
「そうね、素敵ね」
と、涙を見せたことを少し恥ずかしそうにしながら、少女が言った。
「次は本土決戦だろうし、私がいても劣勢は覆らないわ。妹達もいるし」
「じゃーそうしよう。一緒にどこかに逃げようよ」
「ねぇ!私子供作れるの!」
と、少女は夢見てるように言った。
「いいね、空飛ぶサッカーチームを作ろうよ!」
睨み合いになってから、もう5日過ぎている。
両軍何となく戦争なんかない物と気を楽にしていた。
そんな筈は無いのに。
「もしかして、和平したのかも」
と、奏良。
「そうならいいが、なんかうなじの毛が震えてやがる」
と、隊長。
「こういう時は、良い事あんまねーんだ、
嫁さんと所帯を持った時にもあったけどな」
「なら、何かが起こるとだけで、いい事も起こるんじゃないか」
と、奏良。
「嫁さんと所帯持つことがいい事かい?お前は純情だな」
軽口をたたいてるまさにその時、ステルス機が多数やって来て空対地ミサイルをぼかすか打ち込んできた。
隊長「あーあ、悪い目、引いちまったな。」
「うわあああぁ、もう駄目だ~」少年は頭を抱えて隊長にしがみついた。
誰もが駄目だと思った時、
飛行する少女が戦術核ミサイルを撃って、敵とこれは味方も少なくない人数を殲滅し降りて来た。
「あなた、私と姿形が似てるわね」
少年は何処がだろうと思った。
「顔に皺が無いし、髭も生えてないわ」
まぁ、いいか。
「弾薬が尽きたので補充していくわ」
なにか頭の中に心地よい歌が流れた。
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少年の部隊は30kmばかり後ろに下がった。また塹壕を掘る。
食事よりも寝るよりも戦闘するよりも塹壕掘りの時間が長い。
おそらく、ずっと過去から兵士はそうなんだろう。
「隊長、もう穴掘るのは飽きたっすよ。敵は空からばっかりなんだから、
掘る意味ないんじゃないですかね?」
「それで陸から来たらどうするんだい?後悔して死ぬのかね?
戦争ははったりのかましあいだよ。
掘れと言われれば掘る、掘るなと言われたら掘らないのさ」
そうこうしていると、索敵部隊が多数のステルス機の接近を探知した。
少女が敵部隊をハッキングして、戦術データリンクで索敵部隊に知らせているらしい。
司令部から飽和攻撃の命令が発せられた。
塹壕の兵士達はありったけの地対空ミサイルを発射した。
今気づいたが少女は空を飛ぶとき、フォーンというような音がする。
少女はありったけの空対空ミサイルを発射した。
敵の護衛戦闘機からも空対空ミサイルが発射される。
少女はP90でミサイルを落としていく。
ああ、駄目だ。一発当たった。
落ちて来る。
ヘリコプターのローターが自然に回って比較的ゆっくり落ちるように、
少女もゆっくり落ちる。
少女は気を失っていた。
***
歳が近いということで柊奏良が看病することを命令され、
とりあえず濡らしたタオルで顔を拭いてやっていた。
そして、やることもないので、子守歌をくちずさんでいた。
しばらくすると、少女は目を覚まし
「お母さんがそうしてくれてる夢を見たわ。記憶なんて消えてる筈なのに」
「そっか、良かったね」
その言葉で安堵したように少女は少し泣いた。
「ねぇ、逃げ出さない?」と、少年。
「そうね、素敵ね」
と、涙を見せたことを少し恥ずかしそうにしながら、少女が言った。
「次は本土決戦だろうし、私がいても劣勢は覆らないわ。妹達もいるし」
「じゃーそうしよう。一緒にどこかに逃げようよ」
「ねぇ!私子供作れるの!」
と、少女は夢見てるように言った。
「いいね、空飛ぶサッカーチームを作ろうよ!」
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