文字サイズ
小
中
大
特大
412 / 438
第14章 風の残像
第412話 余白の裂け
金色の雨が止むと、柱の森の外周に一本の線路が浮かんだ。経蔵の防壁内を巡回する霧列車が、次の楔へ向かう者を拾いに来たのだ。おたまが先に乗り、三人が続く。第一外門へ戻る列車ではなく、外郭をさらに内側へ進む環状線だった。
走り出して間もなく、目録の頁が、音を立てた。
紙が裂ける音ではない。もっと細い、糸が切れるような音だった。
久遠が手を止めた。
義眼の蒼光が頁の端に集まる。
余白だった。
文字と文字のあいだ、行と行のあいだ。本来ならば何も書かれていないはずの隙間に、亀裂が走っている。
「……目録の余白が割れている」
久遠は声を低くして言った。
指先で亀裂の縁をなぞる。白い紙の断面から、かすかに茶色い繊維が覗いていた。
「割れた、というより剥がれたんだ。上から貼った紙が浮いている。余白じゃない。これは——蓋だ」
こよいは身を乗り出した。
久遠が爪の先で慎重に紙の層をめくると、その下から文字が現れた。
薄い墨で書かれた、細い字。
目録の本文とは筆跡が違う。本文は均一で端正な書体だが、余白の下の文字は急いで書いたように傾いていた。
「隠し書きだ」
久遠の蒼光が文字の上を走った。
「この目録を最初に編んだ者たちが、余白の下に書き残していた。漂白が進んで表層の糊が弱まったから、今になって剥がれ始めたんだろう」
あさひが座席の背もたれに肘を置き、目録を覗き込んだ。
「何が書いてある」
「座標だ。場所の名前と、そこへの道順。それと——警告」
久遠は頁を傾けて光を当てた。
隠し文字の列が、余白の亀裂に沿って続いている。
「観測者が意図的に目録から削った場所がある。地図にも路線図にも載せなかった場所だ。編者たちはそれを知っていて、余白の下に記録を残した」
「なんで表に書かなかったんだ」
「書けば消される。観測者は目録を定期的に検閲していた。だから余白に紙を重ねて、文字を隠した。目録そのものを隠れ蓑にしたんだ」
列車が揺れた。
振動で目録の別の頁がぱらりとめくれ、そこにも余白の亀裂が走っているのが見えた。一箇所ではない。目録のあちこちで、隠された文字が表に出ようとしている。
こよいは自分の膝の上に広がった頁を見下ろした。
亀裂の端から、ひらがなが一文字だけ顔を出している。
「……久遠くん、ここ」
久遠が視線を移した。
蒼光がその文字を照らす。
「名前だ。場所の座標じゃない。誰かの名前が書かれている」
「目録の編者の名前?」
「いや。筆跡が違う。本文とも、隠し書きとも違う。三人目の手だ」
こよいはその文字にそっと指先を近づけた。触れてはいない。けれど指の腹に、かすかな温度を感じた。
巾着が応えるように脈打った。
一度だけ、短く。
「この名前、ぼくは知らない」
こよいは呟いた。
ひらがな三文字の名前だった。読めるのに、意味が分からない。巾着の中の名前たちとも違う振動をしている。
久遠は義眼を細めた。
「目録の余白に、編者でもない誰かが名前を書き残した。漂白で糊が弱まるまで、誰の目にも触れなかった名前だ」
「消されるのを知って、隠したのかな」
「分からない。だが——この名前は、まだ生きている」
久遠の声が硬くなった。
蒼光が揺れる。
「文字がまだ光っている。消えた名前の残滓じゃない。漂白に晒されながらも、ここに留まり続けた名前だ」
あさひが布包みの石突で床を叩いた。
低い音が車内に響く。
「目録が勝手に開いたわけじゃねえだろう。漂白が進んで、今まで見えなかったものが見え始めてる。それは悪い話じゃねえ」
「悪くはない。だが、観測者が隠したかった場所が露わになるということは——俺たちだけでなく、漂白にとっても見えるようになるということだ」
沈黙が落ちた。
列車の車輪が線路の継ぎ目を越える音だけが、規則的に響いている。
こよいは目録の頁に視線を戻した。
余白の亀裂はゆっくりと広がり続けている。糊が乾いてひび割れるように、少しずつ、確実に。
その亀裂の奥に、まだ読めない文字がいくつも眠っている。糊が剥がれるたびに、紙の層が微かに音を立てた。
知られたくなかった言葉が、時間をかけて表に出てくる。
それが救いなのか、それとも新しい危険の始まりなのか。
こよいには、まだ分からなかった。列車の振動が、目録の頁を細かく揺らしている。
ただ巾着の中の名前たちが、余白の名前に向けて静かに脈打っていることだけが、確かだった。
おたまは裂けた余白へ前脚を置かず、その周囲を一周して座った。見えていない文字の上だけ小鈴の反響が鈍い。久遠は反響の境をなぞり、まだ剥がれていない次の層の広さを記録した。
見えない文字の上を、猫だけが知っている。裂けた余白の縁を、久遠はおたまの反響を頼りになぞった。消された名前の輪郭が、猫の耳の中にだけ、まだ残っていた。
消された名前の輪郭を、猫だけが覚えている。その静かな証言に、久遠は耳を澄ませ続けた。
走り出して間もなく、目録の頁が、音を立てた。
紙が裂ける音ではない。もっと細い、糸が切れるような音だった。
久遠が手を止めた。
義眼の蒼光が頁の端に集まる。
余白だった。
文字と文字のあいだ、行と行のあいだ。本来ならば何も書かれていないはずの隙間に、亀裂が走っている。
「……目録の余白が割れている」
久遠は声を低くして言った。
指先で亀裂の縁をなぞる。白い紙の断面から、かすかに茶色い繊維が覗いていた。
「割れた、というより剥がれたんだ。上から貼った紙が浮いている。余白じゃない。これは——蓋だ」
こよいは身を乗り出した。
久遠が爪の先で慎重に紙の層をめくると、その下から文字が現れた。
薄い墨で書かれた、細い字。
目録の本文とは筆跡が違う。本文は均一で端正な書体だが、余白の下の文字は急いで書いたように傾いていた。
「隠し書きだ」
久遠の蒼光が文字の上を走った。
「この目録を最初に編んだ者たちが、余白の下に書き残していた。漂白が進んで表層の糊が弱まったから、今になって剥がれ始めたんだろう」
あさひが座席の背もたれに肘を置き、目録を覗き込んだ。
「何が書いてある」
「座標だ。場所の名前と、そこへの道順。それと——警告」
久遠は頁を傾けて光を当てた。
隠し文字の列が、余白の亀裂に沿って続いている。
「観測者が意図的に目録から削った場所がある。地図にも路線図にも載せなかった場所だ。編者たちはそれを知っていて、余白の下に記録を残した」
「なんで表に書かなかったんだ」
「書けば消される。観測者は目録を定期的に検閲していた。だから余白に紙を重ねて、文字を隠した。目録そのものを隠れ蓑にしたんだ」
列車が揺れた。
振動で目録の別の頁がぱらりとめくれ、そこにも余白の亀裂が走っているのが見えた。一箇所ではない。目録のあちこちで、隠された文字が表に出ようとしている。
こよいは自分の膝の上に広がった頁を見下ろした。
亀裂の端から、ひらがなが一文字だけ顔を出している。
「……久遠くん、ここ」
久遠が視線を移した。
蒼光がその文字を照らす。
「名前だ。場所の座標じゃない。誰かの名前が書かれている」
「目録の編者の名前?」
「いや。筆跡が違う。本文とも、隠し書きとも違う。三人目の手だ」
こよいはその文字にそっと指先を近づけた。触れてはいない。けれど指の腹に、かすかな温度を感じた。
巾着が応えるように脈打った。
一度だけ、短く。
「この名前、ぼくは知らない」
こよいは呟いた。
ひらがな三文字の名前だった。読めるのに、意味が分からない。巾着の中の名前たちとも違う振動をしている。
久遠は義眼を細めた。
「目録の余白に、編者でもない誰かが名前を書き残した。漂白で糊が弱まるまで、誰の目にも触れなかった名前だ」
「消されるのを知って、隠したのかな」
「分からない。だが——この名前は、まだ生きている」
久遠の声が硬くなった。
蒼光が揺れる。
「文字がまだ光っている。消えた名前の残滓じゃない。漂白に晒されながらも、ここに留まり続けた名前だ」
あさひが布包みの石突で床を叩いた。
低い音が車内に響く。
「目録が勝手に開いたわけじゃねえだろう。漂白が進んで、今まで見えなかったものが見え始めてる。それは悪い話じゃねえ」
「悪くはない。だが、観測者が隠したかった場所が露わになるということは——俺たちだけでなく、漂白にとっても見えるようになるということだ」
沈黙が落ちた。
列車の車輪が線路の継ぎ目を越える音だけが、規則的に響いている。
こよいは目録の頁に視線を戻した。
余白の亀裂はゆっくりと広がり続けている。糊が乾いてひび割れるように、少しずつ、確実に。
その亀裂の奥に、まだ読めない文字がいくつも眠っている。糊が剥がれるたびに、紙の層が微かに音を立てた。
知られたくなかった言葉が、時間をかけて表に出てくる。
それが救いなのか、それとも新しい危険の始まりなのか。
こよいには、まだ分からなかった。列車の振動が、目録の頁を細かく揺らしている。
ただ巾着の中の名前たちが、余白の名前に向けて静かに脈打っていることだけが、確かだった。
おたまは裂けた余白へ前脚を置かず、その周囲を一周して座った。見えていない文字の上だけ小鈴の反響が鈍い。久遠は反響の境をなぞり、まだ剥がれていない次の層の広さを記録した。
見えない文字の上を、猫だけが知っている。裂けた余白の縁を、久遠はおたまの反響を頼りになぞった。消された名前の輪郭が、猫の耳の中にだけ、まだ残っていた。
消された名前の輪郭を、猫だけが覚えている。その静かな証言に、久遠は耳を澄ませ続けた。
感想 0
あなたにおすすめの小説
VRMMO転移したら小間使いでした
現実ではいじめられ、家にも居場所がない高校生・井上真。
唯一の逃げ場は、VRMMO《Sanctuary Life》で自分が作った“理想の自分”──
長身イケメンで世界一の商会長《カルロ》として生きる時間だった。
しかし、現実で追い詰められた末に命を絶った真が目を覚ますと、
そこはまさかの《Sanctuary Life》の世界。
しかも転生したのはカルロではなく──
カルロ商会の小間使い《マルコ》だった。
自作アバターにこき使われる毎日。
理想の自分の足元で荷物を運び、怒られ、褒められ、振り回される。
屈辱と戸惑いの中で始まった異世界生活は、
なぜか“商人としての才能”を少しずつ開花させていく。
帳簿の異常、横領の兆候、輸送ルートの欠陥──
誰も気づかない問題を次々と見抜くマルコは、
やがてカルロから「右腕」に指名され、
商会争奪戦の鍵を握る存在へと成長していく。
理想の自分の下っ端から始まる、
商会×成長×VRMMO転移のライトファンタジー。
自信ゼロの少年が、異世界で“自分の価値”を見つけていく物語。
推しの救助費は六千万円。払えるわけない限界無職女は100均ホウキ一本で女性アイドル配信者を助けに行く
田中紅亜(くれあ)が愛する推しの女性アイドル配信者が、ダンジョンで襲われた。
食人植物に全身を拘束され、精神を保てるのはあと十日。だけど警察は動いてくれない。民間の救助費用は六千万円。無職の紅亜に払えるはずがない。
だから紅亜は、自分で助けに行くことにした。
持っていくのは、100円ショップのホウキとチリトリ。
ブラック飲食店で心を壊した紅亜は、ご先祖さまが支配する「六畳間ダンジョン」に居候し、家賃代わりに毎日掃除をしていた。濃い瘴気の汚れや巨大な虫を片づけ続けるうちに、自分でも知らないまま規格外の強さを身につけていたのだ。
酒を愛する限界無職女が、推しを無事に連れて帰るため、死のダンジョンへ殴り込む。
そして助けた女たちから、なぜか次々と重すぎる愛を向けられ――救えば救うほど、紅亜を頂点とする百合ピラミッドが築かれていく。
無自覚最強×ダンジョン救助×ガールズラブ。
※欠損を含む強めの残酷描写があります。
『最強クラフトスキルとネットスーパーで、追放された二人は異世界村を成り上げる』
物語のあらすじ
高校生・綾瀬蛍(あやせ ほたる)は、どこにでもいる普通の少年だった。
ある日、蛍が通う高校の教室に、突如として巨大な魔法陣が出現する。
クラスメイト全員が召喚された先は、剣と魔法、魔物が存在する異世界。
そこでは、魔王の脅威に対抗するため、異世界から勇者を召喚したという。
召喚された生徒たちは、一人ずつ自分の持つスキルを鑑定されていく。
剣聖。
聖女。
大魔導士。
英雄の加護。
次々と強力なスキルが判明し、クラスメイトたちは歓声に包まれていた。
そんな中、蛍に与えられたスキルは――。
《クラフト》
武器、防具、道具、建築物。
素材と知識さえあれば、あらゆるものを作り出せる最強の生産スキルだった。
しかし、その真価を知らない王国の人々にとっては、戦闘能力のない役立たずにしか見えなかった。
そして、もう一人。
蛍の隣にいた金髪ギャル、天空寺奏(てんくうじ かなで)。
彼女に与えられたスキルは――。
《ネットスーパー》
異世界にいながら、日本のネットスーパーから食料品や日用品を購入できる能力。
現代の食べ物や便利な生活用品を取り寄せられるが、やはり直接戦う力はない。
王国は二人を勇者として扱う価値がないと判断する。
「戦えないスキルしか持たぬ者を、王都に置いておく必要はない」
こうして蛍と奏は、クラスメイトたちからも離され、王国の辺境へと追放されてしまう。
しかし、それは二人にとって不幸の始まりではなかった。
むしろ――。
誰にも縛られず、自分たちの力で生きていくための始まりだった。
追放先で二人が辿り着いたのは、魔物の脅威と貧困に苦しむ小さな村。
家は壊れ、畑は荒れ、食料も不足している。
村人たちは、王都から見捨てられた自分たちと同じような境遇にあった。
蛍はクラフトスキルで家を建て、農具を作り、村の生活を変えていく。
奏はネットスーパーで食料や生活用品を取り寄せ、村に新たな食文化と便利な暮らしをもたらしていく。
やがて二人の周りには、個性豊かな村人や獣人、冒険者たちが集まり始める。
荒れ果てた辺境の村は、少しずつ活気を取り戻していく。
そしていつしか――。
「この村を、世界一住みやすい場所にしよう!」
最強のクラフトスキルを持つ少年と、ネットスーパーを使う金髪ギャル。
戦闘向きではないと追放された二人が、異世界の片隅で始める、ものづくりと買い物、そして恋の成り上がりスローライフ。
ダンジョン学園サブカル同好会の日常
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。
まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。
しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。
一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。
『定年まであと5年だった俺、異世界では役立たずらしい ~魔法も剣も使えない60歳なのに、なぜか美人上司が現場へ連れていきたがります~』
定年まであと5年だった60歳の会社員・高瀬修司は、工場で若い作業者を助け、事故で命を落とした。
目を覚ますと、そこは魔法と不思議な鉱石「蒼晶石」が存在する異世界。
しかし修司には魔力も、勇者のような力もない。おまけに若返ってすらいなかった。
「こんな老人を、何に使えというのだ」
そう言い放ったのは、銀髪の美人上司・レティシア。
俺にあるのは、37年間、工場の現場を歩いて身につけた経験だけ。
危険な場所には近づかない。異常があれば止める。分からないものには手を出さない。
だが、事故が当たり前のこの世界では、そんな「当たり前」が人の命を救っていく。
やがて修司は、127人が忽然と消えた第三鉱山の調査に同行することになる。
行くたびに姿を変える坑道。青く光る蒼晶石。そして、修司にだけ届く謎の声。
――コイ。
ただの鉱山事故ではない。
その異変は、修司がこの世界へ召喚された理由にもつながっていた。
特別な力なんてなくても、37年の現場経験なら誰かを救える。
役立たず扱いされた60歳の男が、銀髪の上司や仲間たちと人命を救いながら、異世界の謎へ迫っていく――異世界お仕事×救助×ミステリーファンタジー。
思念伝道師─消えた者の消えない願い─
思念伝道師─消えた者の消えない願い─
届けたい想い。
言えなかった想い。
隠したい想い。
知られたくない想い。
死者の遺した、最後の願い。
その願いは、時に生きる者の運命さえ変えてしまう。
死者の『思念』を、生きる者へ届ける旅人──思念伝道師ヴェルシアン。
最強の元騎士グランツ、銀の巨狼ゼルとともに、彼は行き場を失った死者の声を探し、世界を巡る。
「私は彼の墓を暴きますよ」
「やめろ……やめてくれ!」
彼はただ、“死者の想いを届ける”だけ。
それなのに、人は戸惑い、迷い、自ら運命の舵を切り始める。
届けられた真実は、人を救う。
だが時には、「知らない方が幸せだった」と、生者の心さえ壊してしまう。
そんなヴェルシアンを、死者の思念を禁じるアステル教会は"異端"として追い続けていた。
さらに、遺品だけを狙う世界最大の盗賊団《竜の羽》もまた、彼の旅に影を落とし始める。
なぜ教会は、死者の声を恐れるのか。
盗賊たちの目的とは何なのか。
交わるはずのなかった三つの運命が重なるとき、長い年月をかけて封じられた『真実』が、静かに姿を現す。
これは、消えた者の消えない願いが、人を救い、そして壊していく物語。
現代ダンジョン攻略 〜《スキルツリー》で最強へ〜
世界各地に突如として現れた《ダンジョン》。
その内部には魔物が生息し、討伐すれば《魔石》や希少な素材を入手できる。
魔石は国や企業が買い取る重要資源となり、ダンジョンを探索して生計を立てる《探索者》という職業が当たり前になった世界。
高校を卒業したばかりの青年――天城蓮もまた、探索者としてダンジョンへ足を踏み入れる。
そんな蓮が持つのは、三年間一度も使えなかった謎の固有スキル。
《スキルツリー》。
その能力が目覚めたのは、初めて魔物を倒した瞬間だった。
『《スキルの種》を獲得しました』
魔物を倒して《スキルの種》を集め、必要数を満たせば、その魔物に由来するスキルを獲得できる。
剣術、魔法、耐性、身体強化、感知、パッシブ――。
さらに同じスキルを重ねればレベルが上がり、最大まで成長したスキルは、より強力な上位スキルへと《進化》する。
そして、この《スキルツリー》の存在を知る者は蓮だけ。
魔物を倒せば金になる。
レベルも上がる。
そして蓮だけは――倒せば倒すほど、使えるスキルそのものが増えていく。
最弱の魔物から始まり、やがて未知の深層へ。
これは、唯一無二の《スキルツリー》を隠し持つ新人探索者が、世界中のダンジョンを攻略しながら《最強》へと駆け上がっていく物語。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・